GAPを伝えています
初めての記事に、たくさんの「スキ」と、Facebookで「いいね」をたくさんいただきました。
ありがとうございました。
みなさんのおかげで自信が持てました!
心から感謝します。
さて、今回は現在担当している仕事の話をします。
今、私は某農業大学校の学生に、GAP(Good Agricultural Practice)を伝えています。1つは「農業生産工程管理論」、もう1つは「食品安全とリスク管理論」です。どちらもGAPとSDGsとHACCPをベースに、アメリカのオレゴン州ポートランドへの5回の渡航で得た経験と知識をプラスしたカリキュラム構成で、15回の授業を外部講師として担当しています。
その授業の中で、私は学生に「教える」ではなく、「伝える」と話しています。それは、GAPの答えは一つじゃないから。
GAPは、農業者自身が農業経営のベースとして捉えて、経営ツールの一つとして使っていくもの。GAPに合わせるのではなく、GAPを使っていくもの。そして経営を段々良くしていくものです。農場ごとに仕事の考え方もやり方も違います。違っていて全然いい。それぞれの農場に合わせて、GAPを使い倒していく。だからGAPの答えは一つじゃない。
GAPの「P」はPractice。Practiceだから、そこで働いている人が日常的な活動・習慣的な取り組みになるように、携わっているメンバーと一緒に、リスクが最小限になるように、そして仕事がやりやすくなるように考え、行動していく。そのためのツールになるのがGAPです。
農業での様々なリスクを感じ、なんで・なぜ・どうして起こるのかに気付き、どう予防するのか・防御するのか・どう行動するのかなどを考えて活かす。そして経営を良くしていく。
感じて、気付いて、活かして、良くしていく
これがGAPの考え方・捉え方の基本の1つです。
感じ方は人それぞれ。気付き方も人それぞれ。自身の想像力・思考力・思いついたアイディアを仕事に活かしていく。それには分析力も必要。
だから「教える」よりも、考え方・捉え方を「伝える」と表現した方が、学生のみならず、誰が聞いたとしても、心にスーッと入っていくんじゃないかなと。それでGAPの話をする時は、敢えて「教える」という言葉を使わないようにしています。
「感じて、気付いて、活かして、良くしていく」は、農業の世界だけでの考え方ではなく、日常の生活でも、人生でも、活かせることじゃないかと。授業では「農業以外の仕事でも、恋愛でも、結婚とかでも、心に留めておくと意外と使えるよ」と話しています。
例えば恋愛。好きって感じて、いろんなことに気付いて、どうしたらいい関係になるかって考えて行動するでしょ。そして結果的に良くしていくためにがんばる...。想定外のことは突発的に起こる。でも「これってヤバいかも」って感じたら、そのヤバさに気付いて、活かして、良くしていくをイメージしてみる。それが頭の中で習慣的に考えられるようになったら、少しはイヤなことが回避できるんじゃないかな。
そんな考え方を繰り返していると、これが自然とGAP的発想になっていくのですよ。それを私は ”GAP脳” と勝手に名付けています(笑)
今、伝えることの難しさを感じながら、悩みながら、毎週教壇に立っています。先週は2回目の授業でワークを行いました。
テーマは「食品偽装の予防策」。
よく知らない人から種とか薬とかを渡されそうになった時、あなたならどんなリスクを想像するか。どう判断し、どう行動するか。なぜそう考えたのかの理由をワークシートに表現する。
これがそのままリスク評価表になります。
GAP関係者からは「いきなりそれから入るの?難しいんじゃない?」と言われますが、これも敢えて。ロールプレイングゲームを思い出して欲しいと。
彼らの想像力の凄さを感じてます。
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