科学館レビュー3:明石市立天文科学館
◆ポイント◆
日本標準時子午線上にあり、東経135度をまたぐことができます。
展示内容は、時間や宇宙関係に特化。
展示物とその解説文がメインで、比較的大人向けかも。
2024年1月1日に「お正月特別開館」で訪問。
内容
天文経度の東経135度上に立つ科学館です。地図上で見ると東経135度から120mほどずれた場所に立っています。(地図上でずれる理由は、地球が凸凹していて完全な回転楕円体ではないからですが、より詳しくは各自で調べてみてください。)
日本標準時子午線にちなんで、天文や時間についての展示や解説がたくさんあります。
独自性★★★☆☆
1階がエントランス、2階がプラネタリウム、3階が展示室、4階が屋外広場とキッズルーム、そして塔を登って13・14階が展望室になっています。また16階には天体観測室があり、月に1回程度の天体観望会の日に公開されています。
なので、いわゆる科学館っぽいスペースは3階だけなのですが、個人的には4階の日時計広場にある「惑星の大きさ比べ」という展示が気に入りました。太陽系の天体がそれぞれ2000万分の1サイズで展示されており、想像もできないような宇宙のスケール感がちょっとだけ想像できた気がしました(?)
太陽が直径70mの円で床に描かれているのですが、はるか遠くに見える淡路島の観覧車のあたりを、直径65cmの地球が回っていて、冥王星に至ってはこの小さい球が静岡県のあたりを回っている…。展示や景色を眺めながら宇宙の壮大さに思いを馳せることができます。
そのほか、日時計広場はその名の通り様々な種類の日時計も展示されており、(晴れた日限定ですが)自分の影を使って時間がわかる、人間日時計などがあります。
地域性★★★★☆
館内のいたるところに、この科学館がこの場所にある理由である、子午線が示されています。
また、所在地である明石市と子午線に関する歴史についても、展示で詳しく解説されています。
現物展示★★☆☆☆
天体観測に用いられた子午儀は本物(?)が展示してあります。また、宇宙関連では、本物の隕石がいくつか展示してあり、手で触れたり磁石を近づけたりすることができます。
最先端★★☆☆☆
あまり最先端の内容は多くありませんが、宇宙関連は比較的アップデートがあります。
この記事を書いている最中には、小惑星イトカワ・リュウグウの実物サンプルが、JAXA以外では日本で初めて並べて展示されました。
対象・客層
文系でも楽しめるか★★☆☆☆
楽しめる展示はあまり多くないかもしれません。時計の歴史や、天体観測技術の発達など、歴史(科学史)に興味があれば、展示に読み応えを感じるかも。
理系でも楽しめるか★★☆☆☆
展示内容が天文に特化しているので、天文分野が好きであれば楽しめそうです。
大人も楽しめるか★★★☆☆
全体的に「展示物とその解説」という方式なので、大人向けで博物館に近い印象かもしれません。
子供も楽しめるか★★☆☆☆
遊びながら学べるような展示はあまり多くないので、宇宙に興味がないと少し難しいかもしれません。ただ、シゴセンジャーというキャラクターがいたり、中学生が作った解説が展示してあったり、様々な試みが行われているようです。
イベント・設備
サイエンスショー・実験教室★★☆☆☆
実験教室はありませんが、月に一回程度、最上階の天体観測室にある40cm反射望遠鏡で星を見る天体観望会が開催されています(要申込)
プラネタリウム★★★☆☆
稼働期間日本一で、1960年の開館から60年以上ずっと使われ続けています。全編生解説です。お正月だったのでそれにちなんだ星座などについて解説がありました。
普段も「ベビープラネタリウム」「子供向けプログラム」「星と音楽のプラネタリウム」「熟睡プラ寝たリウム」などなど、さまざまな上演がされています。
出入り口には、投影機で天体の動きを表現する仕組みについて、模型を使った解説が並んでいます。
お土産コーナー★★☆☆☆
小さいながらもお土産コーナーがあり、オリジナルグッズなどを販売しています。
その他カフェなど★☆☆☆☆
飲食は限られたスペースのみで可能です。入り口わきと、休憩スペースには自販機が設置されています。
基本情報
広さ★★☆☆☆
展示面積は480㎡とあり、比較的コンパクト。メインの展示室は3階だけです。
交通の便★★★☆☆
山陽電車人丸前駅から徒歩3分。駐車場もあります。
所要時間★★☆☆☆
展示室はワンフロアなので、1時間あれば見て回れそう。展望室や書籍コーナーでゆっくりすることもできると思います。
公式HPの施設案内が非常に充実してあり、ほぼすべての展示について動画解説が公開されています。ぜひ一度チェックしてみてください!!