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旅の日記 1112 直島

2024.11.12 火
8時頃に起床。よく眠った。身支度を済ませて荷物をまとめ、歩いて金栄丸食堂へ。アキさんの友人ということでと、レモン塩麹を使った朝食を用意してくださった。嬉しい美味しい!朝からモリモリ食べた。

チェックアウトを済ませ、一度宇野へ。直島行きのフェリーまで時間があったので再びミルクパーラーに行く。今日はアップルパイとラムレザン。フェリーのテラス席でかぶりついた。美味しい〜!

11時30分頃に直島へ到着。電動自転車を借りて荷物を預ける。赤南瓜、直島パヴィリオンでしっかり記念撮影。

ベネッセハウスミュージアムへ。ゴッチから展示替えがあったことを聞いて行ってきたのだけど、どの作品もすごく良かった。展示替えは30年ぶりのことらしい。特に好きだったのは、ズル・マハムード「静粛なる抵抗宣言」、アマンダ・ヘン「ベスト・タイム」。どちらからも、祈りのようなものを感じた。常設の作品もゆっくり見る。安田侃「天秘」、杉本博司「タイム・エクスポーズド」は特に好きな作品。

館内のカフェで少し休憩し、李禹煥美術館へ。屋内、屋外の作品どれも素晴らしく、大好きな美術館のひとつ。李禹煥の作品と対峙すると、心がすっと静かになる瞬間があって、それがとても心地良い。

ヴァレーギャラリーを観て、16時の回で地中美術館へ。初めて訪れたのは10年前。それから何度か訪れているけれど、やっぱりずっと特別なのは、クロード・モネ室。室内に入ってまず目にする2×6mの作品「睡蓮の池」に圧倒される。柔らかな色彩の作品は自然光にのみ照らされ、時間や天候によって表情を変える。作品自体がもつ力と、作品を最大限に輝かせる展示空間の工夫に胸を打たれる。館内を一周して最後にもう一度クロード・モネ室へ入ると、鑑賞者は私だけのようだった。視界いっぱいに睡蓮。遠くから眺めたり、近くで見つめたり。いろんな角度から、ひとつひとつの作品とじっくり向き合う。あまりにも贅沢な時間を過ごした。

閉館間際に地中カフェの屋外スペースへ出ると、夕焼けが広がっていた。私がこうやって言葉を紡ぐことは、誰かにとっては暴力になり得るかもしれないし、愚かなことかもしれないけれど、それでも、世界はこんなにも美しいと、そう思わずにいられなかった。

夕陽が沈む頃にフェリーに乗り、京都への帰路に着く。やさしく抱きしめてもらったような旅だった。旅と日常は地続きで、布団に入って目を閉じれば、また明日がくる。けれど眼裏には 静かな海が、赤い夕焼けが、ひろい星空があって、それらはそっと、これから私が生きる日々を支えてくれる。豊島で暮らし、過ごした時間に、私は今でもずっと励まされているんだなと思う。ぜんぶ、ぜんぶ抱きしめて眠る。ありがとう、おやすみなさい。

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