流されるままに。
芦屋の社宅から横浜の社宅に引っ越しして(響きがいいだけで不便な場所にあった)、しばらくした頃。
小さい部屋に、黒いテカテカのピアノが届いた。
誇らしげに母が眺めていた記憶はある。
我が家にピアノ経験者はいない。
全く楽しくなかった。
練習はなんとなくしていた。
ただ、楽譜をみて弾いていた。
褒められた記憶もない。
先生は若くて可愛くて怖かった。
鬼みたいだった。
1人で練習している時、
きまって鍵盤の下側に自分の鼻くそをこすりつけていた。
小1から小4まで続いた。までしか続かなかった。
中学受験するために、ピアノは辞めて良かったみたい。私の意志はそこにはなく。
今そのピアノは?
両親の終活のために、最近売られていった。
あーもー私の思い出を勝手にぃーーーー!
とかは、全く思わなかった。
あの鼻くそ達はどうなってたんだろうとしか。