サッカー好きの子の決断
Hello, みろろんです。
ずっと回想しています。その理由はいくつかありますが、やはり現在仕事がリモートであるということが大きいです。いつもなら職場にいって、同僚と雑談。おしゃべりな人が多いところなのでその人のプライベート(子供の話や悩みなど)を聞く機会が多く、そこで新しい言葉や表現を学ぶ、というのが典型的な日々だったのですが(仕事しろ!と言われそうですね)、それも今はなく。一人で家にいると(子供はいますがそれぞれ部屋に閉じこもっています)いろいろ考えることが多いのです。
過去の話ではなく、これはタイムリーなので今書いておかないと後で忘れてしまいそうなのでここで記しておこうと思います。
それは子供のことです。
私には16歳と13歳の男の子がいます。子育てしていておもしろいな、と思うのは同じ環境で同じように育てていても全く違う性格、生き方だということです。
上の子はうまく社会に溶け込むことができる性格で友達も多く、友達の幅も広くいろいろな友達がいます。ハズがサッカー好きなため(そのためイギリスに来た?)子供たちも2人ともサッカーを小さいときからしているのですが、一時期は本当にプロになることを考えて、遠くのサッカーチームの練習に参加していました。
サッカーを通じて夢をみた
イギリスではプレミアリーグをトップとして2部、3部・・とたくさんプロリーグがあり、さらにそのチームごとにユースチーム(イギリスではacademyといいます)を抱えています。小学生のころからスカウトされる可能性があり、地元のサッカーチームでプレイしていても時折スカウトが試合を見に来ます。サッカーコーチには事前に試合を観に行くから、と連絡があることもあります。
上の子のコーチは父親。外国人であるにも関わらず、チームの保護者からも信頼を得て彼がコーチになってからリーグのトップレベルまで子供たちの能力を引き出し、牽引しています。地元のボランティアであっても、きちんとFAの資格が必要なので、親(コーチ)も真剣です。
上の子は現役プロ選手がコーチのチームに入り、そこでプロリーグ5部のacademyにスカウトされます。地元のチームはプレミアリーグの下のチャンピオンズリーグなので声もかからなかったのですが、そのチームからはトライアルを受けてみないか、と。
親子ともども喜んで受けに行き、無事に合格。週1回の練習、土曜日に試合、という生活が始まりました。ハズは左利きですばやい動きができるうちの子を本人の前でこそ見せないけれどベタ褒めでした。
しかし、うちの子はイギリス生まれですが、日本人。土曜日には補習校という日本語で国語、数学を学ぶ学校に通っています。試合にでたければ授業を受けられなくなります。
試合は午前中が多かったので、補習校には遅刻していくという生活になりました。結果ほとんど国語の授業を受けられなくなりました。
親としては子供のやりたいことを尊重したいと思っていましたが、想像以上に大変でした。イギリスでは親が送り迎えをすることは必須。もちろん本人も大変だったと思います。片道1時間以上かかる試合会場に朝早く出かけ、試合が終わったら車の中でお昼ご飯を食べ、補習校に行く、という生活を3年ほど続けました。
15歳になって、決断を迫られます。イギリスではプロサッカー選手になるには、academyに所属し続ける、それは高等教育機関に進まないことを意味します。つまり、大学を目指しながらプロになることはほとんど不可能なのです。運がよければどこかでスカウトしてもらえるのかもしれませんが、イギリスはサッカーの本場。プロになりたい人はたくさんおり、それに賭けて皆チームに残るのです。
うちの子は大学に行きたい、補習校でもっと日本語を勉強したいとサッカーチームを退団しました。私は行けるところまでやってほしかったのですが、チームのリーグが下のところでやっていても、大人になってから活躍できるプロになれる可能性が低い、また身体的なものもあり(うちの子は日本の平均よりも小さいのです。イギリスでは15歳くらいになると大人並みの身長であり180㎝を超えている選手もザラにいます。そこに交じって試合するのもつらいのだと思います。)自分から辞めたいといいました。
まさかのGCSEなし
そして義務教育修了試験(GCSE)に向けて頑張ろう!といっていた矢先、コロナ禍により休校、なんと試験自体もなくなりそのまま卒業式もなくSecondary School生活が終わってしまいました。
イギリス人にとっては最初の試練、GCSEは全国一斉のテストです。本当にセンター試験のように厳しく、全国で同じ時間にテストが行われます。そしてグレードが結果として言い渡され、その結果が悪いと高校で希望の科目がと履修できなくなります。就職するときですら、GCSEの英語はいくらい以上のレベル・・と要求されるので重要な試験なのです。それが今年は今までやっていた学校の成績でグレードが決定されるとのこと。ここから追い込んでレベルを上げようとしていた子供たちにとっては本当に大変な年になりました。
GCSEは義務教育でまだそんなに影響はないのですが、大学に行くはずの高校生(Y13)はその成績で希望の大学に入学できるかどうかというA Levelという試験も同じように中止。混乱を招いています。
8月まで結果がわからないので不安な生活を送っているのですが、当の本人はいたってマイペース。
「今とやかく言っても何もかわらない」
確かにそうなのですが。