佐藤涼子

所属結社:塔短歌会、澤俳句会、蒼海俳句会 超結社で参加:アルデバラン歌会、仙臺俳句会 販売中の本:歌集『MidnightSun』(書肆侃侃房)、合本『3653日目〈塔短歌会・東北〉震災詠の記録』(荒蝦夷)

佐藤涼子

所属結社:塔短歌会、澤俳句会、蒼海俳句会 超結社で参加:アルデバラン歌会、仙臺俳句会 販売中の本:歌集『MidnightSun』(書肆侃侃房)、合本『3653日目〈塔短歌会・東北〉震災詠の記録』(荒蝦夷)

最近の記事

塔十月号作品2三井修さんの選歌欄から五首選

塔短歌会のメール歌会に参加しているのですが、私のメールアドレスは迷惑メールフォルダに分類されがちです。新たにJ:COMのメールアドレスを取得したのですが、Webページを開かずにメールを読む設定の仕方がわかりません。というか、J:COMのメールアドレスは迷惑メール扱いにされないのかもわかりません。というか、ウェブメールでないメールアドレスってどうやって取得するのかもわかりません。 塔十月号作品2三井修さんの選歌欄から五首選んでみました。 好ましき花咲きおれば残しおく雑草にま

    • 塔十月号作品2永田淳さんの選歌欄から五首選

      二年数ヶ月かけて約十キロ痩せました。七キロまでは運動と食事に気をつけてコツコツ痩せたのですが、ラスト三キロは体調不良で一気に痩せました。最近、顎関節症が悪化したのですが、整体の先生によると、一気に痩せたせいで腕や首の凝りがひどくなり、その影響が大きいようだとのことでした。とはいえまた太るのは嫌なので、筋肉をつけようと思います。 塔十月号作品2永田淳さんの選歌欄から五首選んでみました。 許さずにいる体力の足らぬこと優しいなどと称されている   山桜桃えみさん 聞き返すこと

      • 須田覚歌集『デカンの風がやむとき』

        須田覚さんの第二歌集『デカンの風がやむとき』読了。第一歌集『西ベンガルの月』はインド駐在の日々を描いていましたが、この第二歌集ではコロナ禍でのインド出国、再駐留、帰国等と色々起こっています。そのせいか、意識や自我が混沌としている状態で書かれたとしか思えない作品もありました。→ →須田覚さんの『デカンの風がやむとき』の中で私が惹かれたのは、自分がインドと日本の狭間にいて、ひたすら仕事をするしかない立場であることの焦燥感やもどかしさや悲哀、さらには諦念を描いた作品群です。好きな

        • 塔十月号作品2山下泉さんの選歌欄から五首選

          塔十月号作品2山下泉さんの選歌欄から五首選んでみました。 毎月塔誌を読んでいると「この人こんなに上手だったっけ」と目を疑うくらい上手くなっている方がたまにいますね。 暑き夜にめざめて食べるところてん辛子のチューブぺこぺこ振って   百崎謙さん そうめんに茗荷と大葉買いたせり体内歴の誤差の補正に   中澤三千男さん 君がいた夏は私にないけれど君にいてほしい夏はあったよ   平田あおいさん 会堂の戸口に立てる朴の木の薄き香ながれ始まる礼拝   富田小夜子さん キダタロー

          塔十月号作品2梶原さい子さんの選歌欄から五首選

          定年退職記念に第一句集か第二歌集を出したいと思っていましたが、それまで待ちきれないので、3年後の永年勤続記念にあわせてどちらか出したいです。3年後も私が現在の仕事を続けていて、短歌か俳句かどちらかを続けていれば、続けている方の作品をまとめて本にしたいです。短歌と俳句のどちらもやめているとか、そもそも仕事をやめている可能性も大いにありますが、万一、仕事も短歌も俳句も全部続けていたらどうすべきか悩ましいところですね。 塔十月号作品2梶原さい子さんの選歌欄から五首選んでみました。

          塔十月号作品2梶原さい子さんの選歌欄から五首選

          塔十月号作品2岡部史さんの選歌欄から五首選

          身めぐりのあれやこれやが忙しく、正直なところ、短歌や俳句どころではないと思いつつ、どうにかこうにか続けています。というより、スパッと綺麗にやめるだけの気力や体力が残っていません。 塔十月号作品2岡部史さんの選歌欄から五首選んでみました。色々やめて楽になろうと思ったら、この選歌は真っ先にやめるべきなんでしょうけれどね。 夕立は予報どほりに降りだして消失点のその先へゆく   近藤由宇さん いつだって遠くばかりを考えてわたしの靴も鳩も濡れてる   月下菜乃子さん 蒸し暑い昨

          塔十月号作品2岡部史さんの選歌欄から五首選

          塔十月号若葉集から五首選

          塔十月号若葉集から五首選んでみました。水谷千代子さんや潮未咲さんは毎号チェックしようと思います。(まあ全員読むことは読むんですけどね) きみのこと過去形にする教室の窓から見える花のない木々   大林幸一郎さん 時々は立ち上がれないこともある風呂がわいたとわかっていても   水谷千代子さん あなたから海を奪ふと決めたのにまだ灯台を壊せずにゐる   藤田ゆき乃さん 花の名になってあなたに呼ばれたい 気を失うほと明るい朝に   潮未咲さん 合ひさうもない周波数一ヘルツづつ

          塔十月号若葉集から五首選

          江戸雪歌集『カーディガン』

          江戸雪さんの歌集『カーディガン』読了。お父様の看取りやお母様の介護を背景とした作品が多く、身につまされました。また、とかく自分の肋骨を意識している歌も多く、主体が胸部に何らかの疾患が抱えていることが察せられます。 介護や病気をめぐる短歌は病床日記のような哀れな報告調になりがちですが、江戸雪さんの『カーディガン』は日記や作文ではなく、あくまでも詩歌であろうとする矜持を感じる歌集でした。好きな歌をいくつか紹介します。 流れたり崩れたりする安らかさ水はひたひた夜明けに匂う   

