亀川豊未「滞在終了?(7日目)」
最後まで雨で迎えた藤枝最終日。
滞在初日にも書いた、“あっという間に終わるだろう„というのはそのまま予想が当たった。
今日は旅人の古谷さん、林田さんとダブル鈴木さんと初めまして!をした藤枝駅からスタート。
初めましての時と今の藤枝駅の印象が違いすぎる。何故か懐かしい地元に帰ってきたかのような、そんな感覚だ。
雨模様で少しルート確認しようとベンチで調べ物をしていたら、見覚えのある姿がこちらに近づいて来るのがわかった。
旅人の林田さんだった。
林田さんは次の展示(MYAF2024)の準備のためにもう東京に帰るとのことだった。
ダブル鈴木さんが見送りに来れない代わりに、亀川が林田さんをちゃんと見送りました。
なんだかもう藤枝の住民気分になっちゃっている。
林田さんを無事に見送って、藤枝市歴史博物館を目指し、バスで向かう。
バス停、蓮華寺公園で下車。歩いて公園に向かう途中、“茶袋“という文字が目に入った。
気になったので入ってみることにした。
ヤマサン柴田製袋は主に業者向けと一般家庭用のお茶袋、紙袋を中心に販売しているお店だ。
そして、よくお話を聞くと、お茶農家さんが必ず使う“大海“(お茶を入れる袋)を専門に手作りで作っているお店だということがわかった。
三重構造で丈夫で、丁寧に作られた紙袋。何十枚となるとかなりの重さになるらしく、お茶屋さんに納品するのが大変なんだとか。
{心の声}
(お茶の袋も手作りなんか。。。ちょっと待てよ、お茶農家無くなることなんかになったら、この袋も無くなるんじゃ。。。?)
お茶屋さんでよく見る、お茶箱も作っていた職人さんが高齢で辞めてしまったりと、お茶に関わる道具を作る職人さんたちも悲鳴をあげている。
少しでも応援したいという思いを込めて、というか普通に欲しくなった。
600円行かないくらいのお値段だった。
激安では?と少々心配になった。
「何に使うのー?」と店主の人は不思議そうな顔をしていた。
素材収集癖が若干ある私は、特にその時は考えずフィーリングで購入することが多い。
「この紙袋を欲しい人はお茶農家さんだけではないはずっ!」と店主の人に暑苦しいテンションだったかもしれない。
この大海に絵画やドローイングを描いてもいいし、染めたり、色々な加工をしても面白いかもしれないと思った。
それが藤枝のオリジナルデザインなものだったり、お茶園だけでなく藤枝のあちこちで使ってるものといった、より身近な生活に馴染むものなどになればまた違った道があるのかもしれないのかも?、、などと考えたりした。
あとは海外の方に向けて、ネット販売など等も期待できそう。
興奮冷めやらぬまま、蓮華寺公園内にあるとんがりぼう 旧藤枝製茶貿易商館、通称トンガリが見えてきた。
蓮の池をぐるりと外周してやっと目的地の郷土博物館へ着いた。
文学館では企画展があっており、時間の都合上常設展のみ拝見した。
縄文時代から近代までの藤枝の歴史をコンパクトかつ味わい深い資料展示(パノラマやビデオなど)で見ることができた。
今度はより深い民俗学的な視点で藤枝を見るとさらに新しい発見があるような気がした。
蔵田茶農園で働く友人が急遽、お休みが取れたとのこと(雨なのでお茶仕事が急になくなったりするため)。
また行ってきた。
お約束の、、、
2日連続、げんこつハンバーグ!!!
デミグラスソースでも美味しかった。
まさか2日連続行ってるとはダブル鈴木さんたちも予想してないだろう。
„さわやか“で爽やかじゃない香りを纏って、東京へ帰らなきゃならない。
最後の最後まで満喫した今回のMAW旅人プログラム。
藤枝中山間地域課のダブル鈴木さん(ようすけさん、ともさん)をはじめ、アーツカウンシルしずおかのみなさん、お茶農家の蔵田茶農園のみなさん、市之瀬の里のみなさん、たくさんの方々と触れ合える時間をありがとうございました。
また次に会う日まで。どうかお元気で。
これが最後ではなく、これからが藤枝の旅の始まりのような気がしている。