見出し画像

【精神】障害者手帳と生きていく私

いつも通り徒然とした随筆ですが、多少の情報源にもなればと思い、精神障害当事者として活用している支援制度や、申請のことなど書いてみたいと思います。
世界メンタルヘルスデーということを知り、急いで書いています笑

精神の障害者手帳、『精神障害者保健福祉手帳』

最近、東京都の障害者手帳に切り替えた。7月末に申請を出して、11月になると言われたが、思いのほか早く届いた。
前住んでいた自治体より見た目もかっこよくて、提示しやすい気がした。

障害者手帳にはいくつか種類がある。
・身体障害者手帳
・療育手帳(愛の手帳など)
・精神障害者保健福祉手帳
この3つを総称した一般呼称として「障害者手帳」というらしい。
身体と療育については見聞きすることがあったが、精神についてはこんな呼称なんだ、と申請を考え出したときになって初めて知った。
それぞれ各障害にかかる法律に基づいて、各自治体ごとに認定や交付が行われ、精神障害者保健福祉手帳は『精神保健及び精神障害者福祉に関する法律』を根拠としている。

精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定し、精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、様々な支援策が講じられるものであり、支援策は自治体によって異なる感じ。
身体とかもそうだけど、障害等級っていうのがあって、精神は1〜3級。

1級: 精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級: 精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級: 精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

厚生労働省「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス 総合サイト」より

私は昨年12月に双極性障害として、精神障害者保健福祉手帳を障害等級3級で取得した。3級は等級の中で最も軽度で、主治医からも取得できるかギリギリのところだと思うと言われていた。
それでも手帳を取得し、活用してみたいという思いが強く、申請手続きをすることにした。
役所の窓口の人には大抵「使う事ありますか?」と聞かれるのだが、丹念に調べると使えるんだなこれが!!(でもなんかこの聞かれ方に毎度モヤっとする)

手帳を活用① さまざまな施設の入場料支援

まず私の場合、研究に欠かせない取材として、美術館や博物館に行く機会がそれなりにある。必要経費であるが、最近の美術館は特別展などは2000円台の入場料もあり、度肝を抜かれる。
そんな時に受付で手帳を提示することで、私(当事者)と、付き添い一名の入場料が無料になる。
このシステムになっているところは非常に多いので、とても助かっている。
ただ、一人で行く時はいいが、友人など誰かと行く際は提示することが障害をオープンにすることにもなるため、葛藤はある。
基本、両親と、友人数名以外にはクローズドにしているため、持ち歩いているが、気軽には出せない。今のところ。

手帳の活用② 障害者控除

これはかなり大きな活用ポイント。
私、昨年度まで大学の助手ということで、業務委託の扱いだったため、個人事業主として確定申告をしたんです。
で、初めて手帳を発行したのが昨年12月。ギリギリ間に合ってます!
令和3年分の確定申告の際に、障害者として27万円分の控除を受けることができました。
・・・にしては還付金が少なかったので、己の会計事務能力の低さを痛感。
今年度4月からは常勤教員として雇用されたが、その際の大学本部への提出書類でも障害者控除の項目をチェックし、年末調整などで反映されるよう提出している。
この時、私は研究室や大学の内部の人達(教員)には障害についてクローズドにしていたため、事務の係長に「研究室には伝わらないようにできるか」と確認をとるなど、少し気を揉んだ。
研究室の常勤教員達には「持病がある(プライベートなので伏せます)ので、継続的な通院などありますが、支障はそこまでないと思うので大丈夫ですか」とやんわり了承をもらっている。
めっちゃ通院してる。よかった。

手帳の活用③ 精神障害者都営交通乗車証

また、手帳を取得した当時の自治体では、鍼灸などの治療院の割引チケットがあったが、これは資料が見づらく、近場で行きやすそうな対象の治療院を見つけることに骨が折れた上、そもそもの施術費が高くてぐったり来てしまい、追加のチケットはもらわなかった。
それに対して東京都では、『精神障害者都営交通乗車証』という、都営交通(都電、都バス、都営地下鉄及び日暮里・舎人ライナー)の全運行区間を無料で利用できるというすっごいカードを発行してくれます。

2024年まで使えるの!?更新苦手だからありがて〜!

特に、都バス・都営地下鉄は乗ることがあると思い、早速申請窓口へ。手帳を提示し、必要書類に記入するだけで作れます。
500円でPASMOの形でも発行してもらえます。これなら、財布やパスケースに入れたまま、人に見られずに使えます。チャージいらないんですよ。すごい。
これを発行した暁に、これまで使っていたSuicaをモバイルSuicaにしようかと思っています。
いっぱいあると分からなくなるので...
しかしこれ、都営地下鉄の場合、メトロとの乗り継ぎやJRとの乗り継ぎの際はどうしたらいいんだ...?
このPASMOにチャージってできる?
これについては導入したてなので、お詳しい方がいらしたらご教示ください...

