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追憶の世界「蜘蛛の巣」(1)

「久しぶりだなクマちゃん」

僕がこう声をかけたのは同級生の熊田だ
熊田は567禍で会えなくなり久しぶりの再会

熊田といえば10代の頃はよく遊びに行く時
渋いクラウンで迎えに来てくれた

あれから20年以上は刻は経ったが
今はポップな燃費が良い車でお迎えだ

熊田は何だかんだで、いつも横にいるような気がする
顔も縄文人のような濃い顔で忘れることもできない

そんな熊田との再会もあって安定のひらおと
東出雲の居酒屋に飲みに行くことになった

そりゃ久しぶりの再会で40過ぎのおっさんが集えば
深い話になり酔いと時間がグルグル回り出す

グルグル…ギュゥルチュゥル…

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…チュゥルチュン…チュンチュン

2022年5月3日天気は快晴

どうやら昨日の記憶は
居酒屋に置いて帰ったようだ

僕は今日登山をすると決めていて
若干二日酔いではあったが頑張って起きた

そして、僕は大急ぎで支度をし
親父に登山するから連れてってくれとお願いする

「どこの山かやぁ」

通称マッサンはいつもの感じで声を張り上げた

”天狗山”

ヴゥゥン…

スマホのGoogleマップで地図を開き
円滑に登山口まで行けるよう調べマッサンをナビる

そして”熊野大社”を横切り県道53号線を
少し行ったところを左に曲がり奥に進んだ

そこから狭い道が続き2人とも不安になったが
Google Mapを信じ強気でナビる

「本当にあるかやぁ」

正直親父とこんな狭い道を通ったのも初めてで
何故か不思議とワクワクした

そうこうしている間に僕らは随分奥の方に来ていて
ようやく登山口の看板が見えてきた

僕はそこで降り、大体の下山時刻を伝え
マッサンはその場を後にした

ザッザッ…

最初はずっと緩やかな坂道が続き
意外と楽に行けるんじゃないかと余裕をかます

しかし次第に険しくなり道らしい道は無くなってきた
また、”登山をしている人も誰もいない”

追憶の世界「蜘蛛の巣」(2)へ続く


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高橋 悦史
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