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すっぴん夫婦、やってます。

ゴロゴロな土曜日を過ごし、
ダラダラと日曜日を迎える。

12月半ば、キンと背筋がこおる冬の気配。
去年と同じ格好でいるのに、去年よりもブルブルとしてしまうのは、今年の方が寒いから?それとも、だんだん寒さに耐えられなくなっている?

寒いのは億劫だ。
ちょっとセンチメンタルにもなる。

そんな日は引きこもってお家に居てもいいのだけれど、なんとなくスイッチを切り替えたくて。



「珈琲でも飲みにいこっか」

「いいね、3時のおやつくらいに出ようか」


どこか遠くに出掛けたいわけでも、おしゃれして美術展に行きたいわけでもない。今日はそんな日。

近所にあるいくつかの珈琲屋さん。
本屋が併設されている、あの喫茶店。

そこがいいな、と思いながらふわりと約束を交わす。


午後2時半を過ぎた頃。
気配を消していた夫がむくりと起き、すたすたと歩き回る。かと思えば、次の瞬間にはよそゆきモードに切り替わっている。

妻もぼちぼちと準備をはじめる。
部屋着ではないけれど、第一軍でもない着古したセーター。おそらく高校生の頃に買ったであろう、あたたかくてそう簡単には手放せないすぐれもの。

寝起きのぼさぼさ頭の夫に、
かろうじて眉毛を書き足した顔の妻。

決してイケてる夫婦ではないふたり。
それでも、快く受け入れてくれるお店があるのはなんだか心強い。



3時過ぎ。
家を出てぼちぼちとあの喫茶店に向かう。

「そういえば、本屋さんところでいいんかな」

「あ、うん。そのつもりやった」

ははっと思わず笑う。
言葉にすることは怠らずに、と思うのだけれど、言わなくても意思疎通ができる。この瞬間に、夫婦やってるなあ、と思うのだ。



それぞれ好きな本をひとつ選んで、カフェのお供にする。今日は特別にデザートも一緒に3時のおやつに。


そうするとゆるやかにエンジンが掛かり始める。
もう一杯珈琲がほしいな、というタイミングで、気分転換に喫茶店をはしごする。

すたすたと歩いて、この店はいっぱいだなあとなれば、じゃあ次はあの店へと。流れるように、するすると歩幅が合っていく。


この街で1年の月日を夫と過ごして、
お互いにとっての“いつも”が共通になっていく。その過程はなんだかくすぐったくて、あたたかい。




最近のこと。高畑充希さんと岡田将生さんが結婚された、というニュースを観た。

遅ばせながらその情報を耳にした私は、こっそりと家の中で、パチパチと手をたたいて喜んだ。

『1122 いいふうふ』で共演されていたふたりが、実際に夫婦になられるのは、わあ!と感極まる出来事だ。


公表された文書の中で、

「親友のように過ごしてきた私達ですが、これからは夫婦となります」

結婚発表文書より

と記述されていたのがまた印象的で。


無邪気に笑うおふたりを想像する一方で、
冷静なまなざしで互いを見つめ合う凛々しい姿も目に浮かんだ。

なんとなく、

「おとなの結婚だなあ」

と思ったのだ。


激しい恋愛というよりも、ゆるやかで穏やかで安らぎのあるような、そんなおふたりを勝手ながらイメージしていた。




2件目の喫茶店で。

調子のいいペースで、パラパラと参考書をめくっている。数時間前までお布団とお友達だったとはまるで思えない。

そんな夫を横目に妻は、こうしてnoteをつついて書いている。忘れてしまわぬよう、思い浮かぶ言葉を集めながら。


ときおり自分たちのことを

“親友みたい”

と思うことがある。


高畑さんと岡田さん夫妻の文書に重ね合わせながら、厚かましくも、そう思う。


でも、
もし親友と会うのなら、私はそれなりにおしゃれをして小綺麗にして、街へ繰り出す。

ヨレヨレのセーターにどうでもいいジーンズ。
かろうじて書き足した眉毛で、あの可愛い親友にはとうてい会えそうにない。


私にとって夫は夫なのだ。

親友ではなくて、パートナー。

子どもにもおとなにもなれるような、秘密の話だってできちゃうような、唯一の相方。


すっぴんの私 と 寝癖がまだ残る夫。

こんなポンコツっぽいのが、いいんだいいんだ、夫婦なんだ。

と綴りながら、背筋がちょっとあたたかくなった。


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