手帳の活用④ 他にも使いたい支援

東京都の支援で他にも気になるものがありました。
それは『東京都障害者休養ホーム事業』です。
私は双極性障害ではあるが、幸い躁が激しくて入院した経験はない。
そもそも交通事故で入院していた際に精神疾患を発症はしたんだけど、それはとりあえずノーカウントで。

障害者(児)が家族や仲間とくつろげる保養施設を指定し、この施設を利用した人の宿泊利用料の一部を助成する制度です。

「東京都福祉保健局 東京都障害者休養ホーム事業」より

これすごくないですか?
1人あたり年間2泊まで、
1泊あたり
障害者 大人6490円まで 子供5770円まで
付添者 大人3250円まで
の助成が出るんですよ。
しかもこの保養施設が、ホテルとか旅館なの。
つまりさ、これって「超健やかな入院」じゃない?
あーしんどいかも、しんどくなっちゃうかも・・・って時や、
年に1〜2回は休養しようって決めたりして申請すれば、
強制的に温泉とか入って療養できるってことでは。
これはうまく使えば、急にガーンと落ちずに、安定できたり、
普通のホテルとか旅館だから「旅行」みたいな感じであくまで社会的に療養ができる、みたいな構造がなんか・・・気持ちが楽かも、と思いました。
入院したくてもなかなかできないしね・・・

手帳と同時に(または手始めに!)、自立支援医療制度を活用しよう

そしてこれは手帳と同時に(手帳取得よりも遥か前から)使っている制度として、自立支援医療(精神通院医療)があります。
通院による精神医療が継続的に必要である場合、特定の通院医療に係る自立支援医療費の支給がされ、実質1割負担とかになります。

私の場合、学生の頃は精神的にも金銭的にも余裕がなく、この制度を使う前は、辛うじて病院に行けても、薬局で支払うお金が無い!後日別の薬局で処方箋出せばいいか、と思って帰るともう予定立てられなくて処方箋の期限が切れる、薬も無くなる、寝込む、もう無理、、みたいな酷い状態だったので、1350円が450円になることがどれだけありがたいか・・・!
ぶっちゃけ申請は面倒だし、更新忘れると大変です。
しかし、絶対やったほうがいい!
各自治体の役所の障害福祉課的なところに行って、手続きするんですが、持参が必要なもの(印鑑、マイナンバーなど・・・)があるので、調べるなり電話で聞くなりしてから行ってください。
これ不備あると(せっかく来たのに・・・)ってなって、まじバッド入ってしまうんで・・・心大事に。

最後に 〜発達もいけるよ!〜

今まで書いてきた『精神障害者保健福祉手帳』と『自立支援医療(精神通院医療)』は、一個言っておきますが、発達障害も含みます。
手帳の方は発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)も含まれ、
自立支援医療制度も、心理的発達の障害(F8)として含まれています。
躁鬱など気分障害や統合失調症といった精神障害はASDやADHDなどと関連も深く、
私自身も(これはただの躁鬱ではないのでは・・・?)と思い、発達検査を受けたことがあります。
結果としては診断はされませんでしたが、IQ値のばらつきは多少あり、ADHDの傾向は少し見られるということでした。
特に私が学生時代を過ごし、今勤務をしている美術大学では、ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向があるかな〜とか、自閉っぽかったり、神経質すぎるほどの行動が見られたり、感受性が高いHSPの傾向も感じる、とさまざまなケースを見ることがあります。
彼らの表現や制作が、研究が、健やかに続けられるように、自分はクローズドながらもできることをしたいな〜とは思います。

まあその前に自分の、パワハラとか脅かされている心身の健康をなんとかせねば・・・


久しぶりに長く書きましたが、これらの交付に辿り着くまで、
また、手帳があっても活用するまで、なかなか骨が折れました。
PASMOだって、発行してる駅の窓口に行く機会を作るだけでヘトヘトになったし・・・
あとはやはり主治医にこういう支援を受けたいって主張できたり、
勧めてくれたりという関係性がないと始まりません。
なんにせよ診断書ってやつが要るから・・・
これがまた高いんだ・・・
なんで支援を受けるために5000円とか8000円とか払って診断書を発行しなければならんのか。
なんで〜教えて〜
超頑張ったよ。困ってるのに支援が遠いんだよ。果てしねえよ。
発達検査を受けたときにカウンセリングしてもらった心理士さんにも
「よく・・・ご自身で・・・ここまで辿り着きましたね・・・」と言われた。
支援側の門戸の狭さを感じた、課題だ、と言っていました。

気がつけば10月10日、世界メンタルヘルスデーが過ぎてしまったのだけど、
ご自愛していこうね。
PASMOのこと、ぜひ教えてください。
他にも最近は自助グループ系の支援団体、当事者の会なども調べている。
私ができる発信はしたいし、情報も欲しい。

今日はとりあえずいっぱい寝ます!
オープンにしてる友人から勧められたメラトニンを試します。
おやすみなさい〜

いいなと思ったら応援しよう!

限りなくうすい希望をポッケにいれる
サポートしてくださると、研究、制作、生活の肥やしとなります。うれしくなります。