セール決戦は月末の金曜日
プラグインセールの多くは、金曜日深夜にスタートする。そして、最終週の週末に、その月のセールが終了する。6月は音楽の祭日セールで盛り上がっている。7月のサマーセールを控えているが、行くのか行かないのか、どっちなんだい。
Soundtoysバンドルセール終了
買う寸前で、また見送った。プラグイン購入の壁は、5000円、1万円、1万5000円の3つがあると思っている。振り返ってみると、1回の支払いで3つ目の壁を超えたことがあるのは、DAWソフトのみ。単品3回で計1万5000円超えるのと、バンドル1回で超えることに何の違いもないのだが、何故か踏み出せない。
Melodyneアップグレードセール
(~6月30日)
StudioOneには、最下位グレードのEssentialが付属しており、今回、ひとつ上のAssistantに7700円でアップグレード可能。しかし、歌の補正をほとんどしないので、ポリフォニックサンプル音源の加工が可能な、Editorグレードが欲しい。アップグレードは18500円。壁にぶつかる。一度、7700円で上げておいて、後に11000円でEditorグレードにするということも考えてみた。すると「波形をぶった切って並び替えるのは好きだが、細かく修正するのは好きじゃないのでは…」と気づく。
ポリフォニックサンプルからMIDIを抜くのと、ボーカルのタイミング調整(サンレコのかごめP氏動画が目からウロコ)はEssentialでもできるので、動けず。
UVI 音楽の祭日セール
多くの音源が6月26日まで30~50%オフ。狙っているのは以前、お試しSonicPassで好印象だった音源たち。
Cameo(74$)
CasioのCZシリーズ:CZ1、CZ101、CZ1000、CZ2300S、CZ3000、CZ5000をサンプリングした音源。PD方式の音源という点で、押さえておきたいところ。むき出しの電子感が好印象だった。
Hybrid 6000(39$)
CasioのHT-6000を元にした音源。荒々しく太い感じで良さげ。荒々しさで言うと、手持ちのPX Sunbox(今回のセール対象、Jomox Sunsynが元)も負けていないので、そちらを活用したい。
UVX 10P(49$)
RolandのDCOアナログシンセのJX-10、MSK-70、JX-8Pをサンプリングした音源。80年代のアナログ最終盤シンセならではの深い味わい。実機に思い入れは全くないが、デモ時はかなり印象がよかった音源。
Super‐7(39$)
RolandのMKS-7(Juno106系+TR707系)ラック音源が元。いわゆるシンセという音で一番好きなのは、Juno106。ただ、Bitzone(今回のセール対象)で、この系統の音は今のところ満足している。
WaveFrame (39$)
AudioframeというSynclavier や Fairlight CMI などのサンプラーの第2世代モデルが元。最近、Windows95的な音が楽曲のスパイスとして利くのではと思っているのだが、その役目を果たしそう。と思ったが、持っていましたEmulation II+(今回のセール対象)。
Digital Synsations Vol. 2(74$)
Roland JD-800、Ensoniq Fizmo、KAWAI K5000Sという90年代のひねりの効いたシンセ3つが元。1999~2000年の多感な時期にサンレコで憧れの機材として登場していた3機種。JD-800=Ken Ishii、Mouse on mars、ローラン・ガルニエ、CX AUDIO IE…と、当時は皆持っていた。KAWAI K5000S=石野卓球、ラックバージョンを竹村延和が持っていた。Ensoniq Fizmoも竹村延和がラックバージョンを持っていた。Machinedrumはアルバム「 Now You Know」で使ったらしい
詳細に覚えていた訳ではなく、サンレコアーカイブス(電子版)で見返して確認した。曲作りはさておき、欲しくなる。
ふと思う。実機に対する憧れを持たない世代が増えてきたときに、ソフトシンセは、どういう形になるのだろうか。そもそも、シンセの音をどういう言葉で、やりとりするのだろうか。
D16 Group / LuSH-2
イントロセール13000円(7月12日まで)
Roland SH101がモデルで、その進化版。同じSH101のプラグインでは、SoftubeからModel 82 Sequencing Mono Synthが出ていて、こちらは現在7700円のセール価格。できることは違うようだが。
SH-101。持っていたことがある。テクノブームの頃、地元ハードオフで8000円という謎の値付けがされており、回収に近い形で買った。しかし、電池駆動でMIDIにも対応していないため持て余し、後に手放した。別れたシンセとよりを戻すということに抵抗があるのは、なぜだろう。
Aberrant DSP / Tectonic + SketchCassette II Bundle
3900円(6月27日まで)
前から狙っていたSketchCassetteがセール開始。Tectonicというプラグインも知らない間に出ていたが、これも不思議な汚し効果を出せる模様。MP3的にビットを落とせるDigitalisが入っていないのは残念だが、2つでこの価格なら、損はしない。所持ベンダーを増やすというリスクはあるが、このベンダーは親しみやすいので、迎え入れたいところ。
Devious Machines / Multiband X6
6月28日登場予定のマルチバンドコンプ。価格は不明。
マルチバンドコンプは、Wavesのを使っていたが、扱いが難しく、気がついたらDynamicEQに移行していた。Devious Machinesのプラグインは、Duckをはじめ、シンプルな操作で、狙った音にしてくれる。そのベンダーが今作るマルチバンドコンプというところに、可能性を感じる。紹介ページを見ると「扱いが難しい」部分を解決しようとしているようで期待大。
まとめ
サンレコアーカイブスを眺めていると、当時のシンセ欲しい熱が蘇ってくる。絶対に買えないと分かった上で見ていた数々のシンセが、プラグインという形で手に入るようになった。曲作りにおいて、エモさで買った道具を使うというのは、違う気がする。
Sherman Filterbankのクローンは、Audio Damage「Filterstation2」
Clavia Nord Lead 2はdiscoDSP「Discovery 5.3」があるが、GUIに実機の雰囲気がない(白くないし赤くない)ので、欲しいとは思わない。機能より所有欲が勝っているということだ。
などと理屈を並べていても、大人の小遣いを手に入れたテクノキッズが、セール終了間際の金曜日深夜に、酒を飲んでbeatcloudを巡回したら、土曜日の朝に開いたDAWには、UVIのDigital Synsations Vol. 2。