宮崎県日之影町☆若葉のふるさと協力隊☆2021
宮崎県日之影町で開催された「若葉のふるさと協力隊」。
5日間の様子をコーディネート役を務めた緑のふるさと協力隊・小野満陽光さんにレポートしてもらいます。
●日 程:2021年10月11日(月)~15日(金) 4泊5日
●参加人数:3名
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【1日目 10/11】
1日目:13時にバス停「青雲橋」集合。全員初めまして。
みんな緊張している様子がよく伝わってきました。
日之影町役場に移動してオリエンテーション。その後、課長が町内を案内してくれたました。途中、日之影の焼き栗をごちそうして下さり、3人がとても喜んで食べていたのが印象的。
本日宿泊する宿「ゲストハウス Hiroseya」に移動し、夕食まで時間があったので川に連れていき、きれいな川に喜んでくれてしばらく黄昏れていました。
その夜、参加者1人のキャリーケースが開かなくという事態が発生。3人で力を合わせて開けたそうです。この出来事もあって3人の中が少しずつ深まってきて、私も最初は緊張していましたが、だんだんとみんなが打ち解けていくのが分かって、一安心しました。
【2日目 10/12】
午前中は大人地区の甲斐睦彦さんの畑でさつまいも作業の手伝いとほうれん草と大根の種まきをさせていただきました。参加者はどれもやったことのない作業だったようで、新鮮に感じていた様子でした。その一方で、慣れない農作業に結構疲れた様子も見られました。
お昼休憩ののち、午後からは森林セラピーを散策しました。
昭雄さんに案内してもらい、廃線となった旧高千穂鉄道の線路の上を歩く「TRコース」を散策しました。ゆっくり歩く森林セラピーと終着点にある八戸観音滝にリラックスできた様子でした。
その後は緑のふるさと協力隊OBの岡田さんと一緒にこんにゃくづくり体験と夕食のBBQ。
できたてのこんにゃくと都市部ではなかなか気軽にできないBBQ。談笑しているうちに予定の時間を過ぎてしまい、急いで温泉へ。30分ほどしか入る時間がなくて申し訳なかったが、それでも行けてよかったと言ってもらえました。
本日の宿も「ゲストハウス Hiroseya」。初日はお互い敬語で話していましたが、2日目は仲良さそうに話す場面が多くみられました。
【3日目 10/13】
午前中は甲斐智佐世さんと餅つきと稲刈り体験。
初めての手狩りでの稲刈りとかけ干しをやってもらいました。あっという間に終わり、若い力ってすごい!と思えました。地元のテレビ局による撮影も来てて、緊張しながらもインタビューに答える場面もありました。
お昼は、眺めのいい展望所でお弁当をいただきました。
午後はシカの解体を見学。最初は見学だけの予定だったのですが、まさかの「やってみたい」という声が聞かれて、全員皮を剝ぐ体験をさせてもらいました。みんなが真剣なまなざしで終始見ていたのが印象的でした。
その後、智佐世さんのお宅で「たけのこ寿司」や「にしめ」といった郷土料理作り体験しました。作った料理と解体したジビエも含めて夕食会。特別に蜂も出して下さり、みんなでいただきました。反応は三者三様でしたが、貴重な体験になったと喜んでいる様子でした。
本日の宿は農家民宿で智佐世さん家のお宅。みんなのチャレンジ精神があふれて、私も感心させられることが多かった一日でした。
【4日目 10/14】
午前中は日之影の伝統芸能、歌舞伎と神楽のお話を聞かせていただきました。
歌舞伎については、実際の衣装や小道具を見せてもらいながら説明していただいた。長い歴史を感じる伝統の話を聞いて3人も感銘を受けている様子だった。
午後は16時からの活動報告会にむけて準備に取り組んだ。
毎日、夜の1時間ほどを使って、3人でその日の振り返りをしていたこともあって、始めたらすらすらとまとめていた。
報告会ではそれぞれが感じたことや思ったことを率直に話してくれた。『いい報告会だったね』と参加した方からもお言葉をいただけて、私も嬉しかった。
夜は智佐世さんと高千穂峡や観光神楽、星空などを見て回った。星空には特に感動していた。
本日の宿も智佐世さんのお宅。お酒を飲みながらいろいろな話をした。気づいたら朝の4時になっていたのは驚いた。時間も忘れるくらい楽しかった。
