ラオス と ノンカイ村
タイ、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、中国の5カ国に囲まれたラオスは、東南アジアで唯一の内陸国。海を持たないラオスの人々は、「母なる川」を意味するメコン川から生まれる自然の力に、その暮らしを支えられている。
岩肌のむき出しになった険しい山々や、見ているだけで飲み込まれてしまいそうな激しい滝の流れ。その景色は実に神秘的で、どこかに仙人様が立っているんじゃないかと目を凝らしてしまうほどだ。
ラオス北部に位置する世界遺産の街、ルアンパバン。そこから車を2時間ほど走らせた山の中腹に、ノンカイ村はある。
「走らせる」なんて言うのは簡単だが、実際はスリル満点のアドベンチャー。車が一台やっと通れるほどの幅に削り込まれた山道を、工事現場でしか見たことのないような大きなタイヤのトラクターで、慎重に進んでいく。一歩間違えば、崖から真っ逆さま。雨季の間は、いたるところで土砂崩れが起きている。
そんな激しい山道を超えていくと、穏やかな集落が見えてくる。
ノンカイ村の懐かしい香りが漂ってきた。