頭ゆるふわINFPだから政治の話とかよくわかんない
皆さん、ふにゃにゃにゃ~!
見ての通り私はふわふわINFPなので、頭の中にはお花畑が咲いています。政治や経済にはあんまり興味がないですし、皆で赤ちゃんになれば平和になるのに……みたいな電波ゆんゆんなアイディアばかり浮かんできます。
なのでテレビやネットがアメリカ大統領選の話題で埋め尽くされると、「ほえ~。皆真面目だな~」という気分になってきます。
そっかー、またトランプさんが大統領になるんだ。あの人って政治家っていうよりビジネスマンだよねー。相変わらず変な髪型だけどバイデンさんよりは強そうだなー。
大体こんな感じの認識ですね。
……コラ、真面目に世界情勢について考えろ! と怒られそうだけど仕方ないじゃないですか! だって私はトランプさんじゃ焼け石に水だろうな、と思ってるんであんま期待してないんですよね。
おいおい、じゃあまさか民主党支持の意識高い系リベラルか? と怖い人に睨まれそうなので断っておきますが、ハリスさんでもダメだったと思います。なぜなら彼女は知識人だからです。こういうのはその人の魂の属性でわかっちゃうんです。
あーまたINFPがポエミーな電波発してる、とブラウザバックされる前に解説パートに入りますね。
実は私、社会周期説で世の中の動きを予想するようにしてるんです。これはインドの哲学者、R・P・サーカーが考案したもので、輪廻転生とカースト制度の影響を受けているのが特徴でしょうか。お国柄が反映されてますね~。ちょっとMBTIにも通じる類型論的な性質を持ってますし、中々面白いんですよこれ。
さてその社会周期説がどんな内容かというと、人間は大きく四つのグループに分けられるという考え方が基本にあります。
それがどんなものかというと、
シュードラ(庶民)
特別な勇気や知力は持ち合わせておらず、日々の暮らしを平穏に過ごすことに一生懸命なタイプです。おそらく一番数が多いと思われるので、この人達が動くと革命が起きます。
クシャトリア(武人)
勇気と優れた身体能力を用いて、英雄的に戦うことを生き甲斐とする人々。軍人、スポーツ選手などが当てはまります。名誉や忠誠、自己犠牲などの美徳を持っている一方で、圧政や虐殺といった惨禍も引き起こす人々です。彼らが支配する社会は軍事独裁政権となります。
ヴィプラ(知識人)
頭脳を用いて社会に影響を与えるタイプです。学問、法律、宗教といった知的活動の担い手になります。知識人が支配する社会では官僚や神官が力を持ち、文化面で様々な進歩が見られます。おかげで国家運営は安定していくのですが……残念ながらその権力は永遠には続かないのですよ。
ヴァイシャ(商人)
とにかくお金を稼いで貯めることにしか興味がありません!
商業活動に優れる人々で、ひたすら蓄財することに関心があります。起業家、資本家などが含まれますね。
そして我々が生きる資本主義社会は商人が支配する社会と言えます。トランプさんはビジネスマンなのでもろにこの身分ですよね。
以上、この四つのタイプが順番に支配階級となりながら、ひたすら循環し続けるというのが社会周期論の思想です。つまり、
庶民→武人→知識人→商人→庶民…
と無限ループを続けるわけですね。
具体的に例を挙げてみましょうか。
原始的な社会だと誰もろくな財産を持ってないので、庶民しかいません。狩猟採集生活を送っている人々がこんな感じですよね。
けれど農耕が始まると土地を巡って激しく争うようになるため、武人が支配階級となります。彼らの武勇によって周辺の村々を制圧して国家を建設すると、今度は法律を整えたり祈りを捧げたりすることに関心が出てきます。こうなると知識人の出番ですね。
そうして頭脳の力で国家基盤が安定して商業活動が盛んになってくると、商人が台頭してきます。彼らはお金を稼ぐのが上手い上に自分が豊かになることにしか興味がないので、どんどん経済格差が広まって社会が不安定になっていきます。その状況が限界まで進むと多数派の庶民が怒って社会改革を起こし、商人から土地や財産を奪い取って再分配をします。そして庶民の中で一番勇気のある者が新たな武人階級と化し、次の支配者となる……。人類文明はひたすらこれを繰り返すのだそうです。まるで螺旋を描くように。
ちなみに商人の支配を終わらせるのは、本来であれば武人や知識人として生きるはずだったのに庶民レベルに生活を落とされた人々だとか。
私はこの社会周期説と出会った時、「確かにどの国の歴史にも当てはまる!」と思わず膝を打ったのを覚えています。
こういったスケールの大きな法則と出会った時ってテンションが上がりますよね。
要するに何が言いたいかというと、資本主義が限界を迎えつつある先進国の新たなリーダーは、怒れる庶民の中から選ばれた武人が相応しいのです。そのような人物でなければ、極限まで進行した所得格差を解決することはできないと歴史が証明しています。
ゆえに私は根っからの商人であるトランプさんも、見るからに知識人なハリスさんも時代を変えるほどのパワーは持っていないと判断しました。どっちが大統領になろうと米国民は苦しみ続けるしかないのです。先進国の中流階級が救われるには、一度社会をリセットしたあと高潔な武人に政権を委ねるしかないんですね。
ちなみにこの社会周期説を日本に当てはめると、やはり我が国もきっちり支配階級が循環しているのがわかります。
まず縄文時代は思いっきり庶民の時代ですよね。
ですが弥生時代に入ると大規模な農耕が普及したため、土地や財産を巡って和人は戦乱に身を投じることになります。間違いなくこの時代のリーダーは武人です。
