2024.4.6 日比谷野外音楽堂 The Street Sliders「Enjoy Moment」ライブレポート
【注意】
スライダーズの野音ライブレポートですが、やたらめったら長いうえに、このライブの曲目だけでなく、現在ツアー中の曲目や衣装にも言及しています。
知りたくない方は読まないでください。
仙台から午後の新幹線に乗って東京駅へ行き、Googleマップと直感で日比谷公園に到着。野音がどこにあるのか全然分からず、チューリップや桜や池の鯉を眺めつつ、しばらくうろうろと歩き回り「このまま遭難するのでは」と不安が過った頃、力強いドラムの音が聴こえてきて、無事に野音を発見。リハーサルの音漏れを聴いている人も多かったようですが、私はあえて聞かずに公園内のレストラン松本楼へ。昼食兼夕食を済ませ、化粧も直して午後4時50分頃、再度野音に向かいましたが、長蛇の入場列が出来ていたため、再び公園内をふらふら歩き回り、公園内で一番大きな木や宮崎県から貰った埴輪を眺め、開演の約十分前に入場しました。
日比谷野音は初めてでしたが、想像していたよりずっと広くてお客さんがびっしり入っていました。舞台の背景に、赤い円形のもの(何か意味のありそうな花模様入り)が四枚飾られていました。樹木で囲まれた野外の空気なんだけど、舞台の向こうに高層ビルが見えて、曇りとは言え日暮れの感もあり、不思議な空間でした。両隣の男性がそこそこの勢いでビールを飲んでいて(特に右の方はカレーパンも食べていて)こういうところで飲んだら美味しいだろうと思いました。(私はお酒をやめて久しいのですが、日帰り車移動でなければ久しぶりにちょっと飲みたいくらいでした。)
いつ雨が降ってもおかしくない空模様でしたが、どうにか持ち堪えました。
右隣の男性客「雨降らなくて良かったですね」
私「そうですね」
通路を歩いている男性、どう見ても黒いベトジャンらしき物を着ておるけれどまだ販売されていないはずだし…と謎でしたが、大森南朋さん達がベトジャンを着ているツイートを拝見して謎が解けました。(大森南朋さんは武道館はもちろん、豊洲に至っては自分でCD買って抽選当てて行ったそうで、めちゃくちゃ好きなんでしょうね。)
そうこうするうちに、流れるSEに会場中が手拍子と拍手。開演前の注意のアナウンスにも拍手。
ほぼ定刻通り、四人が登場
席がCブロック一列目と若干遠かったので、仙台のときみたいにアクセサリーや靴下の柄まで見ることはできませんでしたが、たぶん全員春ツアーと同じ衣装。唯一HARRYのスカーフだけは、仙台ではアンコールのときに身につけていたハリのある白っぽい生地に、青と黄色の模様のものでした。(詳細が知りたい方は、仙台サンプラザホールのライブレポートをご参照ください。)
HARRY「HELLO」
1曲目「SLIDER」
この曲のときは、HARRYの喉の調子も良さそうでした。
HARRY「どうもこんばんは、ストリート・スライダーズです」
2曲目「おかかえの運転手にはなりたくない」
この歌の途中でHARRYの声がしゃがれる。元々しゃがれ声だけど、もっとザラザラしているというか、かすれているというか…。
「Angel Duster」
正直なところ、HARRYの声が気になりすぎて「どうかライブが終わるまで喉が保ちますように」と祈ったくらいガサガサでした。
それでも普通に歌っているときと同じくらいはっきり歌が聴こえたのはテクニックによるものか、音響さんが頑張ったのか。こういう声質だと思って聞けば、これはこれでアリかも?と辛うじて思えるくらいの声。ソロだったら厳しかったと思いますが、やっぱり四人で演奏していると強いと思いました。
「Let's go down the street」
あれ?相変わらず声がガサガサのままだけど、HARRYちゃんと歌えている。このままイケるんじゃないか、と希望が出てきました。
「のら犬にさえなれない」
徐々に暗くなってゆく空と、かすかな風と、超ハスキーボイスバージョンのこの曲が妙に合っていて、人生は色々あるけどそれはそれで良いものだと思いました。
「Dancin’ Doll」
「すれちがい」
だんだん聴き慣れてきたのか、HARRYの声はこれはこれでありというか、本人が苦しくないなら、こっちの声の方が好みという人も多いかも、というくらいまで回復した感じでした。
「ありったけのコイン」
