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【R18•詩】濡れそぼつ月

濡れそぼつ月


妖光を発する錆びた刃で

左手の中指を斬り落とし

滴る血で欠けた月を染める


本能を擽る香りに誘われ

渇望に侵された亡者共が

紅い月の下で犇めき合う


腐った涎を撒き散らし

口づけを交わすが如く

共食いに花を咲かせる


嗤いと呻きと嘆きの声が

大義のために重なり合い

姦邪の集合体が再誕する


隔離されていた世界が歪み

光明のない空間が軋み

暗闇から生と死が押し寄せ

天地晦冥の時代が胎動する

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