ドイツの木の実たちを優しく生かす
9月は海外に行っていた。
ドイツとイタリアの旅だ。
友達もいて、恋人もいて、みんな優しくて
若くて、ほかほかした旅。
帰国した次の日、わたしは一人暮らしのアパートで
ドイツで拾った(どんぐりや栗といった)木の実の煮沸処理をしていた。
旅先で葉っぱを拾って押し葉にしたり
実を拾って飾ったり集めたりすることが好きなのだ。
それを楽しむためには、ほんのちょっとの気を使った保管が必要だったりするのだ。
持ち帰ってからの煮沸処理に至るまでにも
やることがちゃんとあって。
まずはここから。
① 木の実を拾う
ただ拾うのではない。欲しいものを拾うのだ。
どんぐりの木の下をゆっくり歩いて、好みのサイズ、色、形のどんぐりを見つけ、見つけたら、それが保管に適しているか吟味する。
泥を手で落として、虫の穴がないか、腐ってないか、割れていないか、
よく撫でて確認する。
ちゃんと触って確認できるくらいのものはわりと大丈夫。
穴があいていたらなるべくその地にバイバイしておく。
腐葉土になっておくれと。
たまになでなでして確認するのがむつかしいタイプもいる。
実を包んでいた殻なんかはだいたい汚いし腐っているのか食べられているのか、割れてボロボロなのか、症状固定しづらい。
そんなやつもとりあえず手で触れそうなら大丈夫。
気持ち悪、ってなったらやめておいて。
汚かったり湿っているものはキッチンペーパーみたいな紙に包んでおいて、
ほかの木の実もろともジップロックに入れてお持ち帰りする。
ジップロックは二重くらいする。
わたしは虫が苦手なので、なるべくお会いしたくないので、どんぐりを拾う段階はとってもナイーブ。
② 木の実の煮沸処理
家に持ち帰り(っていっても旅行中だったのでかなり時間が経っている。封印されている。)それぞれの木の実の現状を確認。
拾った時から大きな変化はないか。虫は出てないか。傷んじゃっていないか。
だいたい大丈夫であれば、
小さいミルクパンに水を1カップくらい入れ、
沸騰させていく。
ふつふつしてきたら木の実をいれる。
わたしは栗、栗の殻、どんぐりの順で入れました。
どんぐりは繊細だからね…
大きさもまちまちだったので
とりあえず5分くらいの煮沸時間で様子を見ようと。
注意するのは、どんぐりが割れてきちゃうこと。膨張するから。
3つ中2つ割れ目が出来てしまいました。
でも、虫はこれでもうおらんやろ…という希望もある。
だいたい全体的に6分くらいの煮沸でザルにあげました。
煮沸したら、帽子つきのどんぐりが帽子脱げてて焦りました…。被せました。
③ しっかり乾燥
茹でただけなので、虫はいなくなったと思いますが、保存するためには拾ってきた時のような、あのカラッとしたコロッとしたどんぐりに戻したい。
そこで平たいお皿にキッチンペーパーを敷き詰めて等間隔で
どんぐり どんぐり どんぐり
くり くりの殻 どんぐり
という感じに広げておく。
それを部屋の日当たりの良いところ
(わたしだったらキッチンの窓際、換気扇もつける)
に置いて1日放置。
そうしてやっと、野外で拾った木の実たちが生活の中に溶け込みはじめるのではないか。
これからも
こういう丁寧な形で、
物事の余韻に浸っていきたい。