武道館の時、この曲で急にHARRYの声が出なくなった印象がありますが、その時に比べたら超ハスキーボイスながら声はしっかり出ていたと思います。あれだけガサガサなのに、なぜあんなにはっきり歌詞が聞き取れるくらいちゃんと聴こえるのか不思議なくらいでした。
HARRY「新しいのをやるぜ」
「曇った空に光放ち」
このあたりになるともう夜の暗さ。ステージの寒色の照明が大人のスライダーズにぴったりでした。
「ミッドナイト・アワー」
照明が一気に真っ赤になり、屋外であることを一瞬忘れそうになりました。ふと周囲を見ると、暗い樹々の後ろに灯るビルが見えて、特別感がありました。
もうHARRYの声は気にならなくなって、普通に楽しんでいました。
「カメレオン」
サイケデリックな模様の照明がステージを彩ります。
会場全体が揺れる、隣のお兄さんも揺れる、私も揺れる揺れる。HARRYと蘭丸のワンマイクボーカルは何度観ても尊いですね。
ここまでは今回のツアーで演奏していた曲目。
その後、やたら力強いアップテンポのZUZUのドラムが始まったかと思うと、JAMESボーカルの「ROCK ON」
WOWWOWの録画だとそこまででもないけど、会場で聴いているときは、何事が始まったかとドキッとするくらい力強いドラムでした。
客席もどよめきが起こりました。
昨年来、ライブで演奏するJAMESボーカルの曲というと「HELLO OLD FRIEND」がお決まりで、「ROCK ON」やってほしいなあ、と思っていたので嬉しかったです。
ZUZUのドラムの力強さと安定感は素晴らしいですね。コーラスはありませんでしたが、HARRYと蘭丸のツインギターならではの掛け合いも堪能できて大満足です。
HARRY「次は公平が歌うぜ」
で、蘭丸ボーカルの「ロックンロール・シスター」
蘭丸ボーカルの曲も「天国列車」か「Out door Man」のどちらかという印象で、他の曲が来たのが嬉しかったです。
ツアーの仙台公演のときも思いましたが、蘭丸は一頃に比べると随分痩せてスッキリして、美少年時代の面影が戻ってきた気がしました。
この曲の時は、HARRYがコーラスしてました。個人的には、次があるなら「Day Dreamer」やってほしいです。
ちなみに私の右隣のお兄さんは蘭丸推しだったようで、声援を送っていました。
ここでホーンセクションのお三方が蘭丸側の舞台袖に登場。ホーンセクションの方々の紹介とか、特に何もないあたりがスライダーズらしいと思いました。
「OH!神様」
この曲をライブで聴いたのは初めてかも知れません。夜の公園にホーンが響き、ざらついたHARRYの声が重なり、時おりかすかに風が顔を撫で、右隣のお兄さんは缶ビール片手に踊り、その気だるさが気持ちよかったです。
照明の加減なのか、背景の赤い円形の飾りが、大きな赤い月のようでした。
「BADな女」
これは非の打ち所がない格好良い曲だと思うのになぜかライブで演奏しているイメージがないのですが、ホーンが必要だからですね。黒くてギラギラしていて、都会の真ん中で夜桜が満開の大きな公園にふさわしいゴージャスで色っぽい演奏でした。
HARRY「じゃあ、ラストね」
私「ええー」
右隣のお兄さん「まだまだー」
「Back to Back」
この曲もホーンが入ると、迫力が増しますね。たぶん、この日一番の盛り上がり。右隣のお兄さんが缶ビールを掲げて、舞台上のメンバーと乾杯しているかのように、実に気持ち良さそうに踊ってました。
その後、メンバーそれぞれ手を振りながら退場。
しばらく無心で手を叩き続け、やがて四人が再登場。HARRYのスカーフが濃いピンク(薄い赤?)に変わっていました。
「いつかみたかげろう」
夜の野外で聴くと一段としみじみしますね。
HARRY「じゃあ最後に『風の街に生まれ』」
「風の街に生まれ」
この曲はスライダーズ楽曲の中でも一番前向きというか、押し付けがましくない程度の希望があると思うのですが、今後のスライダーズに期待を持ってもいいのだと思わせてくれる演奏でした。
曲終わりに「サンキュー」と天を指差すHARRY。
その後、メンバーそれぞれ手を振ったり、お辞儀をしたりして退場。
HARRYは客席を一人一人指差し、蘭丸と肩を組み、退場しました。
日比谷野音でのライブは初めてでしたが、大都会の真ん中でそこだけ樹木に囲まれた公園で、灯りのついたビルを横目に、緑の夜風を感じながらのライブは、スライダーズにぴったりのロケーションで最高に素敵でした。