メンタル崩壊3秒前
【AYA世代息子のALL闘病日記.75】
デリケートなところの痛みがなんとか緩和してはきたものの、息子は他にも悩みを抱えていました。
病院食のおかずは相変わらず毎食ほとんど食べられず、食欲がいつも以上に落ちて、体重も大きく減ってしまいました。
カラダに現れる副作用だけでなく、
同室者の言動、夜間の徘徊、負のオーラと生活音がとにかく気になる。
病室の雰囲気と同調するように
自分の体調不良と制限ばかりの生活でやりたいことが出来ないフラストレーションが今まで以上に渦を巻いていて、
何かのきっかけでそれが爆発してしまいそうな感覚に襲われた息子は、
自分のメンタルがかなりヤバいところまでいってると感じたそうです。
いつもなら明るく冗談で返せるような他愛もない事でさえ、自分が精神的に弱っている時は、返す言葉もきつくなってしまう。
同じ病気を抱えている同室者の気持ちも、もちろんわかる。
ため息だって出るし、夜中に夢にうなされることだって。
お互い様だって思うけど、
だけど、
自分だってしんどい。
いっぱいいっぱいで、もう全てがイヤだと。
「なんでオレがガマンせんといけんの?!」って叫びたくなる。
そんなことがある度に「オレって、ちっせーオトコやな」と自己嫌悪に陥ってしまうと。
だから早く退院したい。
病室を抜け出して早く元の生活に戻りたい。
退院したらこんなことがしたい、あんなこともしたいってイメージが出来る日もあれば、
そんなことすら考えたくない、ただ、ただ眠っていたい日もある。
メンタル崩壊3秒前。
そして、とうとう、息子は看護師さんに打ち明けました。
「もう、おれ、ちょっと叫んでしまいそうです…」
部屋を替えて欲しい。
独りになりたい。
みんなしんどいのもわかるけど、この部屋に居るのがもうムリです。
息子なりの精一杯のSOS。
例え、自費で個室料金がかかってもいい。
今は、ひとりになることで自分のメンタルを守らないと…。
息子のSOSで看護師さんも状況を察して、部屋移動の調整に入ってくれたようですが、
個室の空きがなく、ひとまず他の部屋への移動を提案してくれて、息子は環境を変えることが出来ました。
部屋をかわった日の夜の熟眠感はハンパなかったと。
部屋移動してもらって、本当によかった・・。
久しぶりに息子の明るい声を聴くことが出来ました。
個室でなくとも、環境を変えることで、一時退院までの数日間、静かにとっても穏やかな気持ちで過ごせて、救われたと。
そしたら、今まで低迷していた白血球も数値が上がってきた。
ココロとカラダは繋がっている。
ゆっくり眠れること、気分転換をすることがどんなに大切か。
カラダもココロも極限に追い込まれた中で今後の不安を抱えながら入院生活を送ることの大変さ。
これも、病気になってはじめてわかること。
改めて息子から学ばせてもらってます。
一時退院の日どりもみえてきたので束の間のリセットとココロの充電をして、最後のC2療法へ向けて準備していこうと思います。
次回に続く。