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映画「まる」を観ました

まる、やさしい哲学のお話でした。 さらりと心の表面を撫でて去って行くが、撫でられた跡は少し逆立って隙間から深部を覗けるきっかけが出来るような。 観た者に思考させるでも、問いかけるでも答えるでも与えるでもない。 己のアイデンティティーについて心を毛羽立たせる映画でした。 中でも、横山の傍若無人でピュアな姿は、愛しくて痛々しくて切ない。 荻上監督を投影したキャラクターという話ですが、沢田の欠けてしまった感情自体のようにも描かれている。 奇妙で可愛くて煩くて優しくて、とても魅力

    • 映画「花腐し」を観て(ネタバレ)

      作品鑑賞後、感想を書いてからパンフや映画芸術を読んで補足してあります。所々、重複する部分がありますがご了承ください。 作品公開初日…の次の日に友人2人と見に行きました。 駅に隣接したビルにあるミニシアターでの上映で、客層は男性と女性半々くらいの割合。男性陣はほとんどが60代くらいでした。 座席数97席のミニシアター。 観客半分が男性という状態で、ピンク強めの映画を見るのは妙な緊張感があり、唾を飲み込むタイミングすら周りの様子を伺いながらでした。 作品は初っ端、男女が心中

      • 映画「花腐し」を観て Cry me a riverを想う(ネタバレ)

        荒井晴彦監督作品「花腐し」を鑑賞しました。 以下、内容にしっかり触れますのでご注意ください。 作品鑑賞後から、ずっと花腐しの事ばかりを考えていて頭の中では延々と「さよならの向こう側」が流れ続けている。 頭の中でぐるぐる考察しているとふと Julie London の Cry me a river(1995)が頭の中に流れてきた。 祥子はどんな気持ちで死んでいったのだろう… 作品鑑賞後はしばらく気持ちが落ち込んでいたが、この曲が祥子にフィットする気がして、彼女の感情がこの

        • 装備を変えて、新しく生きる。

          「心機一転」 …ある事をきっかけに、気持ちがすっかり変わること、また変えること。 中学の時は、ふで箱。 高校の時は、化粧ポーチ。 大学の時は、財布とか手帳。 社会人になってからは、ネイルやまつ毛エクステ、通勤カバンや靴などなど…。 学生の頃の私は春になると、ふで箱やらポーチを必ず変えていた。 アイテムを変えることでしか、怠惰になっていく自分をリセット出来ないからだ。 社会人になるとお金に余裕が出来て、 毎月ネイルを変えたり、コスメを変えたりして 8時出勤、17時退社の単