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もっと素直になれる場所。

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マガジン

  • たより

    ラオス北部に位置する世界遺産の街ルアンパバンから、車を2時間ほど走らせた山の中腹にあるノンカイ村。私がまだ高校生だったときに偶然この村と出会い、ここは私の故郷になった。私の心と体を支えている生き方や考え方は、ノンカイ村の人たちから学んだものばかりだ。

最近の記事

おじさんとウサギ

公園を歩いていたらウサギを散歩させているおじさんがいた。みんな周りに集まって、かわいい〜と声を掛けたり写真を撮ったりしていた。 おじさんは、ウサギをよしよし愛でながら、とても嬉しそうにしていた。生き甲斐なんだろうな。 私は、「ある日このウサギが死んじゃったら、このおじさんどうなっちゃうのだろう」とか思った。(我ながら不謹慎すぎる!) きっとすごく悲しむんだろうと思ったけど、意外とそうでもないかもしれないとも思った。これまでの長い人生のなかで、悲しいことなんてたくさんあっ

    • 「無音」

      ここ数日ずっと、「無音」が怖かった。 YouTubeで過去に見たことのあるゲーム実況のアーカイブ動画(1本3時間くらい)をエンドレスに垂れ流して、ただ画面に視点をおいているだけの時間を過ごした。 見ているわけでもなく、見ていないわけでもない。聞いているわけでもなく、聞いていないわけでもない、という状態。 ここ数日ずっと、何かを考えるのが怖かった。「無音」のなかで現実を聴くのが怖かった。 でも、今日になって、ゲーム実況の動画すらも現実と同じ次元に重なってきて、何かを考え

      • 無計画に小説を書く

        「花束みたいな恋をした」を観た。 好きなことに真っ直ぐなときのふたりを観て、ふと、小さいときノートに小説を書いていたことを思い出した。 クリーニング屋さんが出てくる話だったことは覚えているけど、それ以外の登場人物やストーリーのことは全く覚えていない。それに、当時から飽き性だった私は、序章オブ序章のところで書くのをやめてしまったはずだ。あのノート、いつどこで捨てちゃったのかなあ。 今、また小説を書いてみたいけど、あの頃みたいに無計画で突拍子もないことができなくなってしまっ

        • ラオス と ノンカイ村

          タイ、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、中国の5カ国に囲まれたラオスは、東南アジアで唯一の内陸国。海を持たないラオスの人々は、「母なる川」を意味するメコン川から生まれる自然の力に、その暮らしを支えられている。 岩肌のむき出しになった険しい山々や、見ているだけで飲み込まれてしまいそうな激しい滝の流れ。その景色は実に神秘的で、どこかに仙人様が立っているんじゃないかと目を凝らしてしまうほどだ。 ラオス北部に位置する世界遺産の街、ルアンパバン。そこから車を2時間ほど走らせた山の中

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        • たより
          3本

        記事

          はじめに

          昼下がりは日差しが強いし、トタンの屋根なら家の中も暑い。日陰が涼しい軒先へ小さな椅子を持ち出して、そこに腰掛けたまま何時間も過ごす。 日向では、鶏やアヒルの親子が仔犬の昼寝をのんびりと横切る。聞こえてくるのは、小さな子供たちが少し遠くで走りまわる声だけ。 ときどき、村の人がバイクに乗って山の麓へ出かけたり、重そうなカゴを背負って農作業から戻って来たりする。「どこへ行くの?」「なにが採れた?」と声をかける。 ノンカイ村では、すべてが緩やかに調和している。 人、動物、自然

          はじめに

          感謝のことば

          私がまだ高校生だったころ、偶然ノンカイ村と出会ってから、この村は私の故郷になった。彼らのつくる家族のような距離感に魅了され、私は何度もここを訪れている。 いつも家に泊めてくれるお母さんとお父さんには、どれだけ感謝してもしきれない。無知で未熟な外国人の私のことを娘のように受け入れ、たくさんのことを学ばせてくれた。 私の心と体を支えている生き方や考え方は、ノンカイ村の人たちから学んだものばかりだ。  ノンカイ村の全ての人との出会いが、私にこの本を書かせてくれた。 彼らの広く

          感謝のことば