川崎でも放射能汚染は続いている=福島原発事故による放射能汚染土の再生利用に反対します!!
ほとんど変わらない放射能汚染値
川崎市中原区での年に一度の放射能測定、今年の結果が出ましたのでお知らせします。結論としては、ほとんど昨年の数値と変わりませんでした。(タイトル画像:測定は新宿代々木市民測定所*1)
昨年87.8だった苔は今年87.4で、ほんの少し減りました。書斎南側の土(2019年の台風の内水氾濫で庭に押し寄せてきた泥が溜まっていると思われるところ)は、昨年102.9だったものが今年103になりほんのわずか増えました。台所窓下の土は今年52.6となり、昨年の勝手口の前55.3と比べて少しだけ減りました。(数字はすべてセシウム134とセシウム137の合計、単位はBq/kg)
セシウム134をわずかに検出
福島原発事故由来の放射能は当初半減期約30年のセシウム137と半減期約2年のセシウム134がほぼ半々くらいでしたが、13年9ヶ月で、ほぼセシウム137だけになったことで、減衰のスピードが落ちてきたと思われます。
昨年は3件体すべてからセシウム134は検出されませんでしたが、今年は書斎南側の土からセシウム134が検出されています。セシウム134が4で、セシウム137が99、合計103です。(セシウム134の検出限界は2.7)
汚染土を全国で「再生利用」?!
川崎市の放射能汚染の状態は、昨年とほぼ変わらないということで、福島原発事故でもっと高濃度に汚染された地域はどうなっているのでしょうか。
福島原発事故で汚染された地域では、除染をして、汚染した土をはぎとり、黒いフレコンパックと呼ばれる袋に詰めて、大熊町、双葉町にまたがる中間貯蔵施設に置いています。その容量は、東京ドーム11杯分と言われています。この汚染土は2045年3月までに福島県外に持ち出し、最終処分する約束になっています。
8000Bq/kg以下は再生利用するって💢
この約束を守るため、環境省は東京ドーム11杯分のうち、4分の3を占める8000Bq/kg以下の汚染土は全国の公共工事などで「資材」として再生利用する方針を決めました。残り4分の1は減容化して、福島県外で「最終処分」することになっています。
2022年12月、環境省は首都圏3カ所で実証実験を行うことを発表しました。具体的には「埼玉県所沢市 環境調査研修所」*3「東京都新宿区 新宿御苑」「茨城県つくば市国立環境研究所」で、各地で反対運動も起きています。
今年9月からの福島原発事故の放射能汚染土をめぐる状況の詳しい経過は一連のまさのあつこさんの記事をぜひ読んでみてください。
ダブルスタンダード
土壌の放射能汚染について、福島原発事故前は、というか従来からずっと、原子炉等規制法では、セシウム合計で100Bq/kgを超えるものは放射性物質として管理が必要です。(2019年の台風で多摩川の水位があがり、内水氾濫した泥は、200Bq/kgありましたから、放射性物質として管理すべきものでした。多摩川の河原に文字通り山のように積まれていましたけど)
しかし、福島原発事故の後、放射性セシウム濃度が8000Bq/kg以下のものなら再生利用が可能ということにしてしまいました。突然80倍も基準がゆるめられたのです。
「汚染水」を「ALPS処理水」と名前を変えて、海洋放出を可能にしてしまったように、「汚染土」を「除去土壌」と名前を変え「再生資材」として利用できることになってしまったのです。
風評加害者とは?
「汚染水」を「処理水」と呼べ!というキャンペーンが行われたように、今後「汚染土」を「除去土壌」と呼べ!というキャンペーンが行われると思います。きっと電通あたりが請け負って、多額の税金を使っての大宣伝キャンペーンが行われるでしょう。
汚染土の全国での再利用について、不安を訴える人たちに対して、福島の復興を妨げる「風評加害者」だと決めつける動きが激しくなるだろうと思われます。
ウィキペディア(Wikipedia)によれば「科学的根拠の無視・無理解によるデマや不安を拡散する行為を「風評加害」その行為をするマスコミ、政治家や政党およびその支持者、市民団体や活動家などを「風評加害者」と呼ぶ」となっています。
放射能の影響には「ここまでなら安全」というしきい値はありません。少ない汚染なら少ないなりに影響があると考えるのが「科学的」な判断です。まっとうな不安を訴える人を「風評加害」などという言葉で傷つけることは許されません。
また全国に放射能汚染土をまき散らすことは、決して福島復興のためにはなりません。言葉を変えて、基準も変えて、福島原発事故をなかったことにしようとしている原子力ムラの人たちが喜ぶだけです。
放射能汚染土の再生利用に反対の声をあげましょう。福島原発事故をなかったことにさせない!!
放射能汚染土再利用反対署名はこちら↓
あなたのまちに放射能汚染土がやってくる~止めよう汚染土再利用! 集会動画
20241217 UPLAN
*1 新宿代々木市民測定所
*2 昨年までの測定結果まとめはこちら↓
*3 除染した汚染土の再生利用の実証実験をする候補に上がっている3カ所のうち1カ所は埼玉県所沢市の「環境調査研修所」でした。お詫びして訂正します。