足し算でやってるうちは"デザイン"とは言えない、という話
「デザインってどういうことなんだろう?」と考えたときに僕が最近思うのは「考えがくまなく行き届いてること」なんじゃないかな?と思っています。
その時、幼児が積み木で家や建物を作る姿をイメージしていたのですが、基本的に赤ん坊ごやる積み木は行き当たりばったりで積み木を積んでいくので、不恰好な建物になってしまうことが多いのが普通。
ただ、やり慣れていくうちに「土台は広く作らないといけない」「細くて小さい積み木は上の方に」みたいなことが分かってきて段々としっかりした家らしい形を作れるようになっていく。
デザインの仕事もこれと同じで、最初は行き当たりばったりで着手して、途中で何かが破綻していることに気づき、それでも無理くり進めてしまった結果後戻りもできなくなり、どうにもならなくなった時点で完成を迎える。
そんなデザイン仕事をディレクターとして山ほどみてきたし、自分が手を動かす側としてもそんな成果物をたくさん作ってきた気がします。
グラフィックや造形の分野でなくても、仕事の座組みやシステムを構築する(=デザイン)時も、あらかじめどれだけ広く深く多くのことに気を配れていたかが成果物のクオリティを左右していたように思います。
ただ、それに気づくにはそれなりの経験と結果と労力を積み重ねる必要があるので、最初の頃のトライアンドエラーは避けて通れない道だったんだろうなぁと今さらになって思っています。
そうやって作られたのがこちらです。
悪くないとは思ってます。
ここまで積み上げてきた中での最適解を求めた結果ではあります。
でも、なんかキレイじゃないっすよね。美しくはないですよね。
僕なりに事前に"デザイン"をしてから着手したんですが、やってるうちに不備が次々に見つかって、「◯◯がないからアレを足す」「アレがないから◯◯を買う」を繰り返してるうちにこうなりました。ちなみに…
これが立ち上げ直後のレイアウトです。
なんかスッキリしてますね。植物も青々としてキレイですね。
でも、これはダメなんです。見た目はキレイでもイモリの育成に必要な隠れ場所も少ないし、日を追うごとに痛んでいく苔も少なくありませんでした。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とはよくいったもので、最初のシンプルな状態も今のモリモリな状態もどっちも正解ではないんですね。
イモリや苔の育成の知識や経験があればやれたこと、やらなくていいことが詰まったのが現在のレイアウト。
それでもまぁイモリも苔も元気そうにしているので方向性は合ってるのかな?と思いながら観察を続けています。
で、結局今回のコラムで何が言いたかったかというと…
早く二台目の水槽を立ち上げたい。
ということです。