【5日目 10/15】
朝食をいただいて全ての行程が終了。
延岡駅まで智佐世さんと送り届けることになったが、その道中の車内で、1人の子が泣き始めた。それにつられて他の子や智佐世さんも泣いていた。それでも別れの際は笑顔で帰っていった。
3人を見送ったあと、私も涙がこみ上げてきた。別れの寂しさや無事に終わった安心感、もっとしてあげられることがあったのではないか、など様々な想いが溢れてきて涙が止まらなかった。私が感情のままに泣くのは本当に久しぶりだった。だから自分でも驚いた。でも、それほどいい出会いができたのだなと思う。
【緑のふるさと協力隊の感想】
コーディネーターという役割は初めての経験だったが、その大変さと面白さがあった。「若葉」の参加者と町民の間に入って物事を進めるので、考えなければいけないことが多く調整も大変だった。
でも、自分は人の気持ちを量ることができ、性別や年齢に関係なく平等に接することが得意なので、こういった立ち回りは性に合っていると気づいた。といっても今回は若葉が3人であり、もっと多い人数だともっと大変だろうなと思う。3人はちょうどよかった。
僕もスケジュールを組む際、「女の子だからどうだろうか…」と考えることが多かったが、実際やってみて性別ってあまり関係ないなと感じた。性別で決めつけてる部分が自分の中にもあり、性別という大きな枠で決めつけてしまうのはよくないなと、認識を改めるきっかけになった。
協力してくださった町民の方々の「せっかく日之影に来たのだから色々体験して帰ってほしい」という思いから、お願いしたこと以上の体験を考えて下さり、驚くとともに感謝の気持ちでいっぱいだった。
コロナ禍ということもあり、大人数での交流会や活動範囲にある程度の制限があったが、それも私たちの中を深める機会が増えたり、エリアが狭い分その地域を深く知ることができたりと、いいことも確実にあった。
【地域の方の感想】
『3人とも素直でいい子たちだね』という言葉をたくさんの人からいただいた。
なんでも積極的にチャレンジして、その感想を素直に言うところが町民にとってもうれしかったそうだ。また、懸命に農作業をする様子に感心していた。女の子だからあまり農作業とかやりたがらないだろうという思い込みがあったが、いい意味で予想を裏切られたのだと思う。ジビエの解体にチャレンジしたり、蜂を食べたことにも驚いていた。
【参加者の感想より】
・濃密で、かけがえのない思い出をつくってください、「やってみい!」と背中を押してくださったり、本当に多くのことを与えていただきました。だからこそ、それに何とかして「応じたい!」「感謝の気持ちを伝えたい!」と私たちもどんどん挑戦して学びを深めさせていただきました。
皆さん、優しく話しかけていただき、あたたかく思い出を作ってくださり、嬉しく思いますし、日之影に来て本当に良かったです。今度日之影に来るときは、私が与える側の存在になりたいです。
・大学でオンラインで勉強しているのと、実際に自然に触れ、生産に関わる人々のお話を伺うとでは全く違うものでした。教科書上では「近年田畑では野生鳥獣被害が深刻化している」とあるがそれ以上のことは書かれていない。でも実際に野生鳥獣を捕獲し、環境保全に取り組む方の『命』に対する思いを今回知ることができました。そして、肉の全てを余すことなく使い、命に感謝する精神は対話なしには生まれないことが分かりました。
農作業中の土の香りや採れたての新米の鼻からぬけるおいしさは忘れることないと思います。日之影町での5日間の活動で得た経験や想いを大切にし、 今後の大学での学びに活かしていきます。 関わってくださった全ての皆さんに感謝しています。
・とても濃い経験ができて、参加して良かったと心の底から感じています。計画・準備をしてくださった役場や日之影町のみなさまへの感謝の気持ちは言葉では表すことができないくらいです。この縁を大切にして、今後も日之影町と関わっていきたいです。必ず遊びに行きます。
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参加してくれた皆さん、ご協力いただいた日之影町役場をはじめ日之影町の皆さま、ありがとうございました!