医療現場が変わる:助産師の相談支援スキルUP!アウトカム設定の可能性
マスターコーチ講座第3講目より
先日、9期マスターコーチ講座の第3講目を開講しました。
今期も助産師、保育士、公認心理師、精神保健福祉士、ケアマネージャー、グループホームのオーナーさんなどなど
医療福祉の方々が更に深いコーチングスキルを身につけたい!と学んでくださっています^^
患者さんの課題を解決に導く:アウトカム設定について
「ただ話を聞くだけで、何を聞いていたのか分からなくなってしまう...」
助産師のまゆみさんは、患者さんとの1時間のセッションでこんな課題を抱えていました。
医療者として「即座にアドバイスしなければ」という思いが強く、特に家族関係の悩みを抱える患者さんへの対応に苦心していたのです。
変化のきっかけは
講座の中で出逢った「アウトカム設定」という手法
アウトカムとは、行動の結果として得られる具体的な成果や理想的な状態のこと。漠然と「楽しく過ごしたい」という目標を、「どうなったら楽しいと感じられますか?」と具体化していくメソッドです。
効果的なアウトカム設定には、以下のポイントがあります:
1. 目標(理想の状態)を明確にする質問
何を達成したいですか?
(例: チーム内のコミュニケーションを改善したい)あなたが理想的な結果はどのようなものですか?
(例: 「スタッフ全員が意見を気軽に発言できる場を作りたい」)この目標が達成されたとき、変わりますか?
(例:「患者ケアがスムーズに進む、チーム全体のストレスがかかる」)それを達成することで、自分や周囲にどんな良い影響がありますか?
(例:「仕事の満足感が上がる、患者さんの見通しが上がる」)
2. 測定可能な具体性を引き出す質問
その目標を達成したことを、どのようにして確認できますか?
(例: 「スタッフから積極的な意見が5回出る以上」)どの具体的な行動や結果が、その目標の達成を示しますか?
(例: 「ミーティングで全員が発言し、議論が注目になる」)目標達成を測定するための指標は何ですか?
(例: 「患者の満足度調査で、80%以上の満足評価を得る」)
3. 行動を起こすゴールに変換する質問
今の課題や不安を解決したいというゴールがある場合、その課題が解決されどんな状態になって欲しいとお考えですか? (例:「スタッフ間での衝突を無くしたい」→「お互いの意見を尊重する場を作りたい」)
あなたが得たい状態などんな状態ですか?避けたいことではなく、得たい結果を導き出す
(例: 「ミスをなくしたい」→「正確で安定感のある仕事をしたい」)
4. リソースと障害を探す質問
この目標を達成するために、今あなたが持っている強みやリソースは何ですか?
(例:自分のコミュニケーションスキルや、過去の成功経験)目標達成のために必要ですか?
(例: 新しいスキル、チームメンバーの協力)達成する上で、障害や課題がある場合は何かありますか? それをどう乗り越えますか?
(例: 時間が足りない→効率的なスケジュールを立てる)
5. 実現可能性を確認する質問
この目標は現実的に達成可能ですか?
できそうだなと思う最初の一歩はどんなことでしょう?
(例: 「来週の会議で意見交換の時間5分達成」)
6. 期限を明確にする質問
この目標をいつまでに達成したいですか?
(例: 「1か月以内にチームのミーティングを活性化する」)(例: 「来週の会議で全員から発言を引き出す」)
(例:「2週間ごとに進捗を確認する」)
7. 自己モチベーションを高める質問
この目標を達成したら、あなた自身はどう感じるでしょうか?
(例: 「自分がチームに貢献していると感じる」)目標を達成することで、あなたにどんな価値や意味がありますか?
(例: 「真のリーダーとなり、私が大切にしている信頼関係が構築できる」)あなたにとって、この目標を達成することはどれくらい重要ですか?
(例: 「仕事の中で最も重要な課題の一つ」)
8. 環境との関係を考える質問
この目標は、職場や周囲の人にどんな影響を与えますか?
(例:「チームの雰囲気が良くなり、患者ケアの質が向上する」)周囲の人がこの目標を達成することをどう感じると思いますか?
(例:「同僚が安心感を持てるようになる」)この目標を達成するために、誰に協力を依頼しますか?
(例: チームリーダーや同僚)
9. ゴール達成後の状態をイメージさせる質問
この目標を達成したとき、どんな景色が見えますか?どんなことを聞いて、どんな感情を抱いているでしょう?
あなたが目標を達成したことに周りの人々、どんな反応を見せていますか?
講座の中で私はまゆみさんに、敢えてクライアント役となってコーチングを体験してもらいました。
クライアントになってみると、クライアントの脳内が何を考え、何を感じ、どこに意識が向いているかをリアルに体験することができます。
その体験を通じて、まゆみさんは「ただ聞く」のではなく「整理して確認する」という新しいアプローチが有効的であると実感しました。
また「私自身も、目標の臨場感が上がっていなかった!!」と気づいたのです。
まゆみさんは、まず自分自身にアウトカム設定を実践し、その後で患者さんとの関わりに活かしていきたいと語ってくれました。
1時間という診療時間を、より効果的に活用できる手応えを感じたそうです。
この事例は、医療現場におけるコーチング手法の可能性を示しています。
アウトカム設定を学ぶことで、患者さんの漠然とした不安や希望を、具体的で実現可能な形に整理していけるのです。
患者さんに「すぐにアドバイスする」のではなく、共に考え、気づきを促す質問をする。
これらの新しいコミュニケーションスキルが、医療現場に広がれば下記の変化が起こります。
医療現場が変わる!アウトカム設定の可能性
治療計画への理解と納得度が高まり、治療の継続率が向上
患者との建設的な対話による医療者のモチベーション向上
予防医療や健康増進への積極的な取り組みによる医療費の適正化
「すぐに答えを出さなければ」というプレッシャーからの解放
患者との信頼関係が深まり、継続的な関係構築がしやすくなる
医療福祉に従事される方が少しでも働きやすくなります様に…^^
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