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#14 家族の再構築 母親マネジメント研究会「藪の中」読書会に参加して思ったこと

助産師のHiroです。
今日は私が所属している母親アップデートコミュニティ(HUC)の5周年イベントの1つ、母親マネジメント研究会の「藪の中」読書会に参加して感じたことを書きたいと思います。
5周年祭では他にも素敵なイベントが盛りだくさん。みんなが書いたイベントレポートも良かったら読んでみてください。


研究会に参加したかったわけ

HUCに入ったきっかけは、代表のなつみっくすさんのnoteを読んだこと。noteを読んで、母親がマネジメントを学ぶ場所があると知って、自分も参加したいと思った。

私の家族は、新聞記者の夫と、長男、長女、次男の3人の子どもたち。
働きながら、また一時期は助産師になるために学生をしながら、5人家族の母親として、自分なりに必死に生きてきたと思う。

大学生活や仕事と育児を両立するために手帳術を駆使して、苦手な片づけを学ぶために整理収納アドバイザー2級も取得。GTDやタスクシュートクラウドなど時間管理術を取り入れて、助産師になってからも母乳育児支援や産科救急の研修会にも参加してスキルアップ。家事も育児も仕事も、よく頑張ったと自分をほめてあげたい。自分自身が成長すれば、家庭も職場もうまくいくと信じていた。

2年ほど前から、clubhouseの人生を変える「ふりかえり」の習慣というオンラインコミュニティに参加するようになり、色んな人と触れ合うようになった。そんな中で、これまで私が信じてきた「自分一人が変わればいい」という価値観では、この先の人生はやっていけないことに気づいた。

「母親が、マネジメントを学ぶ」と聞いたら、どうでしょうか?

あまり、「母親」と「マネジメント」は一緒に語られる機会がないかもしれません。

「育児はひとりでするもの」のではなく、「チームでするもの」。いまだに「母親=家事育児」の性別役割分業が根強いですが、母親が「チームをマネジメントして協働」する。
これが今の時代により求められているのだと理解しています。

なつみっくす「マネジメントを学ぼうとしたら、人としてのありたい姿を考えた」より

家事も育児も「チームでするもの」
なつみっくすのnoteのこの部分を読んで、私に足りなかったものが何なのかがわかった。夫に対しても子どもに対しても、チームメンバーという想いはなくて、私がなんとかしてあげなきゃと思っていた気がする。
相手に求めることは悪いこと。だから相手の変化に合わせて私が変わるしかない。強迫観念みたいに自分のアップデートばかり求めてきた。
そんな自分一人でやろうとする姿勢を改めて、家族がチームとしてより良くなる、頑張り方のベクトルをこれまでとは大きく変えなきゃいけない。
私の中でここ数年の流れの中で、母親を22年やってきて、パラダイムシフトが起こった。

「藪の中」を読んで感じたこと

そんな価値観の変化を感じていた先日、HUC5周年イベント【母親×マネジメント】本を通じて語る会に、大学生の息子と親子で参加した。芥川龍之介の「藪の中」を読んでマネジメントを語るという内容。読書は好きだけれど、なかなか本について語り合うという機会はないので、とっても楽しみにしていた。

「藪の中」は、平安時代の藪の中を舞台に、男の死体が見つかったことから始まる。取り調べをする検非違使に対して、盗人、殺された男の妻、男の亡霊といった登場人物が、それぞれ証言をしていくことで物語が展開していく。盗人と妻は自分が殺したといい、男は自殺したという。主張が少しずつ食い違い、男がなぜ死んだのかという真実は結局わからない。「真相は藪の中」という言葉の語源になった物語。

参加者は事前に本を読んで、質問に対してディスカッションを行った。一番印象に残っているのは、「真実とは何でしょう?真実とは知りうるものでしょうか?」について考えたパート。

問いに対してみんなで話したのは「真実と事実は違う」ということ。これって意識していないと、つい忘れてしまいそうになることだと思う。
男が死んでいるという事実に対して、なぜ男は死んだのかという真相は、主張が全員食い違っているのでわからない。

グループで話したのは真実は語る人の数だけあるのではないかということ。真実は語る人のフィルターを通して解釈されているもの、真実は一つではないとみんながわかっておくのは大切なことだと思う。
自分と異なる意見を持っている人に対して、相手の意見は間違いではなく、それもまた真実なんだと尊重する姿勢を持つこと。お互いの意見が真実なんだと思うことができれば、相手がなぜそのように捉えているのか、相手の世界観をわかろうとすることができる。そうすることで初めて自分の真実も相手に伝わるのではないか。

藪の中みたいに立場によって見えてる世界が違うことってほんとによくあるんじやないかな。考えてたら色んな人との関わりの中で思い当たる場面がたくさん浮かんできた。
家族関係にも思い当たることがあった。
これまで私は我が家の家族関係に対して、私たち夫婦の育て方が原因で、子どもたちと夫の関係性に問題があると思ってきた。怒りをコントロールできない夫は、子どもたちから心を閉ざされていると、そんな風に私には真実として見えていた。
でもみんなにとって、その関係がどんな風に映っているのか、みんなにとっての真実は何かちゃんと確かめてなかったなと思う。
そして私は自分の思い込みで、夫と子どもたちとの関係性を今が良くないから「私の理想に近づけないと」と思っていたんだと思う。

藪の中の読書会では、マネジメントは「支配」でも「コントロール」でもない、ということがまとめで言われていた。読書会の中で一番響いたところ。私はこれまで家族の関係性をコントロールしようとしていたんだと、気づかされた。

マネジメントとは望ましい結果に向けて「何とかする」こと、母親は毎日がマネジメント。
家族のゴールがなんなのか、自分たちらしい家族関係ってなんなのか、まずは望ましい結果が何なのかを確認したい。
私1人でやろうとせずに、「理想」を目指すんじゃなくていい塩梅を家族で目指す、そんな風にしていこうと思った。
HUCに入って良かった!
私が変われば私だけじゃなくて、家族みんながアップデートしていける予感がしている。

息子の書いたイベントレポートはこちら。



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