LOVEびじゅチューン!
一家でびじゅチューン!にハマった。
きっかけはEテレの2355を録画していたことだった。
録画を再生すると、はじめに少しだけ前の番組が映る。
金曜の録画のはじめに映る番組が無性に気になった。
びじゅチューン…ってなんだろう?
美術の番組かな?
娘は絵を描くのが大好きだし(将来の夢は絵描きさん)、どんな番組か一回録画してみようかな。
そして録画したのが『エスパーカフェ』。
「びじゅチューンってどんなのか分からないけど観てみる?」
と、当時3歳の娘と一緒に再生。
「エスパーカフェ」
「きこえますか?きこえますか?これはテレパシー…」
ゆるいアニメーションと独特な歌声。
な、なんだこれ?
ボーッとした顔の女の人がアブサント注入しながら超能力でカフェを切り盛りしているという内容。
わ、わけがわからない…!!
でも不思議と引き込まれる。
歌が終わり、解説が始まる。
え、この井上涼さんって人が作詞・作曲・歌・アニメーション全部制作してるの!?何者!!!???
と度肝を抜かれる私に構わず話は進む。
曲のモチーフとなったのはエドガー・ドガ『カフェにて』。
テーブルに脚がなく、女性はうつろな表情で座っている…ことからこの女性はエスパーなのでは?と考え曲を作ったのだとか。
えーーーーーーーーーー
めっちゃ面白いじゃん!!!!????
そして2回目の音楽。コーラスが入ってちょっと豪華に。
私も娘もすっかり虜に。
「もう一回!」「もう一回!」「もう一回!」
止まらぬ娘のもう一回コール。初日で何回観たかな…
こんなに面白い番組だったとは…と毎回録画設定。
後に、このエスパーカフェはまだ分かりやすい解釈と音楽だったんだと知る。笑
その次に観たのは『雉香炉さんちは職場結婚』。
雉香炉が…働いてる…?
そして『玉虫の家庭教師が玉虫厨子』。
これがまじで謎ソング(褒めてる)
玉虫厨子には玉虫の羽が使われているので玉虫の家庭教師になったら集中できて成績も上がっちゃうカモ!?
ってどゆこと???????笑
どんな曲でも2回聴くとすっかりハマってしまうという不思議。
いやこれはよく分からん曲だし歌えないな…と思ってもちゃんと歌えるようになる不思議。
観れば観るほど引き込まれるびじゅチューン!の世界。
元々私は美術館に行くのが好きなんだけれども、いまいち楽しみ方は分かってなかったの。
「すごい」「きれい」「よく分からん」「なんか好き」ってくらいで。
というのも、すごい人が作ったすごい作品にはすごい意味や感情が込められていて「正解」がある…
と私は無意識に思っていたようなんですね。
「これって愛と憎しみがごちゃまぜになった感情を表しているのかしら…あ、違うのね」
みたいになるのが嫌で!
でも、びじゅチューン!を観たら、美術ってもっと自由に解釈していいんだ、肩肘張らなくていいんだ、って思えた。
作者には意図があるんだろうけど、自分がその作品から何を感じ取るか、どう解釈するかは自由で。
自由に解釈して楽しんだ上で、作者の思いを知るとより楽しめるんだろうと思う。
その解釈が違ったとしても(例えば負の感情を込めた作品から陽を感じ取ったのだとしても)それは不正解で間違いってわけではないんだ。
見れば見るほどハマっていくびじゅチューン!の世界。
ある曲での登場人物が他の曲にも出てきたりするので、細かいところまで楽しい。
「なんか書いてた!」「誰かいた!」と一時停止してきゃっきゃするのがとても楽しい。
最近、どうしてもMIXびじゅチューン!(テーマに合わせて4曲紹介する番組)で観た『電気さえあれば』をフルで観たくて、大好きな『納涼シアター』も入っているし…と思って『びじゅチューン!DVDBOOK6』を買った。
後は気長に放送を観るつもり…だったの…だけれども…
即座に全巻揃えてしまった。
DVDBOOKが想像以上に良くて!!!!!!
DVDが主だと思ってたんだけど、しっかり本なの。
解説だけでは語られなかった情報やインタビュー、コーラスについても載ってるの。
6巻にはすごろく、7巻には相関図までついてくるの…!
特典映像もあるの…!
これは揃えるしかない。
娘はヴィーナス委員長のファンなので『委員長はヴィーナス』『プリマヴェーラに家庭訪問』が好き。
私は『納涼シアター』『犬派はモノクロ 猫派はカラー』、夫は『テュルプ博士の参観日』『地元が快楽の園』。
そして全員がハマっているのは『その天女、柄マニアにつき』。
しかし次から次へと好きな曲が出てくるし、とにかくすごいのだ。
ハマリすぎて、娘は井上涼さん自体のファンになって、生まれて初めてファンレターを書いた。
私には推しという存在はいなかったんだけれど、「これが推しか…!」と井上涼さんの過去作品を集めたDVD『テン』や個人グッズをせっせと買い、通勤で使っていたブラントのバッグからマチルダ先輩のトートバッグに荷物を移した。
「やっぱりブランドのバッグって素敵だなあ、テンション上がるなあ」を軽々超えるテンションである。
とにかく井上涼さんには心身共にどうか健康に、幸せに暮らしてほしいと願っている。
そしてどんどん新しい作品を生み出し続けて欲しい…!
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