そうして村同士の戦争に勝ち抜いて強大な王権を作り上げた大和朝廷は、大陸から最新の技術や仏教を取り入れて国家基盤を整えていきます。知識人が支配する安定期ですね。
しかし平安時代になると貧富の差が拡大していきます。この時代に力を持っていた貴族は荘園を運営して富を蓄え、自分達が優雅な暮らしをすることにしか興味がなかったように思います。役人であるはずの国司に至っては、不正に重税を課して私腹を肥やすこともあったそうなので酷いもんです。彼らの精神性は商人だったのでしょうね。
やがて理不尽な支配に不満を抱いた農民や豪族は武装して武士となり、実力で自分達の土地を守るようになっていきます。数世紀後には貴族や朝廷より力をつけ、新しい日本の支配階級となります。まさに怒った庶民の革命と、その後に訪れた武人支配ですね。支配階級が一周して元に戻っちゃいました。
そのまま日本は武人による統治が長いこと続きましたが、徳川家康によって終止符が打たれます。戦国時代の動乱を鎮め、江戸幕府が開かれたのです。そうなると今度は国を安定させる必要が出てきますから、儒教を奨励して国民を大人しくさせていきます。各種の法律もどんどん整備していき、税の計算に秀でた人材が重宝されるようになっていきます。よって江戸時代の初期から中期にかけては知識人が支配する時代だったんじゃないでしょうか。天下泰平の世で学問と芸術は大いに発展し、人々は平和と繁栄を謳歌します。
けれど江戸後期になると金山・銀山が枯渇し始め、小氷期に突入したことで農作物の収穫量が下がります。人口は伸び悩み、全体的に停滞感が目立ってきます。この頃になると多くの藩が財政難に陥り、商人に対して借金漬けになっていたところも珍しくなかったようですね。統治者であるはずの侍が商人に頭が上がらなくなっていたのです。まさしく商人の支配する時代、経済格差の広まった時代です。
そのような情勢下で黒船来航によって国中に緊張が走ります。終始ふがいない対応を繰り返した幕府に不満が爆発し、薩長の武士達が中心となって統幕運動を起こします。実は薩摩藩も長州藩も幕末になると莫大な借金を抱えていたという共通点があります。商人によって生活水準を庶民並に引き落とされた武人そのものです。本来であれば国家のために戦ったり法律を作ったりするはずの人間が、極貧生活を送らされていたのはさぞかし屈辱だったことでしょう。彼らの怒りは自分達に砲弾を向けてきた西洋列強よりも、貧しい暮らしを押し付けてきた江戸幕府に向けられます。
やがて討幕は成功し、明治維新が断行されて日本は軍人が支配する帝国主義国家となります。またまた武人が支配階級に戻ってきたのですね。二周目ですよ! 帝国軍人は様々な戦争で勝利し、領土を拡大していきますが二次大戦の敗北によって権力を失います。
敗戦後の日本は米国によって国家システムが作り替えられ、高度な学歴社会が訪れました。冷戦時代の支配階級は軍人ではなく受験戦争を勝ち抜いた高級官僚なのです。またこの時期は様々なオカルトブームやカルト宗教が蔓延した時代でもあります。学力とスピリチュアルな文化を重視する価値観が広まっていたとなると、知識人が支配する時代だったとみて間違いないでしょう。インテリに導かれた戦後日本は奇跡的な経済成長を遂げ、一億総中流の暮らしを実現します。
しかしいつしか知識人の支配は終わりを迎え、商人による支配が始まりました。それはバブルが崩壊した時に訪れたのかもしれませんし、あるいはオウム真理教によるテロが引き金だったかもしれません。あれは宗教家に洗脳された高学歴エリートによる凶行なので、知識人が地位を下げる象徴的な出来事だったように思います。「宗教ってなんか怖い」「勉強ばっかできてもダメだよね」という価値観が世間に広まったんじゃないでしょうか。
オウム事件の数年後に新時代のヒーローとして注目されるようになったホリエモンが、東大中退のIT社長なのも印象的です。これからは学歴より金の時代だ、とその生き様で主張しているかのようです。
それから約二十年。貧富の差が拡大し続ける日本は、着実に次の時代へ向けて動き出しています。そう、怒り狂った庶民が商人階級を打倒し、武人階級の統治を迎え入れるための準備が始まっているのです。防衛費は年々増額され、自衛官の社会的地位は上がり続けています。昭和の自衛隊は侮蔑の対象だったそうですが、今では「被災地に駆けつけて懸命に救助してくれるクリーンな人達」というイメージが主流ではないでしょうか。もしも自衛隊がクーデターを起こして富の再分配なんて行なった日には、割と支持を受けそうな気がします。
そういえば元自衛官の山上徹也被告が安倍元首相を暗殺するという事件が起きましたが、自作の銃で一国の元指導者を射殺するとなると、凄まじい度胸と行動力です。明らかに彼の本来の資質は武人だったのでしょうが、そのような人物の生活水準が社会の歪みによって落ちた結果、こうやって国中を揺るがす大事件が起きるわけですね。彼のような人種が集団で富裕層に矛を向けた時、新しい時代が訪れるのかもしれません。いずれその日が来ることは歴史を見ればわかります。
我が国の平均寿命や治安が良好なうちは大丈夫でしょうが、これさえも崩れたらいよいよ動乱の時がやってくるのではないか……と想像することがあります。
……ふにゃにゃにゃにゃ……。
私は頭ゆるふわINFPなので、やっぱり小難しい話は性に合いませんね。なんだか眠くなってきました。
皆赤ちゃんになってしまえば何もかも上手くいくんでしょうけどね~。