科学館レビュー6:南極・北極科学館
◆ポイント◆
国立極地研究所に併設されており、充実した展示内容を無料で見学可能!
南極の氷に実際に触ることができる!!!!!
南極と北極のオーロラ映像をドームスクリーンで鑑賞できる!
2024年4月訪問@東京都立川市
内容
一般的な総合科学館とは異なり、「南極・北極」にまつわる科学的な観点に着目して、その解説に特化した科学館です。
国立極地研究所に併設されており、すぐ隣ではまさに南極・北極についての様々な研究が行われています。
建物の外には、タロ、ジロをはじめとするカラフト犬の像があるほか、南極の昭和基地周辺の岩なども見ることができます。
独自性★★★★★
入り口を入ると、まずは床に描かれた大きな地図が目に入ります。南極の形はなんとなく知っていても、北極圏の形は普段あまり見かけないので、グリーンランドと北極点の近さなど、新たな発見があるかもしれません。
入り口の先には南極や北極の立体図があり、分厚い氷の下がどうなっているのか模型で知ることができます。日本列島と大きさの比較が追加されていたり、踏み台が設置されて小さい子でも見れるようになっていたり、様々な工夫・改善がされていて好印象でした!
地域性★★☆☆☆
立川と科学展示との関連性はありませんが、国立極地研究所が立川に立地しているので、この場所ならではと言えばそうなのかも?
現物展示★★★★★
様々な現物が展示してあります!入館無料なのに、こんなにホンモノに触れることができていいのでしょうか?
一番の見どころは何といっても南極の氷!観測隊員が氷を削って、わざわざこの展示のために南極から持ち帰ってきています。
見たり触れたりできるのはもちろん、氷には数万年前の空気が閉じ込められているので、泡のはじける音を聞いたり、匂い?を嗅いでみたり、五感を使って体感することができます。(食べるのはNGですが)
他にも、機械遺産に認定されている本物の雪上車や、犬ぞり、氷の地面を掘るドリルなど、実際に使われた現物がたくさん展示してあります。
また、南極では隕石が数多く発見されるため、採取した隕石や南極の岩を実際に触ったり、顕微鏡で観察したりすることもできます。
最先端★★★☆☆
展示物については「今まさにどういう研究がされているか」というよりは、南極北極についての概要やこれまでの歴史に重点が置かれている印象です。
後述しますが、展示のほかにサイエンスカフェなども開催されているようなので、そこでは研究者から最先端のお話が聞けるのではないかと思います。
対象・客層
文系でも楽しめるか★★★☆☆
かわいいペンギンの標本を見ることができたり、オーロラの映像を視聴したり、南極観測隊の歴史を知ることができたり、直感的にも楽しめる内容が多くあると思います。
理系でも楽しめるか★★★★★
南極・北極についての科学的な研究はメジャーな分野ではない一方で、「物理・化学・生物・地学」どの分野にも関連する点があり、知ってること/知らないことの絶妙なバランスが、知的好奇心を刺激してくれます。オーロラの仕組みについてや、氷の中の空気の化学状態など、詳しい解説パネルも随所に設置されているのできっと楽しめるはずです!
大人も楽しめるか★★★★☆
比較的大人向けの展示内容が多く、見ごたえがあると思います。詳しい人もあまり知らない人も、どちらも楽しめるのではないでしょうか?
子供も楽しめるか★★☆☆☆
小学校低学年以下には少し内容が難しいかもしれません。ただ、動物のはく製や隕石など、一目見るだけでも何かしら感じるものがあるかも?
イベント・設備
サイエンスショー・実験教室★★☆☆☆
サイエンスカフェやワークショップなど、ときどきイベントが開催されているようです。最先端の研究に取り組んでいる研究者と実際にお話しできる機会も設けられています。
プラネタリウム★★☆☆☆
プラネタリウムではありませんが「オーロラシアター」という設備があり、約5分間のオーロラ映像を見ることができます。常設展示で南極と北極のオーロラを両方見ることができるのは国内でここだけみたいです。
お土産コーナー★★★☆☆
ミュージアムショップがありますが、訪問した際は残念ながら休店中でした。
「日本極地研究振興会」という組織が運営しているらしく、なんと販売スタッフは南極観測の経験者の方で、お話を聞くこともできるそうです!
その他カフェなど★☆☆☆☆
飲食ができる施設は特にありません。外にベンチがあります。
基本情報
広さ★★☆☆☆
800㎡弱のワンフロアで、そこまで広くありません。
交通の便★★★☆☆
立川駅からバスで5分程度、歩くと約25分。多摩モノレールの高松駅から徒歩10分。
所要時間★★★☆☆
面積のわりには、見どころたくさん。ざっと見るだけならすぐ回れますが、しっかり見て回ると1時間以上かかると思います。
入館無料なのに、これだけ見て触れて感じられるのは研究機関ならでは。
入り口からの動線として、まず氷床掘削ドリルが目に入るのですが、解説内容も含めてちょっとマニアックすぎるかも?奥に楽しい展示がたくさんあるので、ここであきらめないでほしいと思います。このことに限らず、わりと専門的な解説が充実しているので、子供向けの簡単な一言解説ももう少し多いと、さらにたくさんの人に楽しんでもらえるかもしれないと思いました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?