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2024年度ノーベル化学賞に選ばれそうな生物学に関わりの深い研究者

直近のノーベル賞化学賞受賞者過去のノーベル化学賞は物理化学から分子生物学まで幅広い学問が対象となっている。直近では2023年度に量子ドットでMoungi Bawendi博士、Louis E. Brus博士、Alexey Ekimov博士が受賞。2022年度には生物学にも関係が深いクイックケミストリーと生体直行反応の開発でCarolyn R. Bertozzi博士、Morten P. Meldal博士、Karl Barry Sharpless博士が受賞している。そのほかCRSP

    • 2024年度ノーベル賞生理・医学賞受賞者予想

      直近のノーベル賞生理・医学賞受賞者2021年は温度や触覚を担う受容体を発見した功績でDavid Julius博士とArdem Patapoutian博士が受賞した。David Julius博士は予想的中。 2021年ノーベル生理医学賞予想 2022年はネアンデルタール人などのゲノムを解読した実績でSvante Pääbo博士が単独受賞。 2023年はSARS-CoV2に対するmRNAワクチンの開発を可能にしたRNA修飾を研究したKatalin Karikó博士と Dre

      • 2023年ノーベル化学賞予想

        2023年のノーベル生理学・医学賞の受賞予想はあたったが、大本命を的中させてもつまらないので化学賞を予想していこうと思う。 2023年ノーベル生理学・医学賞 化学賞の半数近くは生化学、分子生物学あるいはこれたの分野に貢献する技術に対して贈られている。ところが直近2年は生化学分野は選ばれていないため、そろそろ選ばれる頃合いだろう。生化学分野に山を張って(無論、合成化学や物理化学は著者にはわからないのだが)予想していく。 神経活動の操作を可能にしたオプトジェネティクス技術の

        • 2023年ノーベル生理学・医学賞予想

          まずは直近のノーベル生理医学賞受賞者を振り返る。 2021年は温度や触覚を担う受容体を発見した功績でDavid JuliusとArdem Patapoutianが受賞した。David Juliusは的中。 2021年ノーベル生理医学賞予想 2022年はネアンデルタール人などのゲノムを解読した実績でSvante Pääboが単独受賞。ヒトゲノムプロジェクトを飛ばしての受賞には驚いた。ヒトゲノムが大規模な国際共同プロジェクトであったために、個人を選出するノーベル賞からは外され

          ウイルスを"観る" 第一部: 病原性で観る

          はじめに 〜我々のウイルスに対する認識の歴史 2019年の年末。中国武漢市で原因不明の病気が発生する。翌年、この病気は瞬く間に中国全土、そして世界に流行し、歴史的なパンデミックに陥った。世界中の研究者がこの病気の原因を研究し、SARS-CoV2、いわゆる新型コロナウイルスが病原体であることが突き止められる。パンデミックは我々の生活に甚大な影響を及ぼし、いまでは「ウイルス」を知らない人はほとんどいないだろう。もちろん、多くの人は「ウイルス」という言葉自体は聞いたことがあったか

          ウイルスを"観る" 第一部: 病原性で観る

          2022年 ノーベル賞生理・医学賞受賞者予想

          去年のノーベル賞予想ではDavid Juliusを的中させることができました。今年も張り切って予想していきます。 ノーベル賞とは生理学・医学賞は、おおむね臨床と基礎が交互に選ばれてるという周期性がみられます。去年が「温度と触覚の感知メカニズム」を発見したDavid JuliusとArdem Patapoutianに生理学・医学賞が贈られています。基礎分野ですね。ということで今年は臨床分野を中心に予想をしていきます。 ◎ 迅速なCOVID-19への対応を可能にしたmRNAワ

          2022年 ノーベル賞生理・医学賞受賞者予想

          2021年ノーベル生理医学賞予想

          10月4日から11日は、一年で最も「科学」にスポットライトが当たる一週間になるのではないでしょうか。そう、ノーベル賞ウィークです。初日は生理医学賞。生意気にも今年は受賞者の予想をしてみようと思います。 ※以下敬称略 ノーベル賞とはノーベル賞について、いまさら説明はいらないかもしれませんが、少し復習。ノーベル賞は最も歴史のある科学賞の一つで、対象分野は生理学・医学、化学、物理学、文学、平和、(経済)です。一度に受賞するのは最大で3人で、原則故人には送られません。賞金は約1億

          2021年ノーベル生理医学賞予想

          重水は甘いらしい

          重水は甘いらしい。PNASに出てた記事がおもしろかった。 話をかいつまむと、次のようなことらしい。 そもそも重水について復習すると、質量数の大きい水素をもつ水のことで、文字通りちょっとだけ重い。とはいえ電子状態は軽水(普通の水)と同じなので、生物屋からみれば重水も軽水も同じようなもん(物理・化学屋さんに怒られそう...)。 重水は甘いか?さて、本題に戻ろう。どうも科学者という生き物は新しいものを目にするとまずは口に入れてみるらしい(諸説あり)。なんと1935年には重水を飲

          重水は甘いらしい

          超個人的!2020年印象に残った論文5選

           みなさん、今年はどんな論文に出会いましたか?私は今年もたくさんの論文に触れることができました。その中から個人的に特に印象に残った論文を5本厳選して、エモを共有したいと思います! 第5位 卵巣と精巣を併せ持つモグラ 最初はこれ!Scienceに掲載された、ゲノム再編成によって卵精巣が進化したメカニズムに迫った論文。イベリアモグラのメスは不思議なことに、卵巣と精巣が合わさった卵精巣と呼ばれる器官をもつ。この研究によって、イベリアモグラではクロマチン構造が変化していることが明ら

          超個人的!2020年印象に残った論文5選

          なぜ私たちは「コロナ専門家」を求めるのか?

          パンデミックによる社会的な混乱の中、連日のように「専門家」という存在がお茶の間を賑わしている。今晩は「コロナ専門家」を研究業績という視点で分析しつつ、なぜ私たちが専門家を必要とするのかについて議論したい。 昨今数多くの「コロナ専門家」がメディアに登場しているが、その主張は必ずしも一致していない。必然的に、どの専門家が正しいのか?に関心が集まり、アサ芸から『「コロナ専門家」12人を格付けチェック』という記事が公開された。記事によると、現場の医師らが匿名で「格付け判定」したよう

          なぜ私たちは「コロナ専門家」を求めるのか?