13年半経っても出荷制限=福島原発事故由来の放射能汚染の現実
福島原発事故由来の出荷制限
10月18日、放射能汚染による出荷制限の発表が厚生省からありました。その表をみると、まだまだ続く福島原発事故由来の放射能汚染の現実がそこにありました。
13年半経っても、福島県内はもちろん、福島県外でも出荷制限が続いてるものがあります。
原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等:令和6年10月18日現在
原子力災害対策特別措置法に基づく食品に関する出荷制限等:令和6年10月18日現在 参考資料1
https://www.mhlw.go.jp/content/11135000/001316145.pdf
福島県内
福島県内では、帰還困難区域だけではなく、他の地域や市町村でも出荷停止のものが数多くあります。
原乳、野菜、キノコ、タケノコ、山菜、ウメ、ユズ、クリ、キウイ、コメ、川魚、牛肉、イノシシ、カルガモ、キジ、クマ、ノウサギ、ヤマドリなどです。
福島県以外でも
福島県以外の県でも、出荷制限が続いています。青森県、岩手県、宮城県、山形県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県の13県です。
品目はキノコ、山菜、川魚、イノシシ、シカ、クマ、ヤマドリなどです。
基準値(100Bq/kg)以上を検出したのは10県
今年8月に消費者庁、食品安全委員会、 厚生労働省、 農林水産省が発表した「食品中の放射性物質の最近の検出状況」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/radio_nuclide/240813_siryo.pdf
のP14(タイトル画像)で、赤い丸 ⭕️ がついている自治体は基準値(100Bq/kg)を超えた食品があったところです。出荷制限がない秋田県、東京都、神奈川県も検査は続いています。秋田は🟠がついているので、キノコ、山菜から基準値の半分、つまり50Bq/kgを超える放射性セシウムが検出されています。
食品中の放射性セシウムの基準値
同じ「食品中の放射性物質の最近の検出状況」のP3には食品中の放射性セシウムの基準値が示されています。放射性物質の摂取について、安全と危険のしきい値はありません。これ以下なら安全とはいえません。放射能は少なければ少ないほど良いので、この100Bq/kgという食品の基準は甘いと思います。
輸出した食品から放射性セシウムが検出された
9月6日、韓国へ輸出した日本産こんにゃくから微量の放射性セシウムが検出されて、輸入が中止になったという報道がありました。
この記事によると「食品の放射性物質の基準値は1キロ当たり100ベクレルだが、食品医薬品安全処は微量の検出でもストロンチウムなどの追加検査証明書の提出を求めている。このため、輸入業者は放射性物質が検出された場合は微量であっても輸入を中止して返送したり廃棄したりすることが多い」とあります。日本では、放射性セシウムの検査のみで、ストロンチウムの検査は行っていません。
福島原発事故による食品の放射能汚染問題は「風評被害」ではなく実害がでています。
2年前には台湾でも
以下↓の記事によると、2022年9月に台湾で4.8Bq/kgのこんにゃく粉がみつかり、輸入業者に食品の積み戻しや破棄を勧告したとのことです。「台湾では、18年に禁輸継続の賛否を問う住民投票が行われ、賛成多数で禁輸が続いた経緯もある。だが、台湾行政院(内閣)は22年2月、野生鳥獣肉やきのこ類などの一部を除き、11年ぶりに輸入停止措置を撤廃した」ばかりだったようです。
今年の野生キノコの汚染状況ー福島県飯舘村
↑ この東京新聞10月21日の記事をみると、今年の福島県飯舘村の野生きのこの汚染状況がわかります。動画もあります。
「東京電力福島第一原発事故によって放射能汚染された福島県飯舘村で、主に野生の食用キノコを採取し、放射性セシウム濃度を調べた。例年より低めの値となったものの、依然として、そのまま食用とするにはあまりに高い濃度だった」とのことです。
基準値の半分以上のセシウムが見つかった秋田県が出荷制限なしとは??
昨年の福島県飯舘のキノコ類の放射能汚染のことは、以下のnoteに書きました。この文章を書いた時に思ったことは「個体差がとても大きい」ということでした。同じ飯舘の同じ種類のキノコでも、放射性セシウムの値が2桁も違うものができてしまうのはなぜだろうと思いました。こんなに個体差が大きな状況で、抜き取り検査で出荷停止の解除を決めてしまうのはとても危険ではないでしょうか。特に秋田県。実際に基準値の半分50Bq/kgを超えるものが見つかっているのに、出荷制限されていません。検出限界値以上のものが見つかったら、出荷制限すべきではないでしょうか。