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医療機器のHFE/UEの人材とは

こんにちは。ミドリサーチの中の人です。先月やっと会社のホームページを公開することができました。そのホームページの最初のブログでも少し書きましたが、なぜこういった会社という形態にしたのか、ここで少し裏話をお話したいと思います。

普通の仕事であれば、誰かが退職しても、後任者が任命され、多少の混乱はあれど業務は続いていくと思います。会社というものはそういうものです。退職を申し出たとしても、「あなたの代わりはいくらでもいる」とはっきり言われなくても、そうなっているのが普通でしょう。でもそういうわけにはいかなかったのです。実は前職でこの専門のサービスを造ったのも主にそれを担っていたのも自分一人でした。そして国内で同様のサービスを展開している競合他社ですら、この専門サービスを担当しているエンジニアは1、2名です。それくらい人材がいないのです。

先日海外のこの分野の専門会社各社の方々の話を聞く機会がありましたが、そういった方々がこの国にはほとんどいないのです。日本には、市場調査を担うマーケティングリサーチャー、最近増えてきているUXリサーチャーや、医療機器ではない一般製品の人間中心設計専門家などは、それなりに存在しています。でも医療機器のユーザビリティエンジニアリング/ヒューマンファクターエンジニアリングを専門とする人は多くありません。過去に外資の同業者の担当者から採用に困っていると聞いたことがありました。一番の理由は英語の能力とのことでした。日本語の情報が限られているこの分野においては英語は必要不可欠です。でもそれだけではありません。私が考える必要なスキルは下記の通りです。

  • 英語の能力

  • リサーチに関する知識やスキル

  • 人間工学・ユーザビリティ工学に関する知識やスキル

  • 医療機器のヒューマンファクターエンジニアリング/ユーザビリティエンジニアリングに関する知識やスキル

  • 医療機器法規制に関する知識

これらをすべて持つ人を探し出すのは大変なことです。この中のひとつふたつのスキルを有している人を教育するとしても時間と忍耐を要します。更に知識やスキルの向上に終わりはありません。これらは新卒採用で入社して、どこかの会社がまるっと教えてくれるものでもありません。この国には他国にあるような、この分野のコースを提供する大学も存在していません。人材紹介会社の方からも人材が殆どいない聞いたことのない分野だと言われました。私自身も別の分野から来てこれを担うようになり、様々な学びを経て今に至ります。先日、元FDAのHF審査官にお褒めの言葉をいただき、感慨深いものがありました。この分野のことを学び、担っていく人々がいなければ、人材は増えません。

でも一般的に、別の会社に所属すれば、また別の会社には所属できません。普通であれば、その所属する会社のためだけに、そのスキルを使うことになります。情報を広めていくことも、他の人に教えていくことも、これまでの働き方であれば、所属する会社の中でだけしていくのだと思います。それを今回は特別にこの人材が不足している状況にご理解をいただき、このような体制にさせていただきました。まず自分ができることは、自分が知っていることをお話していくことかもしれません。私の関与は限定的になるかもしれません。協力してくれる仲間達がいなければ成り立たないと思っています。でもそういった情報発信の場所や活動の場所が必要だったのです。

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