喫茶店で思い出す父との思い出
子どもの頃、父と行った喫茶店の記憶が鮮明に残っている。出不精でパチンコ好きだった父とは、遠出をした記憶はない。休みの日は近所の公園でキャッチボールをしたり、バッティングセンターに行くのが日課でそれが唯一の父と遊んだ記憶。その帰りによく立ち寄ったのが喫茶店だった。ヘビースモーカーだった父の手元にはいつもタバコと灰皿。苦そうな焦げ茶色の珈琲を飲みながら、スポーツ新聞を読んでいた姿が目に焼き付いている。「野球」という唯一の共通点で結ばれていた父が勧めてくれたのは、「ドカベン」や「キ