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ゾルピデム禁忌改定と「寝ぼけ」の時間の思い出

先月かな、Twitterで睡眠薬「ゾルピデム」の禁忌が改定されたというツイートを見た。

ツイートの画像はおそらくファイザー社のゾルピデム酒石酸塩錠における「使用上の注意改訂のお知らせ」の2022 年 7 月改定版かと思うんだけど、
私も昨年2021年6月までゾルピデムを飲んでいたので、おっ!と注目した。

私が飲んでいたのは製造が明治だったので、そちらもチェック。
2022年7月改訂版、出てましたねえ。

警告
本剤の服用後に、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊
症状等)があらわれることがある。また、入眠までの、
あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことが
あるので注意すること。

ゾルピデム酒石酸塩錠5mg「明治」.pdf

禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.〜4. 省略
5.**本剤により睡眠随伴症状(夢遊症状等)として異常行動を発現したことがある患者[重篤な自傷・他傷行為、事故等に至る睡眠随伴症状を発現するおそれがある。]

ゾルピデム酒石酸塩錠5mg「明治」.pdf

この「警告」および「禁忌 5」の症状・・・!
まさにこれが私にとってのゾルピデムだった。

ゾルピ(ゾルピデムを愛称して)はマジで自分の躁鬱と共に歩んできた入眠剤だった。
今年の5月にこれまでの精神科関連で処方された薬の記録をスプレッドシートで作成していたので、それを参照すると、2017年7月に今通っているクリニックに初めて行った時から、先述したように2021年6月まで、しめて4年間、私はほぼ毎日ゾルピ飲んでいた・・・ことがわかる。
この間、通院もままならなくなり薬が飲めていなかった時期もあるし、なんなら処方された分を次回の通院まで毎日欠かさず飲みきれるようになったのは本当にここ1年くらいなのではと思う。

でもとにかく私は不眠だったので、ゾルピに頼ることは多かった。
不思議な薬で、飲んでからとろ〜んと眠くはなるが、何か急に躁状態に近いようなクリエイティブな気力が湧き、何か作っては力尽きて、パタリと急に寝てしまう。
クリエイティブな時間は大体翌朝には記憶があまりなく、残された産物を見て(何しとん・・・)と奇妙に思ったり、面白がったりしていた。
まさかこれが副作用の「夢遊症状」であるとは知らずに・・・!

私は幸い、楽しい夢遊症状を起こしていたので、命は取り留めているが、
ヤバイ奇行もたくさんあった。
ヤバくない事象としては、以前書いた記事の ~夜に歌う歌 がまさにそれ。

この時期はゾルピの副作用である夢遊症状を「寝ぼけ」と呼んで、その時間を慈しんでさえいた。
ヤバイ奇行として覚えている限りでは、火器の取り扱いですね。マジで・・・
今もう服薬をやめ、今後飲むことはないだろうから、この際言います。
生きていてよかったよ。
木端にドローイングを貼り付けたものをライターで焦がしたり(しかもラグとか敷いてあるリビングで!マジでやめてほしい。火事になったらどうすんの・・・)、家から飛び出しちゃったこともある。寝巻きで。スマホは持ってたかな。あれがどこだったかもわかんないけど、どこか近隣の線路脇の駐車場みたいなとこにいた気がする・・・
まさに「睡眠随伴症状(夢遊症状等)として異常行動を発現」してませんか・・・これ・・・いかんでしょ。
結果的に奇行を散らかして、パタっと寝てるから、効いてるもんだと思って自覚もなく、主治医にも止めることになる2021年6月まで話したことがなかった。

ではなぜやめられたのか?
疲れたんですよね、この入眠の手順?に。
なんで一回ハイにならないと寝れないんだ、そのまま寝たいんだけど。とか、大学院を出て働くようにもなっていたので、奇行をするのも疲れるんですよ。あと覚えてないことを朝発見しても面白がれなくなってきて、なんかこれ違くない?ってようやく疑問が持てたんですよね。
遅すぎるだろ・・・と思うんだけど、学生時分は通院するのもやっとで、気持ちも余裕なかったし、自己分析・自己理解なんて自分には手が届かなかった。だから、処方される薬を調べて理解しようということもできなかったし、もっとこういう薬はないのか、とか診察の中での対話も少なかった。
昨年やっと、「ゾルピ服薬直後〜入眠までの間、もうろうとしたまま行動が活発になる・夢遊症状・興奮などの症状が出ていて、それが疲れるし怖い」という相談をすることができ、主治医も即中止、変更の対応をとってくれた。

