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追い越し車線を眺めていると

首都高速や高速道路を走っていると、追い越し車線の車のスピードがとっても速い事に気づく。

追い越し車線なんだから当たり前なんだけど、ずっと追い越し車線を走っていると、それなりの速度で走っているにも関わらず、必ずと言って良いほど、煽ってくるトラックや乗用車に会う。

怖いと思う事もあるので当然道を譲るのだが、私を煽った車もまた違う車に煽られている。大袈裟に言えば、因果応報って感じなんだけど、煽る車は煽られる事も多い気がする。

だけど、高級車や超大型車はそんな事を見かける事が少ない。高級車は外車が多いから圧倒的にスピードが速く煽られない。

超大型車は車高が高すぎる事もあり、そもそも煽られている事に気づいていない。それに、万が一ぶつかっても多分平気で、ぶつけた車の方がペチャンコになるだろうから。

追い越し車線をじっと見ていると、人生の縮図のような感じがする。

急いで決まった速度以上に突っ走る人は、どんどん人を追い越して出世するかも知れないけれど、追い越した瞬間から煽られていく。

ひたすらアクセルを緩めることは出来ずに突っ走る。それが実力以上だとしても気付かずに突っ走る。プライドが邪魔をして譲れなくなっている事に気づかない。

譲ればもっと楽に生きていけるのに。

人それぞれいろんな人生があるから、追い越し車線が性に合っている人もいるだろうけど、私は追い越し車線的な人生には不向き。

だからゆっくりと適度な速度で走行車線を走る。ゆっくりと急がず自分の速度にあったスピードで。

この歳になって、速すぎず、遅すぎず、やっと自分に合ったスピードが分かってきた気がする。

でも、出来ればもっと若い時に知りたかったと思うけど、これもタイミングかな。この歳になったから分かってきたのだと思う。

これからも、歳を取る度に何かを失うのだと思うが、今まで分からなかった事に気づければ、それはそれで良いのかもしれない。

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