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家業継承の裏側 父と母の愛の形〜ムカデ競争でどこへでも〜

こんにちは。今日も気持ちよいお天気ですね。
今日は父が60歳で脳梗塞で倒れた後の父と母のお話です。

父が脳梗塞で倒れて手術をし、一時の危ない状態を免れ、
目覚めた時の第一声は
”おい!米俵が盗まれたぞ!すぐに追いかけろ!!” でした。
一体何時代にいる夢を見ていたのでしょうかね。
こうやって思い出すと笑える話なのですが、脳梗塞の後遺症で一部記憶をなくし、怒りぽくなってしまった父を前に当時は笑えませんでした。

後遺症のリハビリで何度も転院し、記憶も戻ってはきましたが、後遺症でバランス神経がおかしくなってしまい、杖なしで歩けなくなってしまいました。
仕事人間だった父は、仕事ができなくなった失望から鬱症状が出るようになってしまい、厳格で優しい父の変貌に私や兄弟達はどうしてよいかわからず、何もできずにいました。でも、母だけは諦めませんでした。

”家に寝たままにさせたら、歩けなくなるし、もっと鬱症状がひどくなる”といって、車に乗せて車椅子で、
海へ山へ…近所の喫茶店、イオン、レストラン、百貨店へ…
毎日どこかしらへ父を連れて行きました。

車椅子が通れない場所は、リハビリだと言って、自分の両肩につかまらせて、155cmの小さな母の肩に180cmの大きな父がつかまる、ムカデ競争みたいにどこへでも連れて行きました。

母の努力もあって、車椅子でしか歩けなかったのが、杖で歩けるように、鬱症状も軽くなりました。

父は、病気で少し子供に戻った事もあり、”母さんが大好きなんだ”と恥ずかしげもなく言い、母が新しい服を買ってきて、着替えて見せると”母さんは何を着ても似合うなぁ”と少年のように嬉しそうに微笑みながら見ています。

母と父はお見合い結婚で、若いときはよく喧嘩して、しょっちゅう母が怒って出ていくのを子供の頃見て育ったので、父が病気になって初めて、思いがけず、父と母の間にある夫婦愛を知る機会になりました。

父が倒れて、11年あっという間でした。後遺症がよくなるわけでもないし、老化もあり、最近よく足が震えるようになってきたので、心配ですが、父にも母にも元気で長生きしてほしいなと思います。

今日はもう日曜日。週末はあっという間にすぎてしまいますね。週末のんびり過ごしてくださいね。

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