#随想015 独身貴族

40年以上生きていると、好きだと言ったり言われたり、それなりに色々な経験をしてきた。

しかし、私の一番好きな人の一番好きな人になることが、これほどまでに難しいこととは思わなかった。

独身だとばかり思って付き合ってみた男性が既婚者だったり、既婚者が気軽に私に声をかけてきたり、お前らはなぜ私に近づいてきたのか、私はそんなに便利そうな女に見えるのか、頭の中は疑問符だらけだ。

逆に、私のことを本当に好きだと言ってくれた男性のことを私が好きになれなかったり、好きだったはずの彼のことを急に嫌いになってしまったり。私は誰かを一途に愛するということができない体質なのかもしれない。

どうやって相思相愛の人を見つけたらいいのかさっぱり分からないまま時だけが過ぎ、やがて男性から好意を寄せられることが難しくなる年齢に到達した。子供を産むには年齢を重ねすぎたので、これはこれでいいやと吹っ切り、これからも嫌いな労働に励み、自分自身に心を寄せて生きていこうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?