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          塔九月号月集から六首選

          塔九月号月集から六首選んでみました。ていうか、春巻の中の春雨ってなんでしょうね。 都合よく焼けてしまつた史料なども根拠にあげて躊躇はなし   真中朋久さん   躊躇=ためらひ ヨシキリの声が聞こゆる生者また死者が憩える古墳の丘に   三井修さん 春巻の中の春雨感じてるあいだにいっぽん電車は行きぬ   相原かろさん ヨーグルトにメープル鈍く光らせてこの指はまだ私の指だ   川本千栄さん 嘘ばかり日記に書いていた頃の僕がホントの僕だった頃   貞包雅文さん お気の毒な

          塔九月号月集から六首選

          塔九月号作品1村上和子さんの選歌欄から五首選

          塔九月号作品1村上和子さんの選歌欄から五首選んでみました。 つなぐ手を夫は払ひて「ここでまう」ふり返りつつ病舎に向かひぬ   新谷洋子さん 御手にもつ蓮の曲線なだらかに菩薩の御身はかすかに傾ぐ   加茂直樹さん ここはマクドナルド、それもあちこちに造花を飾るタイプの、マクド   廣野翔一さん 接触事故の目撃者探す看板がまたある日時はペンで書きこまれ    春澄ちえさん 疲れると十円玉がふえてゆく財布のなかは頭の中身   山名聡美さん

          塔九月号作品1村上和子さんの選歌欄から五首選

          塔九月号作品1山下洋さんの選歌欄から五首選

          塔九月号作品1山下洋さんの選歌欄から五首選んでみました。 きたかみの鬼に角なしみ仏の化身となりて悪鬼を祓ふ   斎藤雅也さん この部屋にいま六人の女あり患者が四人看護師ふたり    故与儀典子さん そよがない花と木の写真が天井に大きく映るリニアック室   吉田淳美さん 真剣なはなし聞きつつ持ち上げたグラスについてくるコースター   田村龍平さん 泳がせます見学させます保護者には使役動詞の選択つづく   矢澤麻子さん

          塔九月号作品1山下洋さんの選歌欄から五首選

          塔九月号作品2永田和宏さんの選歌欄から五首選

          塔九月号作品2永田和宏さんの選歌欄から五首選んでみました。 酔ひどれの父があたしを殴る隙に母は逃げ去る弟を連れ   橘杢さん 言わずとも済むこと敢えて言わないでシュークリームにフォークを入れる   山口淳子さん ガレージのダンボールより転げおちし椿象ふたつ ためらわず踏む   相本絢子さん 客席に飛び込むファールボールとか君からしたら僕はそんなで   杜崎ひらくさん たいていはお詫びとともにやってくる五月雨式という言の葉は   谷活恵さん

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          逢坂みずき歌集『昇華』

          逢坂みずきさんの歌集『昇華』読了。主体は地元を離れて進学・就職した後、実家に戻って家業を手伝う生活を送っているのですが、地縁・血縁社会である地元の価値観に強い違和感を抱きながらも家族を嫌いにはなれない葛藤を感じました。一方、主体の恋愛や性愛に対する拒絶感の強さも印象的でした。 逢坂みずきさんの歌集『昇華』の中には「結婚はしたいけど恋愛はしたくない」「生きづらさにリスロマンティックと名が付いた」というような内容の短歌が随所にあり、血縁によって一族を維持することを求められる社会で

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          塔九月号作品2花山多佳子さんの選歌欄から五首選

          塔九月号作品2花山多佳子さんの選歌欄から五首選んでみました。河野さんのは、元ネタである中原中也「北の海」を知らないと面白がれないかもしれません。ちなみに、個人的には、内示が発表されるまで自分がどこに飛んでいくのか見当もつかない職場にいるので、丸山さんのを読んで「確かに言われてみれば、転勤に拒否権がある職場もあるんだな」と思いました。でも、丸山さんのを読むと、良いも悪いもなく内示が出たところに行く方が、私の性分にはあっているかもしれません。 アメリカのおほきな蛍が窓を打つはか

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          塔九月号作品2前田康子さんの選歌欄から五首選

          塔九月号作品2前田康子さんの選歌欄から五首選んでみました。吉田さんのは入院中の叔父さんのお見舞いに行った一連です。 いる場所のまだなく職場 砂浜に円描くように机を拭きぬ   初夏みどりさん 三色ボールペンの垢ばかり減る先生という役割をもち   杉田菜穂さん 定型を少し外れた六文字の花の名前を君に教わる   真栄城玄太さん 少しだけ捨てたきと思うこともあり捨てることできず七年忌迎う   比嘉道子さん 疲れぬやう一つだけ見せるユーチューブ阪神優勝瞬間シーンを   吉田達

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          塔九月号作品2永田淳さんの選歌欄から五首選

          塔九月号作品2永田淳さんの選歌欄から五首選んでみました。 帰りくることのなき道を母とゆくもうつけぬほどの嘘を伴いて   小野まなびさん アルバムの君の写真のまじってるビールの記録も結構好きで  妹尾歩さん 引揚の途次に亡くなりし妹らの「死亡届失期不處罰」の書ありき   森田忠臣さん いつか見る骨を思ったカフェオレの水平線を匙で乱して   榎本ユミさん 悲しみの語彙とほざかる十二年あなたの通夜に螢が飛んで   赤岩邦子さん   通夜=つや

          塔九月号作品2永田淳さんの選歌欄から五首選