破水は起爆剤💣 お産あるある
以前つぶやきでも書いたことがありますが、破水はお産の起爆剤です。
それまであんまり進んでいなかったお産も、破水したことでスイッチが入ったように順調に進むことがあります。
経産婦さんの場合は、破水の爆発力は大きく、破水した次の瞬間に子宮口が全部開き、そのまま赤ちゃんが産まれるという場合も少なくないです。
破水はどのくらいの効果があるのか...
まず破水って?
赤ちゃんはお腹の中で卵膜という膜につつまれ、その中には羊水という水で満たされています。いわば水風船のような状態。その中に赤ちゃんはぷかぷかしている状態です。
赤ちゃんはこの羊水で呼吸や嚥下(ごっくんする能力)を練習しています。
お産が始まってからは、陣痛によるストレスの緩和や赤ちゃんとママをつなぐ臍の緒がつぶれるのも防ぐ役割も担っています。
破水によるお産への効果
①陣痛が強くなる
陣痛が始まると、子宮が収縮しますが、破水前は水風船をぎゅーっと押しつぶしている感じ。
そこから破水し、中の羊水が減ると、直接陣痛の力は赤ちゃんに伝わりますので、陣痛が強くなります。
②赤ちゃんの頭が下りてくる
お産が進むと赤ちゃんが骨盤の中に降りてくるので、赤ちゃんの頭によって、赤ちゃんの前にある羊水と、頭の後ろ=赤ちゃんの体側にある羊水に分かれます。
破水によって、赤ちゃんの頭の前にある羊水が破れると、それまでクッションのようになっていた羊水がなくなるので、赤ちゃんの頭がずり落ちます。
これらの効果によって、お産が進むんです!
だからお産がなかなか進んでいないような場合や、進みがゆっくりな場合にはわざと破水をさせてお産を進めるということをします。
だから起爆剤💣先日取らせてもらったお産のお話
先日取ったお産。初産婦さんで、まだまだ時間がかかるかなーって思っていました。子宮口5cmからなかなか進まなくて...ママも疲れてきちゃった
そんな時、診察した時に、赤ちゃんの前にある羊水がパンパンになっていました。赤ちゃんの頭が下りてきたんだなーって思っていたら
パン!
と破水したんです。破水した。これで進むかな!と私は期待しました。
そして1時間後...5時間変わらなかった子宮口が7m
その1時間後には子宮が全部開き
そのまた30分後には赤ちゃんが産まれていました
これだけの効果があるから、私たち助産師にとって破水はお産が進むサインの一つだし、起爆剤だからこそ、一番効力の高い爆発のさせ方をしたいと思う切り札なんです。
一方破水にはこんなリスクも
①感染のリスク
破水する前、羊水で満たされている水風船の中は滅菌の状態です。つまりめちゃくちゃ綺麗な状態。
これが破水をすると外との交通ができるので、感染してしまう可能性があります。
前期破水と言って陣痛が来る前に破水した場合、24時間以内に80%が陣痛が来ると言われていますが、来ない場合もあるし、来てもなかなか進まない場合があります。
もし感染してしまうと、ママにとっても赤ちゃんにとってもよくない状況。赤ちゃんが苦しくなってしまうことも。
前期破水をした場合には、抗生剤を使います。また感染した可能性が高いと判断された場合には、赤ちゃんの状態を考慮して緊急で帝王切開になる場合もあります。
②赤ちゃんが苦しくなるリスク
それまで水の中でぷかぷかしながら、守られていた赤ちゃん。陣痛の圧力からも守られています。
破水をしたことで赤ちゃんに直接陣痛が伝わり、それがストレスになって赤ちゃんが苦しくなることがあります。
また水がなくなっていたことで、臍の緒が圧迫されたり、破水の衝撃で臍の緒が赤ちゃんの頭に押しつぶされたり、赤ちゃんの頭を超えて子宮の出口の方に出てしまう場合があります。
こうなると大変!赤ちゃんにとって命綱ともいえる臍の緒。その臍の緒が圧迫されると、もちろん赤ちゃんに酸素が行かなくなってしまうので、赤ちゃんは苦しくなってしまいます。
こんなことが起こらないように私たち助産師は感染していないかを確認したり、赤ちゃんが苦しくないかをお腹に巻くモニターや羊水の性状から予測しています。
助産師は陣痛の様子や子宮の出口の開き具合だけでなく、こんなことも気にしながら立ち合っているんだよーっていうお話でした。
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以上助産師Rでしたー🦊