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除染費用4兆円は東電株の売却益から=除染ビジネス=劣悪な被ばく労働の裏で儲けている人たちが=汚染土全国ばら撒きのためのパブコメ募集が始まった


賠償廃炉等費用23.4兆円のうち除染は4兆円

2023年12月に見直しされた福島原発事故の賠償・廃炉等費用の合計は23.4兆円になりました。

東京電力の賠償費用等の見通しと 交付国債の発行限度額の見直しについて*1  令和5年12月 経済産業省 P6=タイトル画像
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu/pdf/2023/r20231222baisyoutou.jissi.sankousiryou.pdf

除染費用4兆円は東電株売却で

除染費用は4兆円で、国が保有している東電の株式の売却益をあてることになっています。東電の株価がいくらになった時に売却するのかで売却益は大きく変わってきます。
会計検査院の報告*2(2021年度、エ 交付した資金の回収に係る試算)によれば、
ケース①  1株当たりの平均売却価額1,500円=>4兆円
ケース②  1株当たりの平均売却価額1,050円=>2兆5000億円
ケース③ 1株当たりの平均売却価額333円=>1100億円
となっています。
除染費用は4兆円かかることになっているので、ケース①以外は足りなくなります。ケース③333円で売却すると売却益が1100億円で回収に45年かかる計算になっています。

*2

東電株式の売却で見込まれる利益*2(左令和3年、右平成30年報告) 


回収が終わる年、東電および他の原子力事業者負担*2(左令和3年、右平成30年報告)

昨年末の東電の株価は475円

2024年の東電の株価の変化をみると、最高値は4月15日の1108円、最安値は12月20日の444円、12月30日の終値は475円でした。
もし一株450円で売却すると、5000億円の売却益で、不足分は3億5千億円となり、回収には40年かかることになっています(表右側の平成30年報告のケース④)
売却益の不足分は、一般負担金として電力会社から回収されるものとして会計検査院は試算しています。東電や原子力事業をやっている大手電力会社の顧客が長い時間をかけて、電気代として支払って行くことになります。

除染費用の大部分はすでに使われてしまった

この除染費用の使い方に問題があることは、以前から指摘されていました。東京電力の賠償費用等の見通しと 交付国債の発行限度額の見直しについて*1P2によれば、4兆円のうち2023年12月までにすでに3.4兆円が使われています。

資金援助額の見通しと交付国債の発行限度額の見直し(*1 P2)

減容化施設の問題

2019年5月には「減容化施設」の問題を原子力市民委員会が指摘しています。以下引用します。
◆ 必要性や効果の検証が不十分な除染に、すでに3兆円も支出していること自体が大きな問題ですが、さらに指摘すべきこととして、
・この焼却炉の設計容量等の合理性が疑わしく、過大な容量で設置し、ごく短期間で解体するようなものが多いこと、
・減容化と称して放射能に汚染した可燃物を焼却する際の放射能汚染対策が杜撰であること
・森林除染を兼ねたバイオマス発電が進められようとしていること
などから、本来、被災者のために使われるべき除染予算が、関連業者のビジネス・チャンスとして自己目的化し、肥大化していると言わざるを得ません。

除染作業で多重下請け、中抜き

上↑の2015年10月31日の福島民友の記事によれば、「楢葉町の除染事業に青森県の建設業者が労働者を違法に派遣した事件で、2次下請けから3次下請けに渡った一人1万7千円の賃金(日当)のうち、作業員に支払われた日当は最も少ない人が7千円で、1万円も中間搾取(中抜き)されていた」とあります。

被ばくをもたらす原発はいらない

上↑のグリーンピースの2023年3月6日の記事は、実際に除染作業に従事した池田さんが被ばく労働の現実を語っています。
以下 グリーンピースの主張する「原発がいらない理由3」引用します。
通常運転時も被ばくする労働者
原発は通常運転時でも、作業員による被ばく労働が不可避です。原発作業員は、定期点検時、炉内の高線量下で危険な作業を強いられます。それにも関わらず、原発の下請労働者は、賃金のピンハネなど、搾取され使い捨てにされてきました。多重下請け構造の中で、労働災害が隠され、ずさんな被ばく管理で、健康被害も認められてきませんでした。福島原発事故後の収束作業では、多くの作業員が被ばくを強いられながら、現在も困難な廃炉作業を続けています。今後、デブリ取り出しの作業では、さらに危険で高線量の被ばくが予想されます。原発は、ウラン採掘、発電、廃炉に至るまで、労働者に被ばくのリスクを強いています。気候正義に反する発電システムなのです。

汚染土を全国にばらまくな💢

福島原発事故により放射能で汚染された大地を除染することをビジネスとして成立させ、被ばく労働を強いることでお金を儲けている人たちがいることに強い怒りを感じます。そもそも原発とはウラン採掘から通常運転の定期検査、廃棄物の処理、事故炉の廃炉処理に至るまで「被ばく労働を強要して金儲けする」ビジネスだということがわかります。
さらにここで、除染してでてきた汚染土を全国にばらまく計画が出てきました。福島復興のためといいながら、この「汚染土全国拡散ビジネス」で、また儲けようとしている人たちがいるのでしょう💢
反対署名はこちら↓ ぜひ!署名を広げてください。

汚染土全国拡散計画のことはこちらのnoteにも書きました

汚染土全国ばらまきのためのパブリックコメント募集が始まりました!

締め切りは2025年2月16日0時0分。
1.平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令
2.(1)公共の水域及び地下水の汚染を生じさせるおそれのない除去土壌の要件
  (2)除去土壌の埋立処分を終了する場合の措置
  (3)特定廃棄物の埋立処分に係る水質検査の方法の一部改正
  (4)復興再生利用に用いる除去土壌の放射能濃度
  (5)復興再生利用に係る工事の施工及び維持管理に関する基本的な事項
  (6)除去土壌の事故由来放射性物質による汚染の状況の調査方法
  (7)除去土壌の処分に係る代行告示

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