それからいろいろな眠剤を試しては所感を報告し、自分の見解(これはいい気がする、でも調べたらこんな副作用が書いてあるけどどうなんだ、とか)も言えるようになって、眠剤以外でも、主治医と薬のあーでもないこーでもないの言い合いができるようになった。
勉強の賜物〜〜〜〜〜!!!涙
2016年からの薬の記録スプレッドシートを作成するために、お薬手帳3冊分を読み返しては、
・通院日
・通院先
・薬の名称と量(ゾルピデム酒石酸塩錠5mg など)
・1日あたりの服用量
・薬の説明(自分がわかるように)
・そのときの状態
を細かに入力し、新規で処方された薬には★をつけ、
○気分安定薬・抗精神病薬の部類。上下からサポート系?
○抗うつ薬。下から上げる、支える系。
○睡眠薬の部類
○漢方
に色分けまでした。
この表がマジで役に立ってる。自分が多少理解度が上がっているから、抗うつ薬の使い所も「え〜でも躁転しないかなあ」とかツッコミを入れてみたり、飲んでるそれぞれがなんの役割を果たしているのかがわかってきたから、ちゃんと次の通院日まで毎日服薬できるようになった。
主治医も私の見解を聞いてそういうことならこの組み合わせはどうか?こういう効能のバランスを考慮しているよ、と解説してくれるようになった。

マジ何年の付き合いなんだよ、って感じだけど、ようやくこの双極性障害や身体、気分、そして主治医とみんなとまともに対話ができるようになってきた気がする。主治医とは目的をもって話せるようになってきたし、疾患・障害や自分の体調とも少し会話?というか、「今どんな感じ?」「しんどいか〜。え、そこが痛い?それはまた案件だね。とりあえず逃げて休もうか」みたいな声を聞くような余裕を持てるようになりつつある。
無理な時は何にも聞けなくなって癇癪起こしてぐちゃぐちゃですけど・・・
ぼちぼちね。

いや〜ほんと、「副作用がはっきり出る薬ほど効いてんだよね」という主治医の名言があったのだけど、ゾルピデムにしろ、オランザピン※ にしろ、ラモトリギンにしろ、よくやってくれますよ。
薬ってこんな小さな錠剤でバチコリ体に出るんだなと笑
※オランザピン(双極性障害治療薬)の副作用については、マガジン「原理主義者の献立帳」にちょこちょこ書いてます。(これもイカれたように食パンを貪りすぎて1ヶ月で5kg増えたうえに胃が死んだのでもう飲むのやめた)


精神科治療中のみんな〜!
めんどいし多分気力もないけど、処方された薬が何なのか、どんな副作用があるか、調べてから服用していこ〜!!
いやまじめんどい時はせめて薬局で、「なんかこういう症状で出してもらったんすけど、何の薬とかよくわかんないんで教えてください」とか言えば薬剤師さんの方が的確に副作用含め教えてくれるかも。
最近は薬局でもらうときに、「最近こんな感じで、こういう効果狙ってこの薬でいってみようって上(クリニック)で話したんですよね」と言って、「確かにこういう効果あるからいいと思うけど、こういう症状出たらすぐ言ってくださいね」とか情報をマッチングさせてます。
薬剤師さんすごい。
あとは、話す気力とか無〜って時は「くすりのしおり」も便利。

普通に薬の名称をGoogleに打ち込めば出るんだけど、患者向けや医師向けや色々出てくるし、もうこのサイトブックマークしとく方が楽になってきた。
印刷できたり、データとして保存できたり、英語版があったり、充実してるので。

薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。そのために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。

くすりのしおり

いい言葉ですね。
でも今ゾルピ(明治)のページ見たら、禁忌改定の内容更新されてなかったね笑
笑っちゃダメなんすけど。やっぱ多角的に情報は得たほうがいいね笑

最近また新メンバー(薬)出てきたし、
引越して新しく行った婦人科で抗精神病薬系との飲み合わせでまた診断書が必要になったり、
てかさ、普通に病院とか罹る時の問診票に薬全部書くのめっちゃだるいよね。「別途お薬手帳参照」とかでいいのかな・・・

日々リスク追いまくって身を削りまくってるおれたち、
明日もどうか生きていこうね。
(久しぶりにガッツリ夜更かしだよ、しんど)

今は私、デエビゴで悪夢無く寝れてるよ〜。さっさと飲んで寝るよ。
おやすみなさい。

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