見出し画像

【詩】燠火

燠火


重い隧道を潜るたびに

命は火を散らしながら

紛い物の脆い光明に

容赦なく引導を渡し

奥深い暗闇の中から

悲しい真実の欠片を

情を込めて手に取り

迷える者の道標として

淋しい夜空に浮かべ

数多の悍しい星よりも

何も残らなくなるまで

暗涙のように輝かせる


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?