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2024年度ノーベル賞生理・医学賞受賞者予想

直近のノーベル賞生理・医学賞受賞者

2021年は温度や触覚を担う受容体を発見した功績でDavid Julius博士とArdem Patapoutian博士が受賞した。David Julius博士は予想的中。

2021年ノーベル生理医学賞予想

2022年はネアンデルタール人などのゲノムを解読した実績でSvante Pääbo博士が単独受賞。

2023年はSARS-CoV2に対するmRNAワクチンの開発を可能にしたRNA修飾を研究したKatalin Karikó博士と Drew Weissman博士が受賞。予想的中。

2023年ノーベル生理学・医学賞予想

2024年度ノーベル生理・医学賞受容者候補

森和俊博士, Peter Walter博士

小胞体ストレス応答の分子メカニズムを解明。細胞がタンパク質の合成に失敗し不良タンパク質が蓄積した際に誘導されるストレス応答。森博士(現京都大学特別教授)とPeter Walter博士は当時激しい競争関係にあったらしい。

Michael Nip Hall博士, Lewis Clayton Cantley博士, Stephen Staal氏

PI3K, AKT, mTORはいずれもセリン・スレオニンキナーゼ(タンパク質などにリン酸を付与する酵素)で、栄養シグナルに応答して細胞周期など様々な細胞現象を調節するシグナル伝達経路を構成。いずれのキナーゼもガン治療の重要な標的となる。Hall博士は1993年にmTORのクローニングに成功。ちなみにGeorge Livi博士もHall博士とは独立にmTORのクローニングに成功したが、論文出版がHallよりも5ヶ月遅れた。ラスカー基礎医学賞(2017年)はHall博士の単独受賞。Cantley博士は1985年にPI3Kを発見。ガードナー国際賞(2015年)をHall博士と共同受賞。Staal博士は1987年にAKTを発見。主要な受賞歴はないが、AKTの最初の発見者として候補に選んだ。

Napoleone Ferrara博士, Donald R. Senger博士

血管新生を担う因子としてFerrara博士はVEGF遺伝子のクローニングに成功し、ラスカー臨床医学賞(2010年)を受賞。そろそろノーベル賞を受賞してもおかしくない頃合い。VEGFの発見者であるSenger博士も同時受賞する可能性がある。

C. Ronald Kahn博士, Jeffrey M. Friedman博士, Joel Habener博士, Lotte Bjerre Knudsen博士, Svetlana Mojsov博士

発展著しい肥満研究から。貢献者が多すぎて3名に絞れず、ここでは5名を候補として挙げている。Kahn博士インスリンのシグナル伝達機構と疾患との関連を研究してウルフ賞医学部門(2016年)を受賞。Friedman博士食欲を調節するホルモンであるレプチンを発見しウルフ賞医学部門(2019年)を受賞。Habener博士、Knudsen博士、Mojsov博士GLP-1受容体作動薬の研究でラスカー臨床医学賞(2024年)を共同受賞

Bert Vogelstein博士, Arnold J. Levine博士

がん抑制遺伝子p53の発見者。正直、とっくにノーベル賞が出ているものだと思っていた。Vogelstein博士とLevine博士はルイザ・グロス・ホロウィッツ賞(1998年)を共同受賞している。


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