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使用済MOX燃料の再処理=高レベル放射性廃棄物はどうするの?=青森県に質問をしてみた


使用済MOX燃料再処理の廃棄物についての質問

青森県のHPに↑こんなサイトがあるのを見つけました。
説明を読むと
*県政について、日頃感じていることやお考えになっていることなど、 青森県をもっとよくするための建設的で具体的な提案 をお寄せください。
お寄せいただいた提案については、知事が目を通し、関係部局にも通知して、県政を進める上での参考とさせていただきます
*「県政・わたしの提案」としてお寄せいただいた提案に対しては、現在の取組状況や今後の方針などについて回答いたします。
とあったので↓このような質問を出してみました。(太字部分)

1)電気事業連合会(電事連)と関西電力はフランスのオラノ社に使用済MOX燃料の実証実験を委託し、2月12日には搬出量を倍にすると発表しました。これに伴い発生する高レベル放射性廃棄物、TRU廃棄物などの日本への返還、青森県六ヶ所村の施設への受け入れについて、電事連から説明や要請はありましたか。
2)現在高レベルのガラス固化体は六ヶ所村の貯蔵施設にしか受け入れ先はありません。電事連及び関西電力は、仏国オラノ社における使用済MOX燃料再処理から発生する放射性廃棄物の受け入れについて、契約の前にまず青森県に説明や要請をするべきだと思いますが、どうですか。
 以前の再処理委託で発生したフランスからの高レベル放射性廃棄物の受け入れもできていない状況で、より危険でコストも高い使用済MOX燃料の再処理契約を行い、今回使用済燃料を倍増する契約まですることは許されないと思います。
回答をお願いします。

関電社長は「約束は果たされた」と言った

2023年6月12日、使用済MOX燃料の再処理実証試験をフランスで行うため、高浜原発の使用済MOX燃料を10t、使用済ウラン燃料を190t、合計200tをフランスに搬出することを関電森社長が杉本福井県知事に伝えました。そしてこの使用済燃料をフランスに搬出することをもって「約束は果たされた」と森社長は言いました。果たされた約束とは「中間貯蔵施設の候補地を2023年末までに決める。もしできなければ美浜3号、高浜1、2号の運転を停止する」という関電森本社長が杉本福井県知事と2021年に交わした約束のことです。詳しくは以下↓のnoteを。

見直しロードマップで搬出を2倍

今年2月12日には、電気事業連合会(電事連)と関西電力(関電)はこのフランスでの使用済MOX燃料再処理の搬出量を200tから2倍の400tすると発表。翌日関電は使用済燃料の見直しロードマップを発表しました。しかし、この見直し計画をよくみると1.5倍の300tになっているだけでした。詳しくは以下↓のnoteを。

青森県知事がガラス固化体の搬入を拒否

2024年10月には、宮下青森県知事がフランスでの再処理事業から高レベルのガラス固化体の受け入れを拒否したとの報道がありました。

まずは廃棄物の引き受け先を確保してからにするべきでは

電事連は、以前フランスでの再処理で発生した高レベルガラス固化体などの放射性廃棄物を2033年までに受け入れないといけない状況にありながら、まだ青森県の了解を得られていません。
このような状況で、あらたに使用済MOX燃料の再処理を委託するなどということは許されるのでしょうか?あらたに発生するであろうより危険な高レベル廃棄物はどうするのでしょうか。ちなみに、高レベルのガラス固化体は日本では青森県の六ヶ所村にしか受け入れ可能な場所はありません。
電事連や関電は使用済MOX燃料に再処理について、フランスオラノ社と契約をする前に、発生する高レベルのガラス固化体やTRU廃棄物の返還について、青森県に説明をし、了承を得てから進める必要があるのではないでしょうか。

関電の「約束」のための苦肉の策

2023年6月に、使用済燃料再処理・廃炉推進機構が発表した資料P3がタイトル画像になります

https://www.nuro.or.jp/pdf/20230612_3.pdf

これを読むと、関電の使用済燃料を福井県外に持ち出す「約束」を守るために、まさにオールジャパンで打ち出した苦肉の策がこの使用済MOX燃料再処理だということがわかります。

トイレなきマンション=廃棄物のことは考えてない原子力ムラ人

かなり前のことになりますが、神田啓治京大名誉教授が「海外に再処理を委託すれば、原発のごみ問題は解決すると思っていた」と発言したことがありました。最初の頃の海外再処理の契約には廃棄物返還についての記載はありませんでした。その後、海外再処理した後の高レベルのガラス固化体などの廃棄物が返還されることが決まってから、高レベル廃棄物の最終処分の検討が始まりました。まさにトイレなきマンション!その体質は今も変わってないのだと思います。
今回の使用済MOX燃料の再処理について、返還される廃棄物についてはどこまで契約に書いてあるのでしょうか。事前に青森県に説明はされたのでしょうか。
青森県から回答がきたらまたお知らせします。


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