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No.3 構造計算 2次部材(スラブ)編
スラブの計算について
計算の方針
・基本内法長さにて計算
→構造図のCAD上で寸法を記載しておくと後からの変更に対応しやすく、提出前のチェック等がしやすいです。
計算書には、計算した位置図をつける必要があるため、そのときには寸法を書いた状態のものをつけると整合がとりやすいです。
・スラブの向きに注意
→向きなどを細かく設定すると施工が間違えやすいので、正方形に近いものは短辺・長辺で同配筋とする。
ピット階などでは、施工上の間違いを減らすために、すべてのスラブの向きをそろえる場合もあります。設計の早い段階でスラブの向きについて確認をしてみるのも良いかもしれません。
【失敗談1】
自分が過去経験した物件では申請直前に上記のような変更があったため、スラブ配筋を調整した経験がありますが、そのときはチェックが間に合わず、申請で多くの不整合の指摘を受けたことがあります。
また、1階・B1階などは、要望がなければ、200、(220)、250、(270)、300mm程度で分ける程度とし、種類が増えすぎないように気を付けるほうが良いです。
【失敗談2】
過去物件で、上部の余裕度が小さかったのもあるが、経済設計を意識してスラブを10mmずつ、配筋もそれぞれ数種類と細かく分けてしまい、1フロアでとても多くの種類のスラブ符号を作ってしまいました。そのため、必要以上に計算・一貫計算への入力のチェックの時間がかかってしまいました。結局、その後に設計方針等を少し変えて架構の余裕度が上がったため、施工のしやすさを考慮し、種類を数種類まで減らしました。
数年前のことですが、チェックなどに掛けたあの時間はなんだったのかと落胆したことを今でもよく覚えています。
ただし、集合住宅やオフィスビルの基準階のスラブなどはある程度細かく(10mm毎、配筋も数種類程度)計算して検討したほうが全体への影響が大きくなりすぎないです。
まとめ
RCは細かく設定を分けるよりも、間違えにくく、施工がしやすいような設定に配慮するほうが良いということを学びました。経済的な設計は大切ですが、施工のし易さ、ある程度の変化への対応が可能な冗長性も必要だと思います。