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建物さんぽ#7「青淵文庫」で幸福のモチーフ探し

趣味:建物探訪&散歩、「古い建物を見ながらコーヒーを飲みたい」が口癖の私が各地の建物を巡った記録をまとめていきます。

今回は、一昨年コロナ禍前に訪れた北区の「青淵文庫」。今年の大河ドラマの主人公・渋沢栄一氏の書庫だった建物です。


夕暮れの森の中に

昼から都電荒川線に早稲田から乗車し、気になるところで降りるだらだら旅をしていたため、飛鳥山公園についたのは夕暮れ時だった。

青淵文庫は飛鳥山公園の奥、遊具のある遊び場から離れた、木々に囲まれたところにあった。

遠くに遊具で遊ぶ子どもたちの声が聞こえるものの、建物のまわりはひっそりとしている。

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閉館間際で青淵文庫付近に人がいなかったのもあるだろう。そのためか、建物のどっしりとした重厚感がより感じられた。

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気圧される、ステンドグラスの華やかさ

「青淵文庫」はその名の通り書庫であったのだが書庫自体は2階で、見学できる1階は主に来客をもてなす場だったよう。

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渋沢家の家紋・柏と「寿」の字をモチーフにしたステンドグラス。

その鮮やかさに圧倒される。和風とも洋風とも、オリエンタル風とも言える、このミックス加減がとにかく絶妙。


柱のタイルも柏になっている。こういう、家主の好むモチーフが至る所で使われているのが、人の願いや思いが詰まっている気がしてたまらなく好きだ。

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足元にはこうもり、こちらも縁起がいいモチーフ。中華風でかわいい。

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なめらかなカーブが理想の階段

そして、階段好きの私が見たとき、好みすぎて「ぬわ」っと変な声が出た優美な階段がこちら。

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この1階から2階にかけてのひねり。

やわらかなカーブ。

鎖のような手すりのヌケ感。


ここの窓はシンプルだからこそ、階段の良さが際立つ。


正直、今まで見てきた階段の中でダントツ理想の階段。しばらくここから動けず、その曲線美に、はあはあしていた。

しかし、残念ながらこちらから2階は立ち入り禁止。詳しく調べられていないのだが、公開日もあるようす。

はー、いつか登りたい。



ちなみに、近くには洋風茶室の「晩香盧」もある。こちらもまた違った渋い趣がとてもいい。

青淵文庫のこの美しさから渋沢栄一に興味を持って、今年一年大河を見続け(ドラマ自体おもしろかったのもあるけれど)、そして建物探訪した先々で「ここも渋沢栄一が関わっているのか!」と驚かされたことも多かった。

何からどう出会いがつながっていくかわからないなぁと思う。


とりあえず、最終回を見届けつつ、またあのステンドグラスに、階段に気軽に会いに行ける日が来ることを祈っている。


前回の記事はこちらから。


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