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人類みな霊長類。

帰宅するなり、こんなニュースが聞こえてきた。

「チンパンジーは人間と同じように、連れションをする」

正確に言うと、連れてション、ではなく、つられてション、とのことなのだが、影響を受けているという点ではそう大差ないように思われる。

(以下、ション関係が続きますので、お食事中の方、あるいは苦手な方はご注意ください。)


京都大学研究チームが下記の通り発表している。

本研究では、野生動物研究センター熊本サンクチュアリの飼育チンパンジー20頭を対象に600時間を超える観察を行い、1328回の排尿を記録しました。…近くにいる個体間で排尿が伝染しやすいこと、そして社会的順位の低い個体ほど他個体の排尿に続けて排尿する傾向がみられることを明らかにしました。

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-01-21-1

膨大な時間を費やし、とんでもない回数を記録され、結果を導き出されたことにまずは大きな拍手を送りたい👏

さらに驚くべき点は、「社会的順位の低い個体ほど他個体の排尿に続けて排尿する」ということ。

それは、目立つボスチンパンジーが子分どもに与える影響力がひときわ強いことを意味する。

現代で言うところのインフルエンサーが推しているコスメをつい買ってしまう忠誠心や、ドラえもんで言うところの、ジャイアンがのび太に「お前のものは俺のもの」というような絶対に従わなければならない恐怖心に近い、とも言えそうだ。

そもそも、チンパンジー社会にも上下関係や階級のようなものが存在するとは、驚いた。弱肉強食の世界だからこそ、身体の大きさや力による支配力が強いのかもしれない。




話が逸れるが、
アメリカの新大統領、ドナルド・トランプ氏について。

数日前の就任後、喜びに浸りつつも、誰にも止められない勢いとスピードでトランプワールドを炸裂し続けている。彼が78歳とは、何度聞いても信じがたい真実である。

私はとくにアメリカの政治につよく関心があるわけではい。だが、昨年10月の大統領選挙でハリス氏に大差をつけて、勝利を勝ち取った様子はあまりにも衝撃的だった。

なにが起こったのか、と。

大きな要因としては、「民主党派だった人たち」や「どちらも支持しない人たち」の票がトランプ氏に流れたからと言われている。自分の生活を守りたいと第一に考える国民の目に、アメリカファーストであり保守的で推進的な主張をするトランプ氏が最もらしく映ったのだろう。

それに加えて、言葉巧みにスピーチをするあの力強い姿。

上流階級生まれでありながらも、全くもって高貴な印象を与えない。むしろ、泥臭く暑苦しい彼のパフォーマンスが、見るものを惹きつけたに違いない。



「強いリーダー」なんて、流行らない。

この令和の日本社会ではよく目にする言葉だ。
「上司の言うことは絶対」「新人は新人らしく振る舞う」ような価値観が当然だなんて言ってしまえば、痛い人扱いをされる時代になってきた。

気が遣えて、よく気がついて。場の空気を和やかにするような人。

こんな人が上司だったら、過ごしやすいし、仕事も円滑に進んでいくだろうと思う。


それでもなお、
「強さ」というものに惹かれるときがある。

経験豊富な人、芯のある人、自分のスタイルのある人が言うことは、それらしく聞こえてきたりするものだ。単純なことで言えば、容姿が優れている人やオシャレな人の真似をすることもそのひとつとも言える。



影響されることは決して悪いことではない。

良いと思えることを吸収をしていけば、自信がついて行動に移せたり、いい循環が生まれるかもしれない。


けれど、ときには立ち止まって
「これは自分の意見なのか、それとも影響を受けているだけなのか」と自分に問うてみたい。


人間は複雑である。
一方で、ごく単純な生き物でもある。

我々はとくべつな存在だと思い込むのではなく、
ヒトも猿もチンパンジーもみな霊長類で、ついつい周りに流されたり影響されがちな生き物だということを肝に銘じておきたいものだ。



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