どすこい!なんでもうまい四文屋は楽園でした。
夜、デモ行進などで騒がしい大都会新宿。その喫煙所に風変わりな三人組が集結した。ひとりは知的な美女、ひとりはセクシーな美女、そしておじさんの僕だ。
はたから見たらなんの集まりか皆目見当がつかない。家族には見えないし、パパ活ってのも何やら変だ。実際僕らもツイッターで出会った三人とはいえ共通の趣味があるかといえばそうでもない。本当に不思議な巡り合わせなのだ。ちなみに知的美女はいつの日か新橋で一緒に飲んだ女の子だ。
そんな僕らは飯を求めていた。元々は歌舞伎町にあるサキュバスランドという出オチもいいところの楽園を目指していたのだが、いろんな状況の変化によって飯を食べるタイミングを逃していた。
まず飯、そしてサキュバス。僕らの考えは統一され、欲望渦巻く歌舞伎町を練り歩く。東京のうまい飯に詳しい知的美女が「ここおすすめなんですよ」と沖縄料理屋の看板を指差した。
いいねいいねと僕らは頷いたが、ふと隣にあった黄色い看板が気になる。
「あの、このどすこい四文屋ってのはどんな店なの?」
僕が聞くが知的美女は入ったことないなあと首を傾げる。セクシー美女も同様だった。知的美女は少し悩んだ後に
「今日はここにしましょう!」
とずいずい階段を下っていった。扉を開けると中は超満員。そして客層はワイシャツ姿が圧倒的に多かった。これは、勝ちだ。平日からこんなにもサラリーマンが飲みに来る店、ハズレなわけがない。
あまりに満員なので僕らは入り口で飲むことになった。ほら、店の入り口ってよく順番待ちで名前を書くバインダーが置いてあるじゃない。あれの机。それが今日僕らの舞台となった。
店員がひとつ机を増設したことでどうにか飲みの場としての体裁を保つ。びっしりと書かれたメニューを見て期待が高まる。スマホで注文をこさえてしばらく雑談をする。玉ねぎ揚げ六個、の注文がどうにも気になるがとりあえず置いておこう。
酎ハイの梅干し割りをちゅうちゅう飲む。うまい。後で知ったことなんだがここは焼酎を梅シロップで割った「梅割り」が非常に有名な店らしい。今度行くことがあったら飲んでみたい。
串が届く。ハラミにハツにその他色々。ひと口食べるとそのうまさに驚いた。これは、相当にレベルが高いぞ。なるほど新宿のサラリーマンが通うレベルってわけだ。両美女もそのうまさに納得したようで、酒の消費が加速されていった。
なめろう、じゃが塩辛、串カツ、そのどれもがハイレベルなのに安くて、四文屋が愛知県にないことを強く呪った。
そして到着する玉ねぎ揚げ六個。半月状の大きな玉ねぎがカラッと揚げられている。うまい、うまいが想像よりデカい。コスパの良さがここにきて僕らを襲う。
どうにかしてひいひい食べ切りここで決着。しかしここは楽園だ。飯も、酒も、最高だった。
ドリンク注文の圧がすごかった店員に会計を済まし、外へ出る。歌舞伎町の喧騒はさらに盛り上がりを見せ、キャッチをかわしながらセクシー美女の案内で僕らは向かった。次の楽園、サキュバスランドへ。
知的美女と飲みにいった時の記事。