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ある高校教員

新聞のオピニオン欄に、ある高校教員の女性が投稿していた文章を読む。3年前に患った癌により、休職と復職を繰り返していたが、再発転移していることがわかり退職を決めたという。その人は書いていた。まだ勤めていたかったと。教室で生徒とあいさつするのが喜びだったと。この3年は終わりを意識して全力で授業して来たと。そんな人が病気になって、退職することになるなんて、何ということだ。私みたいに高校教員を辞めたくて仕方がなくて嫌々働いていた人間がやっと辞められたと喜び、元気にのうのうとしていて。

有能な人ほど苦しい目に遭う。もっとも必要とされている人々ほどいなくなる。アウシュビッツ生存者が書いている。「もっとも良き人々は帰って来なかった。」愚かな者、役に立たない者、無駄な者ほど居残り、のさばる。

その人の癌が治り、また新しい道が開けるよう願っている。

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