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浪費としての新しい自転車

先日、新しいコンポを買うか、ブロンプトンを買うか、幸せな悩みの中にいる、と書いた。

そして先日カンパニョーロのコーラス12Sの購入を決定。これまで使ってきたシマノのアルテグラ10S Di2から卒業する。元々は軽いギアが欲しかった、からの、クランクを短くしてみたい、性能とかよりも見た目が好きな自転車にしたい、充電気にせず気軽に乗れるようにしたい、などなど考えての選択だ。今使っているホイールもシマノデュラエース。カンパフリーを使う故、ホイールも買い換えだ。かかりのいいハブが好きなので、MAVICなんかも良さそうだったけれど、少し見た目がレーシーだった。名前からレーシーなフルクラムは、残念ながらコンセプトに合わない。DT swissは良さそうと思いつつ、なかなかいい完組ホイールが見つからず。そんな逡巡を経て、結局カンパニョーロへ。現行のアルミホイールで一番いいものはZONDA。デュラエールからZONDAに変えてどんな印象になるのか分からないけど、ワイドリムだし楽しみだ。

スチールフレーム、リムブレーキ、アルミホイール、紐式変速機。これらに共通することは、もう開発競争の先頭にいない、ということだ。前向きに解釈すると、それなりの歴史の中でのこのカテゴリにおける技術の完成系とも言える。完成系の技術をまとめて享受できる、なんという贅沢な時に自分はいるのだ!

先日、ベストセラーになっている「暇と退屈の倫理学」を読んだ。自転車に乗る、だけで言えば今新しいリムブレーキで紐式のコンポを買うなんて、贅沢な浪費だ。しかしながら、豊かである。自分の暇な時間を豊かなものにするために、好きなパーツで仕上げる。こんなに豊かなことはない。自分には、スペック競争の先端で張り合うほどの気力もスキルも体力もない。一方、開発合戦の情報戦に"消費"させられるつもりもさらさらない。そんな自分にはいい選択肢だ。暇な時間をいいものにするため、この浪費は豊かさである。

なお、コンポは入手しやすさから通販で購入したが、ホイールは組み付けてもらう自転車屋さんで買う。サイズが合うかも分からないし、初期不良やフレがあったとしたら余計にお金がかかってしまう。中古や通販でホイールを買わずに店で買う、ということは、その辺の安心を買っている、と言えるのかもしれない。また、お店の人とも話しながら新しい自転車が出来上がる。これも豊かな暇の使い方、なのかもしれない。あぁ、贅沢して気持ちいい笑 ながーいお付き合いを、改めてお願いします。

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