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鈴木泰人《御殿場の音から》まとめ

アートワーケーションと言う言葉に引き付けられて静岡県の御殿場にやってきて1週間が経ちました。マウント劇場で過ごす日々も慣れてきたころ、まだまだこれから歩き回りたいと思った所で今回の旅は終了です。

様々なところに足を運んで音を録って聴いたり作品に繋がるかもしれない音の素材たちを集めたり、ただただ自由に歩いて、訪れて録らせてもらった時間は貴重な経験となりました。

今回は音の編集やちょっとした制作もさせてもらえる場所をお借りできたこともあって机の上は常に楽しいことになっていましたが、縁を結んで旅をするとこういった奇跡的な出会いや時間を得ることが出来ます。

高嶺の森の一日アトリエ

出会った人の縁でなるべく御殿場を見て回ることを設定したおかげもあったのか、話は御殿場を超えて世界中の素敵な場所の話になったりもしました。
※詳しくは7日目の日記にグーグルマップを参照。
御殿場と言う場所がある種の旅人の目的地になるのも今回のワーケーションを通して感じたことです。

歴史、文化、環境、仕事、交通、人、モノ、イベント、まち、言葉や記録ではなかなか語れない部分も多く不思議な光景ものぞかせてくれるおちゃめな性格をしている町なのかもしれません。滞在中にナイトツアーに参加させてもらって町のディープスポットを散策しながら昔の話や今の話をしたのは記憶に強く残りました。

もはや専用照明

そして何より食事が楽しかった。
これは、御殿場に来られる方はぜひとも知ってほしい街の情報です。なにせ地元の方々から集めた生の情報なので、好みはあれど間違いがないので目的として訪れてみるのもありかと思います。

マウント劇場では毎晩おいしいごはんを振舞っていただける日替わりシェフ制度が今回導入された様で、これが僕はよかった。地のモノを使って作ってくれたり、多国籍な料理も食べさせてもらいました。

カフェ、ノジノさんのキッシュ

個人的なエピソード料理がでることもあって晩御飯バリエーションは豊富。

はじめて食べたエジプトB級グルメのコシャリ

食事の時間に出会うことでモチベーションが上がるし、そのために動こうと思えるので、原動力となる食べ物はとても大事。御殿場は精肉店とパン屋さんが沢山あります。

二の岡ハムのベーコンにやられました
パン工房山ロ屋さんのパンを朝ご飯にする贅沢

グルメ情報は毎晩交流させてもらい、部屋のドアを開けっぱなしにしながら深夜まで続く会話も耳に入れて、個人的に心地よい時間となりました。マウント劇場をゲストハウスにされているノクタリウムの館長さんにも気を使ってもらい、話を聞かせてもらい、ちょっと町の音が多く聴こえちゃう部屋だと言うのだけれど、自分にとってちょうど良い風音の入るスペースでした★★★★★。

ノクタリウムの入り口はバーになるそう

御殿場の地域性

様々な地域で制作をしてきて他と違う感覚としては、手遅れになっていないことでしょうか。少子化や空き家問題が目立つ中で御殿場は子供たちの声も良く聞こえるし、空き家もあるけど住んでいる人の率が多い。農村地域でもあるから後継者問題は課題だけど商売として成り立つ仕組みも考えられている気もします。

コロナも落ち着きインバウンドの影響があるなかで各町は個性をどうやって発信するかを余儀なくされています。芸術家としては文化を見ながら作品を作ったりするのですが、往々にして地域の文化資産に気づくのは旅人なっています。

よそ者が覗く一端は良くも悪くも町の現状です。音からもその状況が垣間聴くことができるし、耳を澄まさないと見えてこないこともあります。これまでただ通り過ぎるだけの町だった御殿場インターから街に目的ができたらもっと周りの県外から足を運ぶ人が増えると思います。そうした時の準備ができているとお互いに楽しむことが出来る街になるし、気づいたら住んでいる人も増えるかと思います。

実際のところ文化芸術を育む環境は御殿場は課題かと思われますが、地域連携ができれば拠点となりうるポテンシャルと、何より富士山文化ハウスなどの人たちが居るので期待は大きく感じました。そう言う交流の場に足を運べたのは貴重な体験でしたし、目的の一つとなってほしいです。

旅人を共にした私道かぴさんと風音さんの記事もぜひ覗いてみてもらいたいです。旅人がこんな視点で御殿場を体感していると垣間見れるのは実はとても貴重なことだと感じます。

街の小さな機能は大きな歯車に繋がっていて、その噛み合わせの音が少しずつ旋律に変わりつつあります。時間はそう長くかからない近い未来の御殿場に足を運んでみたら都内から近い自然と食に溢れた地域に気づかされることがあるかもしれません。

地元の駅から1本で来れると知った小田急線のロマンスカーでふらりと訪れるつもりです。


静岡の音の旅の番外編《富士宮》朝霧高原にて

実は、静岡の朝霧JAM2024と言う音楽フェスティバルイベントにMAWに参加した直後に遊びに行ってきました。音楽フェスはかなり久しぶりでイベントは規模も内容も大きくなっているのを実感しました。

人にもまれながらも野外で聴く音楽は格別、仲間と合流をしてご飯を食べて焚火をして話をしながら飲み明かしてテントで寝る。。。最高の時間です。

テントがランタン照明のよう

MAWに滞在中には見ることがなかなか難しかった富士山の全景もしっかりと拝むことが出来て晴れた昼間は夏のように暑く、夜は冬服で過ごす気候となっており本格的な紅葉と冬が訪れる足音も同時に聞こえてきます。

爽快な早朝と富士山のシルエット

自然と言う環境が音楽を聴くには最適な場所だという事を町の人はあまり気にかけたりしませんし、正直迷惑な部分もあるそうです。音楽祭のみならず人が集まる場所というのは少なからず無理も生まれます。静岡と言う環境でワーケーションをしながら自由に妄想を膨らまして場が持つ力を改めて感じる良い機会となりました。

静岡で耳を澄ましてみる。
また、いつも通りの旅行だとしても御殿場の音を聴きに立ち寄り道したいと思います。


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