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薬は反対から読むと…リスク 納得のいく治療の受け方

どんな薬やサプリメントも
ワクチンもどんな手術も治療も
100%安全とは言い切れません

それでもその治療が認可されているのは
その利益が不利益を遥かに上回るからなのです

それは知られているようで
案外、身近で起こると
そんなの聞いてないだの、裁判だの
大騒ぎになります

最近は医者にも薬剤師にも  
説明する場面が増えていますが
(法律が整備されているため)
淡々と語られるその内容は
理解されぬまま右から左へ…
説明書すら読まれぬまま…というのが 
少なくありません

稀に不幸にもその不利益を得てしまうこともあります
私の身近にもありました

私は医療従事者なので理解しましたが 
生死を分けたり、子どもの成長を
阻むようなことがあれば、誰かを悪者にしなければ納得できないこともあります

さて、ここで何が問題になるのでしょう?

①副作用、副反応をよく理解したうえで
治療を受けること

②標準治療を受けること

③最先端の治療には未知の部分があること

④適切に治療が受けられているのか確認しつつ
主体的に治療を受けること
 医者と充分なコミュニケーションをとること

⑤「治りたい」という意志のある治療生活を
送ること
送らないこと

書き連ねたらキリがありませんね

今回は5つご提案します
(重複する内容もありますがご了承下さい)

①副作用、副反応をよく理解したうえで
治療を受けること

これは言うまでもなく、
リスクを理解したうえで
治療を受けるべきだと言うこと  
そして副作用、副反応が出たら
すぐに医師に連絡し指示を得てください

②標準治療を受けること  

癌治療などの生命に関わる治療の場面で 
薬は危険だとか、この水を飲むと良くなるとか 
最先端治療の○○がよく効く…など
治療法が確立していなかったり
まだ効果や副作用、副反応が不明瞭な治療は 
治療実績が充分ではない場合が多いと言うことです
数年前に乳がんで他界された歌舞伎役者の奥さんが代表的と思われます 彼女の場合、不幸にも発見も授乳中であったことなどから発見が遅れ進行してしまっていたことも問題でした そして「温存療法」にも切り替えたことが生死を分け、死期を早めた可能性が高いです でもそれは充分理解されたうえで選択されたのではないでしょうか

ここではあくまで生存率を高めるための話を
書いていますが、中には「乳房全摘したら女性じゃなくなる」「足を切断したら選手生命が絶望的で生きていても意味がない」「生命が助かっても一生寝たきりになるなんてありえない」などの想いから「賭け」のような治療に挑んだり、治療を諦めたりする場合もあります
それについては覚悟の上の決断なので、やむを得ないでしょう しかし、そうでないのなら 
標準治療をベースとして、医師と充分相談しながら治療を進めていくのがベストではないでしょうか

③最先端の治療には未知の部分があること

特に生死に関わる病気の場合、ワラをも掴む想いで救いを求めてしまうのは当たり前のことと言えます 
自由診療の免疫療法(保険適用外)とか
法外な価格で、さも完治確実のようなことを
うたっていれば怪しさ倍増です
エビデンス(裏付けられるデータや論文)があるから大丈夫と言われても、そのエビデンスが
本当に大丈夫なものなのか読み解けるのは医師くらいです
全く効果がないわけではなく、発展途上の治療として標準治療と併用するのは「アリ」かもしれません それは主治医と充分相談した上で…が良いでしょう

また、最先端の治療には5年、10年、20年先に
治療を受けた患者さんたちがどうなっていったかというデータが少ないと言えます 思いもよらない効果を発揮しているかもしれないし、途中から全く効かなくなっている確率が増えているかもしれない そこが未知数なのです

ここ5年、10年、飛躍的に医学も進化しています 我々が学んでいた頃には教科書にも載っていないようなことが沢山あります その中で
どの治療を受けるかは、その人次第になってきます ですからよく調べた上で、自分が自分の主治医のつもりで治療先を探したり治療を受けると良いでしょう

④適切に治療が受けられているのか確認しつつ
主体的に治療を受けること

どんな治療でも、常に一定ということはありません 何故なら受ける側のコンディションが変わったり、治療効果がなんらかの理由で低下したり、より効果的な治療が見つかる場合もあるからです 

例えば、私の身近な人の場合、
肺に進行性の悪性腫瘍が見つかりました
その時点で、肺を全摘出して人工呼吸器で
一生暮らすのなら生存出来るかもしれないと
医師から宣告されました 
しかし、そんな不自由な状態で生きていける程
強い人は多くはありません 医師もこの治療は
お勧めしない、抗がん剤で治療しましょうということになりました
その時点で医師から「癌研か癌センターでセカンドオピニオンを受けてみないか」と勧められました これは晴天の霹靂でしたが有難く受診しました 癌専門医から「今の治療が1番望ましい、当院での治療は3ヶ月待ちになるのでこのまま治療を継続することを勧める」とのことでした
結局、数クールの抗がん剤治療で効果が期待できなくなったところで改めてセカンドオピニオン受診 効果は期待できないので抗がん剤の中止とQOL(生活の質)を維持する治療を継続することを勧められました 主治医の治療方針を癌専門医から裏付けを貰いながら治療継続したのです 周囲から高額な保険適応外の治療も勧められ癌専門医に確認もしましたが「サギに近いよ」とのお墨付き?を得てターミナルケアに移行しました 本人が納得して最後を迎えました

このように期待した結果が得られなくても、その時その時に医師を意思疎通をしっかりとって
セカンドオピニオンも受ければ、納得いく治療が受けられると思います
命に関わらない疾患ではなかなかここまでの関わりは出来ないかも知れませんが、どんな治療でも納得のいく治療を受けられるようにメモを持って受診することをお勧めします
また、一人では自信がない場合はご家族や身近な方、出来れば医療従事者の近親者に同行して貰うとスムーズに話が進むかもしれません

⑤「治りたい」という意志のある治療生活を
送ること、送らないこと

どんな治療でもご本人に「治りたい」という意欲がないと期待した治療結果が得られません

例えば、糖尿病の患者さんが治療を開始したとします 家族が治療食を作って協力的であってもご本人が好き勝手な食生活を続け運動もしなければ「治りません」
早死にしてもいいから好きなものを食べたい呑みたいという場合も少なくありません その場合、医師と「どの程度なら実行可能か」「どの程度なら我慢出来るのか」「どの程度なら我慢しなくていいのか
これらを医師とよく話し合って治療方針を決めていくと良いでしょう 
その際、「治療を中断したらどうなるのか」をキチンと理解しなければなりません 治療中止によって重症化したり寝たきりになって介護の手を借りなくてはならなくなったり最悪の場合亡くなることがありえると覚悟が必要です 

病気の種類やご高齢の場合や余命わずかである場合、「我慢して治療を受けるする意義」が見つからない場合もあります その場合はご本人、ご家族、医師と充分話し合って悔いのない治療を受けられると良いのではないでしょうか

おわりに

この記事を書いたのは、身近にも、ネット上にも医療機関とうまく付き合えていない場合を多く目にしたからです 受けたい治療が何でも受けられるわけではありません 医師が必要だと思えなければ治療が開始されることがないからです だからといってドクターショッピングするのもお勧め出来ません 治療を受ける側も勉強して医師に任せっぱなしにせず積極的に治療に関わることで皆様が納得のいく治療が受けられるとをお祈りしています

長文読んで頂き、ありがとうございました