文月某日日記/2024
某日。
アジカンのTHE FIRST TAKE「遥か彼方」を見る。
デビューから20年経ったバンドが「縺れる足だけど前よりずっとそう、遠くへ」って歌ってくれる力強さに励まされる。
私はデビュー10周年くらいからファンになったので、この曲がリリースされたあたりのアジカンの人気の肌感とか空気感を知らないのだけど、アジカン自体その頃よりもうずっと遥か彼方にいるはずなのに、まだまだ彼方へ行ってくれそうな気がする。
そして私も、きっと10代とか20代とかの自分からは遥か彼方にいるし、これからもっと想像のつかないところへ辿り着くのだろうと。
なんかそれって希望だな、という感じがした。
…にしても、最近アジカンのライブチケット取れなくないですか。毎度毎度当落に泣きながら、やっと感謝サーキットの年末の1枚をゲットしました…。12月まで生き延びたい。
某日。
三連休。しかし全日夫が出張のため、ワンオペで過ごすことになる。
食事をデリバリーや冷凍食品、外食に頼り、家事は最低限。子ども達と思いっきりゲームしたり、「ママは今日は長風呂します」宣言をして実行したり。「とにかく楽に楽しく」を心がけて過ごす。
それでも最終日の夕方には、やはりぐったりしてしまって。洗濯物を畳みながら力尽きていると、子どもがやってきていっちょまえの顔をしながら
「まあ、ママもさぁ、もうアイス食べなよ」
と言ってくれる。やさしい。
某日。
近くの公園の夏祭りへ。
街の小さな夏祭りにもかかわらず、屋台もぼちぼち出ていて人出も多く、日本の夏は祭りだろ的な気分がとっても盛り上がる。
しかし始まって間もないうちに、雷が鳴りかなり強い雨が降ってきて「あっ」と思っているうちに、祭りは中止になってしまった。テントに入ったまま出れない来場者も多い中、幸い折り畳み傘を持ってきていたので帰ることに。
ボツボツと強い雨の音を傘で感じながら、尋常じゃない雨のせいで泥の海みたいになった広場を歩く。公園を出る階段はもう滝状だった。
公園をあとにしてからふと振り返って、思わず立ち止まる。
夕闇に沈んだ公園の木々のすきまから、赤、青、ピンクとカラフルな提灯が燦々と輝いていた。強い雨粒でフィルターがかかったようになっていて、さっきまでそこにいたのに知らない世界を見てしまったみたいな、ぞわと鳥肌が立つ幻想的な風景だった。
夏祭りの中止は残念で、お気に入りのスニーカーは泥にまみれてしまったけれど、なんだか得した気持ちの夜。
去年はこちら。
一昨年はこちら。