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izotope RXの代替を考える
自分の曲作りにおいて、大きなウエイトを占めているのが「サンプリング」である。曲作りで一番楽しいのが「音選び」なので、シンセのプリセットを選ぶのと、ループ素材を探っている時が、至高の時間だ。
1:大サンプリング会
ただ、サンプル素材を使っているというのは、厳密にはサンプリングではない。その点、月に1回行われるサンプリング愛好家のX投稿イベント「大サンプリング会」では、既存のYoutube動画から音源をサンプリングして曲を作るという王道行為が行われている。
この大サンプリング会に参加するために、曲をベース、ボーカルなどステム分離できるMusic Rebalance機能があるIzotopeのRXを導入した。しかし、Studio one Pro 7に「ステム分割機能」が付いたため、RXが用なしとなった。
2:Studio oneでサンプリング
本題からは逸れるが、Studio one Pro 7に追加された新機能を駆使すると簡単に大サンプリング会に参加できるので、その手順をメモしておく。
1:DAWに録音
2:録音した波形から「テンポを検出」
3:さらに波形から「テンポトラックに抽出」
これで、素材のテンポが分かるので、テンポを合わせて
4:ステムを分割
5:自在に調理
となる。ステム分割の精度は、微調整できない分、RXより劣るが、ミキサーのIsolator等で雑に分離していた先人に比べれば、十分である。さらに言うと、多少の粗さが味なので、DAWでやっている時点で、サンプリング道から外れており、気にする点ではない。
3:De clickの必要性
しかし、RXに付属していたプラグインで、もうひとつ活用していたのが「De click」だ。波形をぶつ切りにして、Studio oneのSample Oneに並べて弾くという手法を多用しているのだが、波形の切れ目が「ブツブツ」いう。エレクトロニカなら、グリッチノイズということにしてしまえば良いのだが、もう少し温度の高い曲を作っている時には、気になるので「De click」でクリックノイズを除去していた。
Macに移行した際、De clickのためにRXをインストールしようとしたのだが、そのためだけにizotopeのプラグインを入れたくないので、代替を探すことにした。
(プラグインベンダーを減らす効能はこちらから)
4:やっぱり、Dynamic EQ
以前、ディエッサーを探した(結局、Softubeのに落ち着いた)時にも試したSonnoxのOXFORD Dynamic EQ。
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まず、2930Hzあたりで、Q4.5にしてアタックもリリースも最速、Thresholdは微調整。
これで、ブツブツのほとんどが消える。
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次に漏れたもう少し広域5400Hzあたりを削る。
両パラメータを一度にかけてみたが、うまくいかず、2段階にすることで、かなり消えた。
あとは、SampleOne内で素材の波形を全選択した上で、少しだけAttackを遅くする。ここまですれば、RX同等にクリックノイズを減らすことができる。
当然、明瞭度が下がるが、後ろにサチュレーターを挿せば、一定度は回復する。
これらをStudio oneのエフェクトチェイン「de click」として保存して、自作のde clickが完成した。
SonnoxのEQは、音への影響を最小限に抑えることが可能だ。
最近はやさしいセール価格もちらほら見られるようになった。スクリーンショットを撮っていて気がついたけれど、左上のボタンは、Mac風情なんですね。
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