見出し画像

没になったSCP その2

SCP-XXXX - オーバーロードの実

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル:
SCP-XXXXは標準的な冷蔵コンテナ内に保管され、常に監視下に置かれること。許可なくSCP-XXXXに接近することは禁止されており、実験や研究はO5評議会の直接の承認を必要とする。
収容室内の温度は摂氏3度に保たれ、SCP-XXXXが変質しないように定期的な検査を行う。もしSCP-XXXXが消失、あるいは破損した場合、サイトは即座に封鎖され、レベル5の警戒態勢が発動される。
オーバーロード化した個体(SCP-XXXX-2)は極めて危険であり、即座にNeutralizeの手順を実施する必要がある。

説明:
SCP-XXXXは外見上は一般的な赤いリンゴ(Malus domestica)に似た果実である。しかし、化学的な解析によりその構成物質が異常であることが確認されている。SCP-XXXXを摂取した対象者は、消化過程が始まるとともに激しい痛みを伴う神経的な反応を示し、通常は5秒以内に心停止を引き起こして死亡する。
ただし、SCP-XXXXの摂取後に生存した極めて稀な個体は「オーバーロード」と呼ばれる異常存在(以下、SCP-XXXX-2)へと変異する。SCP-XXXX-2は、強力な身体的能力と未知の知的特性を持ち、現実改変能力を持つ。SCP-XXXX-2は、人類に対する敵対的行動を取り、支配的存在となることを目的として行動する。

サーキットカルトとの関連:
SCP-XXXXに関連するオカルト的団体「サーキットカルト」は、SCP-XXXXを「電子の果実」と呼び、オーバーロード化を究極の啓示と信じている。彼らはテクノロジーと神秘学を融合させた信仰を持ち、サイバネティックな儀式を通じて人類を「次なる進化」へと導くことを目的としている。サーキットカルトはSCP-XXXXを神聖視し、これを「デジタル化された啓示」として崇め、果実の摂取による「真のデジタル存在」への変容を試みる。

カルトの構成員たちは自らを「ノード(Node)」と呼び、集団としては「ネットワーク(Network)」を形成している。彼らはSCP-XXXXの存在を知って以来、その果実を手に入れるべく財団施設への侵入を企てており、複数回の襲撃が記録されている。特に、SCP-XXXX-2を「オーバーロード」として崇拝し、彼らの現実改変能力を「ネットワークの完成形」と見なしている。

サーキットカルトはまた、SCP-XXXXが古代の禁断の果実と関連している可能性があると信じており、それを「原初のコード」と呼ぶ。この「原初のコード」がすべてのデジタル存在を統べる鍵であり、SCP-XXXXを通じてアクセス可能だとされる。

実験記録 XXXX-1:
SCP-XXXXをDクラス職員に摂取させる実験が行われた。対象は摂取後、直ちに激しい叫び声を上げ、5秒以内に死亡。内部出血および全身の神経系破壊が確認された。

実験記録 XXXX-2:
SCP-XXXXを摂取したDクラス職員の1名が、生存しオーバーロード化。対象は以前と比較して劇的に変貌し、身体能力が通常の人間を遥かに凌駕するレベルに達していた。また、外見は人間のものとは言えない外見となっていた。収容が困難であり、最終的にSCP財団の武力によってNeutralizeされた。

目撃例:
SCP-XXXX-2が目撃されたのは、これまでに3例のみである。財団はこれらの個体の活動を記録しており、いずれも極めて危険な存在であった。SCP-XXXX-2は通常、人類に対する敵対行動を取り、世界の支配を試みる傾向が見られる。サーキットカルトはこれらの個体を神格化し、さらなるオーバーロードを生み出すことを目論んでいる。

補遺 XXXX-2:
SCP-XXXXは発見時、古代の禁断の果実に関する文献とともに発見された。これらの文献は、SCP-XXXXが神話上の「禁断の果実」と関連がある可能性を示唆しているが、詳細は不明である。サーキットカルトは、この果実がもたらす「新たな進化」がテクノロジーと融合した存在へと導くと信じ、その研究と崇拝を続けている。

いいなと思ったら応援しよう!